谷 好通コラム

2007年11月28日(水曜日)

1786.島原の明るい若者たち

長崎の島原半島に快洗隊・ボスコ島原店がある。
ガソリンスタンドとの併設型だが、
全体が交差点を囲んで四つの場所に分かれている。
どう分かれているか文章で説明するのは非常に難しいが、
とにかく、四つに分かれているのだ。
この快洗隊を経営するのは?ボスコさんで、
ボスコとはスウェーデン語(たぶん)で「森」という意味。
つまり、森さんが社長でオーナーなのだ。
ならば、「谷」はスウェーデン語で何というのだろう。
我が社もスウェーデン語で「?○○○」なんて名前にした方が
「アイ・タック技研?」よりもかっこいいかもしれない。

 

なんてつまらないことを考えながら、長崎道を諫早ICで降りて約1時間、
まず、快洗隊・ボスコ島原店に到着。
森社長と待ち合わせている「ボディマジック」のある店舗は、あと15分先にあるが、
5分だけ余裕があったので、快洗隊にも寄って、スタッフに挨拶だけする。

 

 

目的地であるボスコ島原店に到着。
(快洗隊・ボスコ島原店は、SSとしてのボスコ湯江店にあって、
SSとしてのボスコ島原店はここなのだ。ちょっとややこしい。)

 

JOMOマークのボスコ島原店に路地一つを挟んで併設されているのが「ボディマジック」
高級洗車と車検、中古車のインターネット販売を行っている。
快洗隊を参考にしながらも車検工場(認証工場)を伴ったボスコさん独自のコンセプトである。

 

 

待合室は本当に気に入った。
若い女性が好んで来てくれるようなデザインで、
実際に中で森社長と奥様の専務とお話をしている間、
若いおしゃれな女性が一人で来店され、
洗車を待っている間、まるで美容院にでもいる感じでファッション雑誌を読んでいた。
それも、そんな感じで二人も来たのである。
わが快洗隊直営店ではほとんどない風景である。
わが直営店は男感覚で造られていてハードボイルドタッチなのか、若い女性来店率が低い。
これはセンスの問題なのであろう。
私はこういう点はまったくだめだ。

 

「今度直営店を造る時は、こんなムードにしてみたい。」と真剣に思ったものだ。

 

写真の女性は本当のお客様

 

この会社は若いスタッフを非常に大事にしていて、
特にスタッフと経営者のコミュニケーションが実に綿密にされているようだ。
特に感心したのが「飲ミ二ケーション」で、
必ずスタッフ二三人と森社長・専務ご夫妻でするのだそうだ。
いっぺんに10人まとめてではいけない。必ず相手のスタッフは二三人で。
というのが肝心なようで、言うのは簡単だがなかなか出来るものではない。
実際にはご夫妻とも大変だろうと思う。
そんな大変さこそが若いスタッフたちへの大切な心のケアなのだとも言う。
スタッフの人たちとのコミュニケーションについては他にもいろいろ聞いた。
勉強になったが、私にそれが実行できるかどうかである。
耳が痛い話である。

 

森ご夫妻

 

 

ここのスタッフたちの表情がみんな明るいのは、同じ洗車の仲間として嬉しい限りである。

 

 

お話が終わってから、SSの方も見学させてもらう。
SSの方の待合室は、ボディマジックの待合室が「かわいい」のに対して、
立派でキレイ。しかも「超」が付くぐらい。

 

キーパープロショップのポスターが張ってあった。

 

立派な待合室の「喫煙スペース」で森社長がおいしそうにタバコを吸っていた。
喫煙スペースというと、ついおざなりになりがちだが、
このSSでは、一等地に喫煙スペースがある。
ここからは「中庭!」が見えて、庭木がちょうど紅葉していた。
掛けてある絵画もみんな本物でありすべて「鑑定室クラス」である。感心。

 

藤村君。ちょっと写真の邪魔なんですが。

 

それにしても、スタッフたちの表情が明るい。
それに、ユニフォームが実にきれいに手入れされているのか、みんなこざっぱりしている。
若いスタッフは店にとって「顔」である。
その顔であるスタッフが薄汚れた格好をしていたのでは、
店の品が疑われ、商品の品質までが疑われる。
これまた、耳が痛いというか、わがスタッフの古くなったユニフォーム姿を思い出すと、
反省させられる。

 

 

反省しきりのまま、皆さんにお別れして
島原外港からフェリーで熊本港に向かう。
大きな航跡の向こうに雲仙普賢岳が見えるはずなのだが
あいにくモヤがかかっていて、うっすらとその前の媚山が見えるだけであった。
同行したFC本部の田中、藤村両君は何を思うのか。

