谷 好通コラム

2007年10月01日(月曜日)

1742.ドイツの超タフガイ

今日から10月。
悪夢のような九月が終わって、10月こそはと復活を誓う。
しかし同時にクールビズも終わって今日から長袖シャツとネクタイ、背広の生活だ。
だれた精神が引き締まるといった思いもあるが、やっぱり一日中のネクタイは苦しい。
楽をすると元に戻るのがつらいのは人間の性(さが)なのかも知れない。

 

今日は、SONAXからクリーガーという人物がやってきた。
彼は輸出部長で世界中にあるSONAXの代理店を相手に辣腕を振るっている男だ。
いつも世界各国を飛び回っていてまさにタフそのものの男。
どこに国へ行っても時差などものともせず、
仕事をバリバリやった上で、
行った先の国の料理を「うまい、うまい。」とむしゃむしゃ食べ、
夜遅くまで飲み、遊ぶ。
それを何カ国か連続でやって周るのだ。
まさに、文字通りのタフガイ。

 

SONAXは、F1のマクラーレンメルセデスチームをスポンサードしており、
それに伴って日本にやってきたのだ。
しかしマクラーレンの車体にはSONAXのロゴはついていず、
F1マクラーレンの写真を使っていいという権利を持っているだけのスポンサーだ。
そうは言っても、スポンサー料は億円単位であるらしく、
同じレースでも我がスーパー耐久とは桁が二つも違う。
F1がいかに特別な存在であるかということだ。

 

そのF1の日本グランプリが、今年は富士スピードウェー(FISCO)で開催されたのだが、
主催者の不手際が目立ち、観客はひどい目にあったようだ。
Mr.クリーガーは、日本の吉村さんと一緒に予選日からFISCOに入ったのだそうだが、
決勝は見なかったそうだ。
予選日は9万人の人出であったが、(決勝日は14万人)
サーキットに入るのにも大変に時間がかかり、
予選の途中でやっと入れた始末。

 

もっとひどかったのが帰る時で、
小雨の降るぬかるみのバス停でシャトルバスを待つこと3時間。
寒い中、霧に囲まれ、足はグチョグチョに濡れて、
立ちっぱなしで3時間はつらい。
「FUJIのオーガナイズは最低だ。
世界中のF1を何年も周ったが、こんなことは初めてだ。」
と言い本当に怒っていた。
それで、もっと人出が多いに決まっている決勝戦には、結局、行かなかったのだそうだ。

 

世界一の生産管理手法で世界一のメーカーになったトヨタも、
決して万能ではなかったようで、
この不始末は、
他のスポンサーや関係者もクリーガーと同じ思いをしているならば、
来年以降のF1日本グランプリ開催に大きな影響を与えるのかもしれない。

 

何でもそうだが、
一番になったとたんに何かがおかしくなるのか。
行列の出来る繁盛店が、
何を間違ったのかサービスを落とし、味が落とし、
「あの店は、もうだめだ。」と、あっという間に暇な店に落ちぶれてしまう愚を、
まさか世界一のトヨタが犯すわけはないだろうが、
そのまさかまさかが、
本当になってしまうのがビジネスの怖いところだ。

 

一番でも何でもないが、わが身を振り返らなくてはならない。

 

ドイツの超タフガイ Mr.クリーガー

 

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    代表取締役会長兼CEO

    谷 好通

    キーパーのルーツであり、父であり 男であり、少年でもある谷好通の大作、名作、迷作コラム。
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