谷 好通コラム

2006年03月29日(水曜日)

1372.任せる事と知る事

5年間ほぼ毎日書き続けたこのコーナーを
1日おきに書くようにしてから約一ヶ月、自分の生活に随分余裕が出来てしまった。
本当は、書かなければならない仕事の原稿をもっと精力的に書こうと思って、
一日おきにしたのだが、
少なくともこの一ヶ月においては、
その空いた時間を家でののんびりの時間にしたり、
睡眠時間に当てられる事に終始してしまった。
楽ちんをしてしまったわけだ。

 

イカンなとも思うのだが、
のんびりしたペースが心地良くって、
このままでは、本来持とうと思ったペースに入れずに済んでしまいそうである。
毎日やっていたことを、一日おきにすることによって
毎日はやらなくていい、しなくていいこととしただけであるなら、
つまり、ただ単に楽ちんをする結果になるなら、
私も、元来が“やらない人間”であった事になってしまう。

 

それは自分でもイヤだと思うので、
また毎日書き始めようかと思ったり、
本来の目的であった仕事の原稿書きの量を倍に増やすことを、
もう一度やるべきなのかを、迷っている。

 

最初、このホームページを開いた時、
とにかく毎日更新をしようと思って始めたこのコーナーも、
「快洗隊日記」とか「BBS」とか「インスト日記」が、活発に更新されていて、
内容も充実しており、
初期の目的はきちんと達成されている。
私が出る幕はもうないのかなと思えるほどの活発ぶりだ。

 

仕事の面においても、そんなことを最近良く思うようになってきた。
私が直接手を下すよりも、むしろうまく行っていると思えることが多くなってきたのだ。

 

私は経営者としてすべての事に気を配り掌握しているべきだと思っているが、
何でもかんでも手を出し、口を出すべきものでもないとも思う。
しかし、手を出し口を出さねば、個々の事柄を知ることが出来ず、
すなわち全体を掌握することが出来ない現実は、
この会社の中に報告の習慣を、
もっと組織として浸透させなければならないということだろう。

 

そうすることによって、
問題なく進んでいる事柄には口を出すことも手を出す必要も無くなるのだ。
問題があると判断した時にだけ、口を出したり、手を出せばいいだけになる。

 

ありがたい事に、
スタッフ一人一人の能力が上がってきて、
任せることが物事の進展に最も有効である手段になってきた時、
私は楽ちんになったと、口を閉じることもいいし、手を引っ込めることもいいと思う。
ただ、耳を閉じること、目を閉じることは絶対にしてはいけないと思うのだ。
任せるということと、知らないということは、
全く反対のことであって、
任せることをより進めたいと思うならば、
より耳をそばだて、目を大きく開いて、すべてのことを知っている状態を作るべきだ。

 

すべてのことを知っているからこそ、任せられるということで、
それが経営者の責任であると思う。

 

だからこそ、隅々からの報告を強く求める事になる。

 

スタッフ一人一人が各セクションで、自立し、自己責任で、
会社全体のことを考えながら、
つまり、決してセクショナリズム⇒自己責任範囲の中への埋没に陥ることなく、
任せられる人たちになって、
活き活きとした行動と思考を発揮するためには、
一見、拘束的に感じられるであろう徹底した報告習慣を、
敷いて行かなくてはならない。

 

知っているからこそ任せられるのであり、
任せられたからこそ、徹底して知らせること=報告をする事を実行すべきなのである。

 

活性化された組織、
風通しが良く、全体としてバランスの取れた組織が出来上がることによって
同じような力を持った組織でも、発揮すべき力のレベルが格段に違ってくる。

 

そんな力強さを、最近、特にひしひしと感じるのである。

 

 

東京のホテルの中。
今日一日が素晴らしかったことを噛み締める。

 

朝、名古屋を出てくる時
またもや富士山がはっきりと見えた。

 

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    代表取締役会長兼CEO

    谷 好通

    キーパーのルーツであり、父であり 男であり、少年でもある谷好通の大作、名作、迷作コラム。
    読めば読むほど元気になること間違いなし。・・・の、はず。

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