谷 好通コラム

2007年04月15日(日曜日)

1620.プロのお仕事の話

今回取り上げたのは、キーパープロショップのパイロット店としてスタートした愛知県千種区の各務原石油?春岡通りSS。(酒井康吉社長、杉大作所長)
この店はキーパープロショップとしてスタートして以来、三ヶ月連続で前年対比約200%を実現している。4月も絶好調のようだ。好調の主因はダイヤモンドキーパーがコンスタントに施工されていること。ここまでの高実績がどのようなプロセスで実現されてきたのか、実際に春岡通りSSに伺い、生の声を聞いて来た。

 

[要因は大きく二つ]
酒井社長「その理由の一つがポスティングだった。ポスティングがものすごく当たった。もう一つの理由が、キーパープロショップになってスタッフが資格を取ったという自信でお客様に勧められるようになった。最初は、おっかなびっくりだったけど、施工するとお客さんが喜んでくれる、そういうのがまた自信になってグレードが上がっていった。単純に理由はそれだけ。簡単です。」
「やはり4~5万円のコーティングが取りたいわけで、何らかの傘の下にいるほうが安心できるし、お客様にとっても解りやすいと思います。キーパープロショップは、そういう意味でも意義があると思いますよ。」

 

 

酒井社長は簡単だと言うが、これだけの高実績を続けられるには、まだまだそれなりと事をやっているに違いない。

 

 

[施工環境の整備]
谷「ダイヤモンドキーパーのように4~6万円の商品になると、それなりの設備が欲しいですね。」

 

酒井社長「舞台づくりというのは絶対大事ですね。洗車スペースだとわかるように土間に色を塗っただけなのですが、それだけでも全然違います。パッと見てここでやっていると分かりやすい。いつも、まな板のようにきれいにしている。やろうと思ってもガソリンスタンドではゴージャスなことはできないでしょうけど、意気込みみたいなものを感じてもらいやすいですね。
最近こだわっていることは、ケミカルをきちんと並べる、機械類をしっかり整備しておくこと。少なくともオイルなどでベタベタした所ではやるべきではないですね。」

 

 

谷「特にお客様にとっては自分の車をいじられるわけですから、いろんなところに気を使うべきですし、車に乗るときにシートカバーを敷くとか、高い商品を売ろうとすればそういうことは大事ですね。手洗い、キーパーくらいまでは許されるけど、SSレベルでその上へ行こうと思ったら、環境をはじめいろんな部分を整備しなきゃいけないです。

 

 

[基本は手洗い洗車]
酒井社長「最近思うことですが、1,500~2,000円の商売ができないと、40,000円の商売はできないと思います。私はアイ・タックさんのビジネスを見て、目からうろこが落ちたのですが、2千円の商売をきちんと形態化している、洗車業としてそれをやった会社はないと思います。カービュー○○○○をはじめ4万5万のコーティングは教えるのだけれど、2千円、3千円の商品化したところはないという点では、大事にすべきだと思います。それがすべての基礎になっているんだと感じます。高いもののほうが儲かるので、そちらに目が向きがちですけど(笑)、それは返って危険ですね。洗車業として考えるのであれば、やはり基本はそれ(2千円、3千円の商品)だと思います。
ただ、このご時勢ですので、4万円のものがいつ売れなくなるかわからない、でも、あとのことは心配してしょうがないんだから・・・(笑)なんて言ってますけどねぇ。」

 

谷「いいものは売れ続けますよ。ダイヤモンドをやった車とそうでない車をならべると明らかに違います。色が違います。この領域までいくと売れ続けるでしょうね。」

 

酒井「昔、キーパーを売り始めたころ、十六銀行家各務原支店の支店長さんが支店を変わっても、4年間もキーパーをやりに通い続けたんです。どうして?と聞いてみたところ『汚れても、あんたの車はきれいだねと周りから言われる、だらかここのはいいんだ』と。」

 

谷「キーパーは続けるとすごい。でも続けないと維持できない。本当は理想はこちらなんですけどね。」

 

酒井「自分もそう思います。がこれを伝えるのはむずかしいんです。手洗い洗車2,000円か、手洗い洗車とコーティングで5,000円か、どっちがいいですかって聞くのですけど、お客様は「で何年もつんだ」に行ってしまうことが多い。そういった意味では、ダイヤモンドキーパーのほうが売るのがカンタンですね。」

