谷 好通コラム

2007年01月08日(月曜日)

1549.よく怒鳴った3日間

人に技術とか知識を伝えることは実に難しい。
アイ・タック技研も長い年月を経て技術も知識もたくさん蓄積されてきている。
だから、伝える事も増えてきて、それを伝える側の人間も増えてきて、
伝えることの難しさがますます増大している。

 

今までバラバラになっていた一つ一つの知識と技術を、
一連のものとしてまとめ上げ、それをパッケージとして伝えるプログラムを作った。
「手洗い研修」
「KeePre研修とKeePre技術認定2級検定」
「プロショップ研修とKeePre技術認定1級検定」
これ全部をシリーズとして受けると4日間のコースとなる。
非常に中身の濃いプログラムで、
これを専務から、常務、役員、部長、所長、スタッフまで
約30名のインストラクター全員がスタッフ側と受講者側に交互に交代しながら、
三日間に凝縮して実践した。

 

一つ一つのプログラムを、どのように実行していくのか、
時には時間のかかる議論になって、
それでも納得できるまで妥協せず議論して、
余分にかかった時間は、
研修時間を夜遅くまで延長したり、
朝早くから始めたり、
昼ご飯の時間を削ったり、
技術検定の制限時間を短くしたり、
筆記試験の制限時間などはばっさり半分にして
不足した時間を調整する。
最終の今日は朝7時半から始める。

 

正月明けの三連休の世間がのんびり過ごしている間をすべて潰して、
全員が、真剣に研修を受け、議論をし、
身内の検定とはとても思えない厳しい内容で検定を実施したわけだ。

 

合格点も通常の70点を80点に上げ、
特に現役のインストラクターは90点以上をノルマにする。
その結果、2級止まりが3人出たが、
内2人は仕事上でどうしてもはずせない用件があって1級検定の最終日を欠席、
もう一人は2点足らずで所長預かりとなったもの。
ほぼ全員が平均点95点で1級の認定資格を取る。
100点に足らない部分は、
短くした制限時間を若干オーバーした減点がほとんどで、
それを除けばほぼ満点であった。

 

インストラクターなのだから当たり前と言えば当たり前だが、
普通よりかなり厳しい内容で一切妥協せずに出した結果を、率直に誇りに思いたい。

 

これで、全員が共通の技術と知識の元に統一された。
もちろん100%ではないが、
少なくとも、あるべき以上に統一されたことは間違いない。

 

この合宿で、「伝えることの難しさ」についても、
たくさんのことを伝えることが出来たような気がする。

 

「伝えるべき技術や知識があやふや」では
話にならない。
「自分が出来ないこと」は、
いくら口がうまくても、伝えることは無理であって、
「小さな声でボソボソ喋る」は、
伝える気持ちが全くない証拠であり、
「皆の前で、誰か一人に喋りかけるように話す。」は、
伝える事の意味が分かっていない。
「要らない言葉を肝心な話にたくさんくっつけ、喋りすぎる人」は、
意味不明の話になって、さっぱり話が通じない。
「質問に対して、答えを言う前に、まず答えの理由を話し始める。」は、
相手を無視した不親切な答え方であり、相手の理解を得られない。
などなど、
相手が知らない事を仕事としてキチンと伝えることと、
友達同士で話をすることとは、
根本的な意味が違うことを、しつこく、怒りの声すら交えながら教えた。

 

今回の研修と検定の合宿は、
本当によく怒鳴った。
こんなに怒鳴ったのは本当に久しぶりである。

 

たくさんのスタッフが、日本国中で、たくさんの人たちに
多くの事を伝えていくことになるのだ。
それがいかに意味のあることであり、大きな責任であるかと思うと、
甘い顔はしていられないのだ。
悪い部分は、気が着いたその場で叩き潰すつもりで、
特にこれからの軸になっていってもらわなくてはならないであろう人には、
寸分たりとも一切の妥協せず、叩き潰すつもりで当たった。

 

いつまでも、自分が何でもかんでも主軸であり続ける訳には行かない。
しかも、仕事のスピードを緩めるわけに行かない。
みんな一人一人に力を付けてもらわなくてはならない。
「伝える力」は仕事の基礎である。
この部分がなければ、何をやっても無駄になることもある。
本気で私は、自分の仕事を一つ一つでも渡す気になっている。

 

これまでにもないほどに内容の濃い三日間であった。

 

 

ダイヤモンドキーパーの先生増田君も、100点はならず、
厳しい制限時間と、容赦しない検定者の採点に96点であった。

 

 

大先輩を検定せねばならずビビリながらも、なかなか厳しい採点の西園君。

 

 

カメラを向けたら笑顔を作るが、結構イッパイイッパイの鴨井君

 

 

やっと三日間が終わった。

 

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    谷 好通

    キーパーのルーツであり、父であり 男であり、少年でもある谷好通の大作、名作、迷作コラム。
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