 

 

12月1日オープンの刈谷店がやっとその姿をはっきりとさせた。
ボスコさんの、おしゃれな女性が似合う待合室に比べて、
わが快洗隊のハードボイルドな待合室
はたして、可愛いおしゃれな女性が来てくれるのだろうか。

 

 

他人の庭は良く見えるというが。
なんともかっこいいですね。この店は。

 

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2007年11月28日(水曜日)

1785.SONAX四代目ホフマン社長

昨日は朝5時起きで福岡に行き、九州で何軒かを訪問して博多のホテルに帰ったのが夜11時半。
それで、今日の朝も5時半起きで名古屋に帰ってきた、睡眠時間を取るのが精一杯。
話が一日ずつ遅れてきた。

 

一昨日の書いた話である。

 

SONAXはヨーロッパ最大のカーケミカルメーカーで、
ホフマンミネラルという創業100年以上の古い会社を母体としている。

 

ホフマンミネラルは鉱山を持っていて、
産出されるのは「上質の珪藻土」である。
それは塗料の中に使われたり、
ゴムに中に混入される現在も重要な材料である。
昔、その珪藻土をコンパウンドとしてカルナバWAXの中に入れ、
汚れ落としも出来て艶出しが良いコンパウンド入りWAXを作ったのがSONAXの始まりであると、
ドイツ・ノイブルグにあるSONAX本社で受けたプレゼンテーションにあった。
(薄い記憶の中のことなのでどこまで合っているかは定かではないが。)

 

いずれにしてもSONAXは100年以上の歴史を持った企業であり、
しかも、珪藻土の鉱山という独自の資産を持っている会社だ。
彼らの会社の組織であり、人材であり、能力の高さは、
私たちの会社としても高い目標であるが、真似をすることは出来ない。

 

創立たった22年の会社が100年以上の会社の模倣をしても、
チンプンカンプンであろうし、
ヨーロッパ独特の文化としての社会構造に培われた人材の在り方も、
それをうらやましがっても、無いものねだりであって、
ポジティブな考え方ではない。

 

しかし現代、古い会社とは、
その由緒ある名前とか、持っているブランドに甘えて
いい加減な商品を市場に出したり、虚勢を張るようなこともありがちで、
現代においては会社の歴史の深さ=信用度の大きさには必ずしもなっていないと
どこかの銀行の講演で聞いたことがある。

 

ホフマン家4代目の当主であるホフマン社長は、
「SONAXは前進し続けている。停滞は衰退を意味します。
だからSONAXはいっ時も止まることなく前に進み続けているのです。」
そうおっしゃっていた。

 

世界でも無比の珪藻土の鉱山を持っていて、
100年以上の歴史を持ち、
優れた商品開発能力とマーケティングで
ヨーロッパ全土、中東、東南アジアなどで
SONAXというブランドの構築にすでに成功している会社が、
それでもそれに甘えることなく果敢に前進し続けないと、衰退すると断言するのは、
ホフマン社長の経営者としての志の高さを表している。
それは、営業のクリーガーさん、開発のDr.ピッチからもそう強く感じさせられる。

 

人が持っていないものを自分が持っていて、
さらに必要なものをすでに十分持っていると、
ついそれにアグラをかき、安穏とした会社経営で前に進むことを怠って、
時代に取り残され、いずれ衰退するということもある。

 

今持っているということが、必ずしも幸運なだけではなく、
かえって、沈滞を呼び、衰退に結びついていくこともあるのだ。

 

逆に、持っていない者は、
怖いものなしのハングリー精神で闘うことが出来る。
「失うものは何もない。前進あるのみ。」ということだ。
ハングリー精神で敢然と闘う者には、
必ず大きなチャンスがやってきて、時代に新風を送り込むことがある。
(逆に、持っていない事にひがみ被害妄想から脱し切れない者もいるが)

 

そう考えると、
持っていない者は、持っている者に対して必ずしも不利であるとは言えない。
むしろ、持っている者は常に驕りと油断との戦いを強いられる訳であって、
怖いもの知らずの持っていない者の方が戦いに全神経を集中できる分、有利とも言える。

 

しかし、最も大きな力は、
持っている者が、
しかも、大きな物を持っている者が、
それにアグラをかくことなく向上心と闘争心と兼ね備えた場合なのだろう。
SONAXのホフマン社長とたくさんの話をして、そんなことを思った。

 

アイ・タック技研出荷倉庫にて

 

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    キーパーのルーツであり、父であり 男であり、少年でもある谷好通の大作、名作、迷作コラム。
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