 

 

キーパープロショップスタート後のコーテイング販売についての取り組みについて

 

[売ろうと思ったら宣伝しないとだめ。ポスティングが当たった]

 

酒井「店頭でお客様にチラシを配ることには疲れてきた。ある程度浸透してしまうと、『貰ったからいらない』など限界がある。そこでキャンペーンなどをやる必要がでて、物あげたり、値引きしたり、それをずっと続けてきたが、あまり改善できなかった。宣伝したものの何パーセントかが返って来る。とするとその母数である宣伝数を増やすか、5%を10%にするようなパーセントを良くするかのどちらかしかない。結果的に1万枚ポスティングしきった。

 

谷「店頭でのチラシの反応が悪いというのは?」

 

酒井「悪くはないが。問題はパーセンテージ。そのときそのときの来店動機。
ガソリン入れにいこうと思った人に洗車のチラシを配ってもヒットしない。逆にその人が家にいて車が汚いから洗いたいと思っているときにチラシがあると「いいじゃん」ということになる。同じチラシでもそのときそのときの感覚にフィットしないとだめ。
たまたまポスティングが洗車したいという人にフィットする環境があった。
昔は、給油したときにチラシを配れば、たまにはと洗車をやってもらえたが今はそうではない。もうポスティングしかない。ポイントはどうしたらヒットさせるチラシを作るか。

 

 

[効果的なポスティングチラシとは]

 

酒井「ポスティングはダイレクトにコンタクトがとりやすい。今、われわれが新聞に折り込んでいるのは実はポスティングのチラシだった。ポスティングは読んだ人の欲求を具体的にしてあげるもの。今のメニューチラシでもまだわかりにくのではないでしょうか?
新聞チラシにしても、ポスティングにしてもターゲットを絞らないとだめ。さらに来店動機に何かつけてあげることは絶対必要。例えば、今回の10%割引であったりとか、お客様の背中を押してくれるもの」

 

 

[対面式カウンター、フロントの導入]
お客様に座ってもらって対面できちんと話をするフロント。高価格商品を販売するためには、これぐらいのコミュニケーションの場は絶対に必要だ。これが、収益大幅アップの要因にもなっている。

 

 

ここで杉マネージャーが参加する。

 

谷「三ヶ月連続で洗車収益倍増とはすごいですね。今月四月の調子はどうなんですか。」

 

杉所長「4月も絶好調です。現時点(4月11日)で95万円を越しています。ダイヤモンドキーパーも6台施工して、まだ予約がかなりあります。」

 

谷「この調子だと12月の210万円も軽くオーバーしそうですね。」

 

杉「250万円までは行けると思いますね。まだGW前のラッシュがありますし、とにかくダイヤモンドキーパーが取れてスタッフの能力も上がってきていますから。仕上がりの良さには絶対の自信があります。」

 

谷「すごい自信ですね。」

 

杉「ダイヤモンドキーパーも数をやっていよいよ自信がつきました。もう何でもいけるって感じ。お客様が新車を買う時コーティングを予約していても、その予約を取り消してもらってダイヤモンドキーパーをやってもらっています。自分の自信がお客様に伝わっているのが分かります。」

 

谷「逆に、なかなか高価格商品が売れないSSさんでは、スタッフの方の自信のなさがお客様に伝わってしまっているのかもしれませんね。」

 

杉「しかし今、新車で3時間、経年車で4、5時間かかっています。最初の頃はまだ自信がなかったので価格設定でびびってしまい安くし過ぎました。もっと価格を上げなければとも思っています。

 

 

酒井社長「だけど、2,000円、3,000円の洗車をきちんとやることも大切。その基本を忘れないように。」(と、釘を刺していた。)

 

 

杉所長は、キーパープロショップパイロット店に参加した時、12月にコーティング技術一級検定を第一班で受けた。そして一週間後の第二班の検定の時、「どうしても春岡通りの二名のスタッフにも1級検定を受けさせて欲しい。」と言ってきた。第二班も定員ギリギリであったので断ったのだが「どうしても!お願いします。」と食い下がってくる。我々も彼の熱意に負けて、春岡通りだけ(内緒で)3名の一級資格を取ることになった。杉所長の粘り勝ちである。

 

 

