谷 好通コラム

2007年05月17日(木曜日)

1636.のんびり生きる?

何日か前の新聞に載っていた記事に、
「色々な国の学生に意識調査のアンケートをしたところ、
日本では“偉くなりたい”と思っている学生がわずか18%しかいない。
これは中国とか、韓国、アメリカなどと比べると際立って低く、
日本の学生の意識の大きな特徴になっている。」
とあった。

 

“偉くなりたいか”という質問の仕方が正しいかどうかは疑問であるが、
多分“お金持ちになりたい。”とか、“出世したい。”
“世の中に役に立つ人間になりたい”とか、
何か上昇志向を調べたのだろう。
少なくとも、日本の学生、労働者、とりわけ日本の若者に、
一生懸命努力をして大きな成果を得ようという意欲よりも、
「のんびりと好きなことをして生きて行きたい。」との意識が大きい事は理解できる。

 

どうせ一度の人生、
あくせく働いて、報いられるかどうかも分からない努力をするより、
そこそこの給料をもらえて、たくさんの休日のある職場で、
快適にカッコよく働き、休日には自分の好きなことをのんびりとやる。
そんな過ごし方が多くの人の場合、理想であるようだ。

 

日本が豊かになった証拠なのだろう。
日本全体が豊かになり、慢性的な労働力の不足もあるし、
あくせく働かなくても、十分にそこそこリッチな生活が出来る。
何も目の色を変えて働かなくても、
出来るだけ安定、安全な会社で、
会社が提供するプログラムに身を任せ、
そこそこ働いて、そこそこ自主性を見せて、
そこそこ役に立って、
家族と一緒に遊び、友達もいっぱいいて、
幅広い趣味を持ち、何か役でもやって地域社会に貢献して、
あくせくせず、ストレスを貯めず、健康に、出来ればのんびり生きて行きたい。

 

いいではないか。
私の持っている価値観とはずいぶん違う生き方ではあるが、
その人の人生はその人のものだ。
そういう生き方も、価値観によっては十分に意味のある生き方であるし、
豊かな日本において、
このような志向を持った若者が増えているとするならば、
それはそれで、将来の日本は彼らが作っていくわけだし、
それで、多くの人が幸せであれば、
その人のレベルにおいて全く問題ないし、
多分、他に対する影響も少ない。

 

しかし、このままだと中国とか韓国にいつか負けるのだろうな、とも思う。

 

中国や韓国などの、
彼らのガツガツした上昇志向は、
「ありとあらゆる物を押しのけても、自分がのし上がって行きたい。」
「他人なんてもちろん、パートナーだって何だって
踏み台に出来るものは、すべて踏みつけてでも金持ちになりたい。」
そんな、ギトギトとしたエネルギーで満ち溢れている。
「“コピー”“ニセモノ”なんてどこが悪いのか。」

 

いわゆるハングリー精神だ。
かたや、日本、この豊かな国で、
のんびりと生きて行きたいと願う人たち、とりわけ若者たち。

 

精神論的に、ハングリー精神が
“のんびり”を求める者に、必ず勝つと言っている訳ではない。

 

過ぎたるハングリー精神は、
目先の損得にばかり目が行き、場当たり的なビジネスばかりで、
大きな視点に立った将来を見越す構想を持ち得ないことが多い。
ハングリー精神パワーだけでは大きな成果を上げる事は難しいことが多い。
本当の大きな成功は、
豊かな気持ちを持った人が作り出す場合も多いのだ。

 

どちらがどちらとも言えない。
この両者のどちらが優れているのかなどは言えない。

 

私にはハングリー精神はないと思うが、
のんびり生きて行きたいとも思わない。
どうせ生まれたのだから、
やりたいと思ったことを、やれるだけは全力でやりたいと思う。

 

・・・やって、それが何になるのか?
そんなことは分からないが、
やって後悔をすることはないだろう。
やらない得なんて有りはしないのだから、やればイイと思っている。

 

それでも、のんびり生きたいと思っている人に対して、
それを非難することもないだろう。
それはそれ、私は私である。

 

そんな自分にも、
自分ひとりが空回りをしている時
いろんな事がバカバカしくなって、
のんびりと生きた方がいいかな・・・と思うこともある。

 

 

上海では、この世のものとは思えないほど美味しい北京ダックを食べた。
昨日のこのコラムで、今日は、その北京ダックだけのことを書こうと思ったが、
美味い物は、何度美味いと叫んでも、
食べていない人にとっては同じわけで、色々考えたが、書くのはやめた。

 

とりあえず写真だけ。

 

 

写真を見ても、その美味さはさっぱり分からない。
美味さは、やっぱり食べてみるしかないのだ。
どうしても食べてみたいと思う人、声を掛けて下さい。
一緒に食べに行きましょう。
必ずお付き合いします。

 

上海の兪は可愛い。
私たちがビールを飲んでいる時、
兪は、1リットルもあろうかというオレンジジュースの缶を、大事に飲み干してしまう。

 

 

頼さんと私。こう見ると私はやっぱり太っている。

 

 

帰りの飛行機エアバスA-300は、
飛んでいる途中でエンジンから変な音が出た。
勘違いではない。
飛行機はもう千回以上は乗っているのだ。そんなには間違えない。
もう30年以上の寿命を生きているA-300。そろそろこの機体も怖い。

 

 

明日、午後から奈良で仕事をしたあと、
岡山に向う。
土曜日練習。日曜日予選と決勝。
古味君がデザインしてくれた新しいカラーのステッカーを貼る途中の写真が届いた。
なかなか、カッコイイではないか。

 

Posted   パーマリンク

ページのトップへ ページのトップへ

  • 最近の記事

  • プロフィール

    代表取締役会長兼CEO

    谷 好通

    キーパーのルーツであり、父であり 男であり、少年でもある谷好通の大作、名作、迷作コラム。
    読めば読むほど元気になること間違いなし。・・・の、はず。

  • カレンダー

    2007年5月
     12345
    6789101112
    13141516171819
    20212223242526
    2728293031  
  • リンク集

  • 過去の記事

  • RSS1.0

    [Login]

    (C) KeePer Giken. All rights reserved.