谷 好通コラム

2006年08月02日(水曜日)

1446.我ながら情けない

ただ今、午後5時41分。
上海浦東空港の待合室である。

 

バスでの搭乗のため、3階の待合室ではなく、
地下のように感じる1階の狭い待合室。

 

午後5時15分発名古屋行きの中国東方航空に乗る事になっている。
バスでの搭乗なので出発時刻の30分くらい前、
つまり午後4時45位には、搭乗案内が始まるはずなのだが、
すでに、1時間近くが過ぎている。
しかし中国の空港の常で、遅れているともなんとも案内の放送はない。
ただ黙って待たされているだけである。
たくさんの人の熱気で暑い。

 

明らかに多過ぎる人数の女性スタッフが、
キャッキャッとはしゃぎながら、
時には携帯のメールを覗きながら、カウンターでたむろしている様子を見ながら
ただ黙って待っている自分達が情けない。
暑さも手伝ってイライラしてくる。

 

・・・・・

 

と、ここから飛行機の中。

 

あれからすぐに団体客の添乗員さんが、
「あと5分で搭乗案内が始まるとの情報が入りました。」と
自分の団体さんに言っているのを横耳で聞いて、
さっそく列に並んだのだ。
一般客に対して何の案内もなく、インフォメーションにも何のメッセージもなく、
何で団体さんの添乗員さんには“情報”が入るのかよく解らない。
カウンターにいる係員に聞いたのであろう。
ならば、係員には「あと5分」という情報が届いているのだから、
そのように一般客にも放送で流すなり、インフォメーションにメッセージを出せばいいのに。

 

相変わらず中国の係官達には、
“客のために”という発想はまったく無いようであり、
自分のセクションとしての仕事だけをしていれば、
全体のことなど、
客のことなどどうでもいいとする、
ずるい「セクショナリズム」に徹底しているように思える。

 

私は中国が大好きであり、
中国人の友達もいっぱいいて大好き。
特に中国で食べる中国料理は、日本でのそれとはまったく別物であり、
香草や香辛料がたっぷり効いて、何度食べても最高にうまい。

 

それでも、私は制服を着ている係官とかそれに近いような人たちの
あの無神経さは、どうしても好きになれない。
公の立場のような制服を着ると、突然、傲慢になるのは
ある意味、日本でも同じような事が言えるが、中国のそれは輪をかけてひどいように思える。

 

中国での仕事はうまく行った。(と思う。)
上海のメンバーと、それをサポートする日本のスタッフが、
仕事をとどこおりなく進めてくれているので私は安心して指示が出せるし、見ていられる。
今までに比べて最高の体制が出来上がっているような気がする。
酒部君の功績が大きいのであろう。

 

 

そんな訳で、せっかく仕事がうまく行ったのに
それを台無しにするような失敗をやってしまった。
いや、仕事自体が台無しになったわけでなく、自分の気持ちが台無しになったという意味だ。

 

また、帰りの飛行機のチケットを失ってしまったのだ。
ほんの一ヶ月か二ヶ月前にも同じ事をやった。
行きの飛行機の中で、
中国への入国の手続きのための書類にサインなどをしたのだが、
その時に、帰りの分のチケットを、旅行代理店からもらった白いビニール袋に入れたまま、
シートの前のポケットに入れて、
飛行機を降りる時に、そのまま忘れてきてしまったのだ。

 

まったく同じ事を、ちょっと前にやったのに、
また今日もやってしまった。

 

帰りの飛行機のチケットがなくなっても、日本に帰れなくなるわけではない。
空港で、チケットを買い直せばいいだけで、
問題なく飛行機に乗ることは出来る。
(パスポートを失くすのが最悪なのだ。)

 

ただ、当日チケットを片道だけで買うわけだから、
当然高い。
日本の旅行代理店で名古屋⇔上海往復便を、格安チケットで買うと、
大体、往復5万円~7万円くらい。
それが、上海のカウンターで片道で440元、日本円で約66,000円であった。

 

失くしたチケットは当然使えないので、
その66,000円が、
まるまる無駄金となり、
私が失くした事が原因である損害となる。

 

悔しい。
まったく無駄であって、
何の意味もない66,000円を使ってしまったことも悔しいが、
同じ事を、二度も繰り返してしまった自分のバカさ加減が、いっそう悔しい。

 

我ながら情けない限りである。

 

人の間違いを、
鬼の首を取ったように謗ったりするものではない。
自分だって、実に情けない失敗をするのだから。
あ~~~情けない。

 

 

上海のスタッフと私も入った写真が一枚あった。
私はカメラを向けられると何故こんな顔をしてしまうのであろう。
私は普段からこんなしかめっ面をしているわけではない。

 

 

上海のBANDOに近い宿泊のホテルから、朝の風景。

 

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    キーパーのルーツであり、父であり 男であり、少年でもある谷好通の大作、名作、迷作コラム。
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