[ポスティングが効いた。]

 

谷「ポスティングが効果的だったようですね。」

 

杉「ポスティングは効きました。びっくりするほど効きました。たとえば先月23台のダイヤモンドのうち15台以上がポスティングからです。
ポスティングをやる事になった時、正直言って最初はちょっとイヤだなと思いました。あれ大変ですものね。でも、ポスティングを始めたら、チラシや割引券を持ってダイヤモンドキーパーをたくさんの人が買い来られて、それからはポスティングが楽しくなって、今度はあの地域にポスティングを入れたらどんな反応をするのだろうかと、みんなでワクワクします。」

 

 

[連鎖反応が起きているようにいい循環が出来ている。]
杉「すごくいい循環が出来上がったんです。
ポスティングがお客さんを呼んで、たくさんの台数を施工して、技術と仕上がりに自信がついた。その自信でお客さんに喋るのでまたどんどん取れる。しっかり施工してお客様に喜んでもらえると、今度はお客さんがお客さんを呼んでくる。また、施工作業をやっているとお客様が興味を持って聞いてきて、また受注できる。
連鎖反応が起きているように、すごくいい循環が出来上がったんです。
それに、ダイヤモンドキーパーを施工が出来るスタッフが複数になったのは大きい。今、自分のほかに資格者が2人いて、どんどん施工が出来ている。一人では辛かったと思う。」

 

 

[キレイでなかったら、それはキレイにすべきでしょう]

 

杉「やはり、パンツを洗いをしていてはだめだと思っている。手洗いだけではだめで、キーパーを取っていく上で、ディーラーコーティングに負けてはいかんと強く思う。ディーラーコーティング見つけたら「いつされました?」と聞き、半年前なら「もう効いてませんね」「ぜひキーパーやりましょう」「ダイヤモンドやりましょう」と平気で言っている。
ディーラーコーティングをやっているかどうかでなく、その時点でキレイかどうかが重要であって、ディーライコーティングやっていてもキレイでなかったら、それはキレイにすべきでしょう。
「じゃあ前のコーティングどうなったの」と聞かれたら「きれいじゃないから取れちゃっているんじゃないですか。」「こっちのほうがダンゼンいいから、ぜひやってください。」
お客様にとっても「取れちゃったから新しいのやったほうがいい」と言って上げたほうが分かりやすい。
ダイヤモンドキーパーのキレイさは、絶対にお客様に喜んでもらえます。」

 

 

[意外と高い年代のダイヤモンドキーパーの購買層]

 

谷「ダイヤモンドキーパーをやってくれるお客様の層は?」

 

杉「高い車ばかりではない。むしろダイヤモンドやる人は普通の車が多い。
男9:女1の比率で、年齢は40代~60代くらい、若くないですね。うちの客層が若くないのかもしれませんが。そういう年代の人のほうがお金持っていて、ダイヤモンドキーパーを買えるんじゃないですか。
キーパーは若い人もやるけどダイヤモンドは上の方ばっかりです。」

 

谷「女性客はどうなんですか?ダメなんですか?」

 

杉「女の人はわからない。私は苦手です。洗車は来る。キーパーまではやってくれるがダイヤモンドはやってくれない。女の人は室内の方が効くのかもしれないですね。」

 

最後に「もう一言だけ加えるならば?」と聞いたら、
杉「何でこんなにやる事成す事当たるのだろうか。不思議だと思っている自分もいる。商品の品質には絶対の自信はありますが、システムとして定着していない分、まだ不安は残っています。これからですね。」

 

積極的な姿勢と同時に、なお謙虚な姿勢も持ち合わせていることに、これからもより進化していくこの店の可能性の大きさを見た。

 

☆大前提として、施工の品質を絶対に崩さないこと。
その上で、
?手洗いの基礎を徹底させる。
?環境整備は基本。
?ポスティングが決め手。真剣にやる。
?台数を施工する事によるスタッフの自信、やる気。好循環を生む。
?今回、割引券はダイヤモンドだけに反応があった。
だが、3種類のコーティングが載っていることで効果がある
?ディーラーコーティングに負けない。
?ダイヤモンドキーパーの客層は、意外と高年齢層。それも男性。

 

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    キーパーのルーツであり、父であり 男であり、少年でもある谷好通の大作、名作、迷作コラム。
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