谷 好通コラム

2006年06月07日(水曜日)

1409.潰れないバブル?

中国は只今バブルの真っ最中である。
借金をしてマンションを買い、そのマンションを他の人に貸して、
ローンの支払いに当てる。
そうしている内にどんどんマンションの値段が上がって、
上がりきったところで売りに出せばボロ儲け。

 

バブルは庶民の錬金術なのです。

 

似たような経験を私もしたことがある。
二十数年前、私は大府市内の田舎に中古住宅を買った。

 

50坪の土地に、築15年、30坪の平屋で付いていた。
すぐ近くに養鶏場があり、大変臭かったので割引があったのか、格安の1250万円。
養鶏場の匂いも慣れれば何とも無い。
その頃約50万円/坪が相場の大府市の土地で、
ほぼ土地だけの値段で、しばらく暮らせる中古住宅が付いている。
建物はだんだん古くなって価値が下がっていくが、
土地だけは絶対に下がらない。
そんな土地神話が続いていた頃の話である。

 

約10年その住宅に暮らして、
別のところに引っ越すためその土地と家を売ったのだが、
養鶏場はいまだ健在で臭さもまったく変わりはしていなかったし、
建物は築25年とますます古くなったが、なんと2,900万円で売れた。
これにはびっくりしたものだ。

 

それまで、家賃約5万円のアパートに住んでいた。
もしそのアパートに住み続けていたら、
10年間に、5万円×120ヶ月=600万円の支出

 

思い切って1,250万円で中古住宅を買ったので、家賃はゼロになり、
10年間に、312万円の金利がコストとなってかかったが、
2,900-1,250万円=1,650万円の差益が出て、

 

1,650万円(差益)-312万円(金利)∔600万円(不要家賃)=1,938万円
つまり、
アパートに住み続けるよりも、
中古住宅を買って、バブルで値上がりをしたので「1,938万円」得をした。

 

これぞバブルのなせる技である。

 

ところが、その古い家を売って、新しい土地を買い、家を建てたので、
何も儲かったわけではなかった。
つまり、バブルで値段が上がった物件を売って、
そのお金で、バブルで値段が上がった物件を買ったので、

 

つまり、バブルが去った今、今の家は買った時と比べてはるかに安くなっていて、
ブラマイゼロという事になる。
私はバブルで儲けた訳ではないのだ。

 

ただ、私はその家に住み続け、売るつもりがあるわけではないので、
損をしたわけでもない。

 

しかし、これが投機のために大きな借金をして買ったものならば、
住むのが目的ではなく、売るのが目的で買ったものならばそうは行かない。

 

投機とは、買って売って、その差が儲けになるわけだから、
必ず、買った値段よりも、売った値段が高くなければならない。
その差益は、値上がりのスピードが上がることによって大きくなる。
誰もが儲かっている時は、
買う人が売る人よりも多いので、
つまり需要が供給を上回るので、どんどん値段は上がる。

 

差益は、買うために発生した金利などのコストを上回っていなければ
儲かったことにはならない。

 

バブルが進む時には、その値上がり速度がコストを大きく上回るので、
誰もが儲かる事になり、需要も活発だが、
しかし、一旦値上がりスピードが鈍ると、コスト割れが発生して、
少なからず損する者が出始める。
すると、その損が大きくなると耐えられない人が売り始める。
つまり供給が増えるわけだ。
供給が増えれば、需要がそれに追いつかず、
値段が下がり始める。
すると値上がりスピードて支えられていた儲けは木っ端微塵となり、
誰もが損が大きくなる前に売ってしまおうと、
雪崩のように売りが殺到する。

 

そのスピードはバブルで支えられた値上がりのスピードなどとは大違いで、
大雪による積雪スピードと、
積もった雪が一挙に崩れる雪崩のスピートほどの違いある。

 

過去、世界中で起こったバブルで、
崩れなかったバブルは一度も無かった。
バブルはバブルであるがゆえに必ず崩壊するのである。
それがバブルがバブルである所以なのだから。

 

しかし、日本のバブルの時にも、
証券会社、銀行、などなど金融関係の人で、
このバブルがいつかは崩壊すると公言した人は一人もいなかった。
いたかもしれないが、少なくとも私の耳には届かなかった。

 

それは中国でも同じことで、
日本の金融関係のある人が
「中国は、強権国家なので、経済が破綻しそうになっても、国家が強力に介入して、
日本のバブル崩壊の時のようにパニックにはならない。」
などとか言われるのを聞いたことがあるが、
売りの殺到を止め得る強権的施策などあるのだろうか。

 

バブルはバブルであって、
それは強権国家であろうがどうであろうが、
必ず訪れる崩壊の場面を食い止めることなど出来るものではないと思っている。

 

中国にやがてやってくるであろうバブル崩壊が、
誰にどんな不幸をもたらすのか、
私には不気味で仕方ない。

 

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    代表取締役会長兼CEO

    谷 好通

    キーパーのルーツであり、父であり 男であり、少年でもある谷好通の大作、名作、迷作コラム。
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