谷 好通コラム

2007年12月12日(水曜日)

1796.最近の話オムニバス4

先週、営業本部長である池本常務が札幌に行った。
「お前の店が看板を立てると、俺の店が目立たなくなる。」
とごねる隣地の親父さんと決着をつけるために、我が社の最終兵器として派遣した時だ。
急に冷え込んだ札幌で、
しかも店の前で、つまり寒い外で、ごねる親父と1時間近く談判し、
いいところまで詰めたが一時撤退。
気を張って勝負した疲れと、寒さで、疲れ果てた池本さんは、
夕刻の飛行機で愛知に帰って来るはずであったが、
夜、電話がかかってきた。
「千歳空港から飛んだ飛行機のエンジンが片方、止まっちゃいましてね、
それで、千歳空港に戻って緊急着陸!ですよ。
それで、今、空港のホテルで泊まってます。えらい目に会いました。
いや~~~~くたびれました。」
しんどい仕事を、
慣れていない環境で、気力を使い果たすまでやって、
挙句の果ての緊急着陸は応えたであろう。
お気の毒様としか言いようが無い。
しかし、
私はもう千回以上も飛行機に乗っているが、
「片肺飛行で緊急着陸!」なんて一度も無い。
ぜひ一度は経験したいものだと思っていたので、
私はつい、うらやましいと思ってしまった。
「もう千回以上も飛行機に乗ったのに、まだそんな経験もしていない私は運が悪い。
多分、まだ100回も飛行機に乗っていない池本さんは、そういう意味では運がいい。」
そういって、慰め半分の冗談を言いそうになったが、
きっと、そんな冗談が通じるようなキャパシティは
その時の池本さんにはとてもないと思い、グッとこらえて、やめた。
やめて良かったと思うが、どうしても書きたくなって、今、書いた。

 

 

 

今日は、愛知の本社で記者会見。
グッドカンパニー大賞受賞の報告のためで、
会見会場は愛知の本社と東京営業所で行うことになっている。
記者会見なんて初めてだったので、
何をどう話していいのか考えているうちに緊張してきて、直前にはドキドキしていた。
しかし、会見への記者さんの出席は愛知が4名、東京が10名、
そんなわけで、今日集まっていただいた記者さんは顔なじみの方が多く、
結果的にはリラックスしてやれた。
しかしリラックスしたのはいいが、
こんな時、
調子に乗って、つい、しょうもない冗談を言いたくなってしまうのは、
多分、ユウキワールドこと結城君と同類項なのだろう。
私の話を真剣にメモを取ってくれている記者さんに、
つい、へたな駄洒落を言ってしまった。
失笑する人約1名、苦笑する人約1名、気が付かなかった人約1名。
お付き合いで笑ってくれたやさしい人約1名。
明らかにはずしてしまった。
そういう意味でも、私はユウキ以上でもなければ、ユウキ以下でもなかった。

 

 

 

おととい、神業的速攻歯科医・堀田先生に悪くなっていた歯を2本取ってもらったが、
傷口を縫ったあとの黒い糸が、正面から見るとちょっと覗いているので、
一見、下の前歯の間に黒く細長い食べ物カスが挟まっているように見える。
細い黒ひじきのようだ。
やわらかい黒ひじきが歯の間に挟まるわけなどないのだが、
本当にそう見える。しかも3本もだ。
今日の記者会見では、顔見知りが多かったので、
「いや~、おととい歯医者さんで、・・・・・・」なんて言い訳が言えたけれど、
明日、東京で90名の方が出席の講演がある。
90名の人に「いや~、おととい歯医者さんで、・・・・・・」なんて言えない。
けど、それだけの人が集まる会場ならば距離があるから、
私の歯の間に細い黒ひじきのようなものがぶら下がっているなんて
気が付く人は、まずいまい。
だけど、
その次の日、あさっては東京での記者会見。
10名の記者さんを前にしてどうしようか。
距離はそれほど離れていないので、きっと気が付く人がいるだろうし、
多分、知っている人はほとんどいないであろうから
「いや~、おととい歯医者さんで、・・・・・・」なんてことも、絶対に言えない。
歯を治療してもらった
堀田先生に、
「あさってから記者会見と講演が続くので・・・」と、
言えば良かったのだが、
臆病風を吹かせて下手な言い訳をしている。と思われたくなかったのと、
まさか、そのあと、ごく細の黒ひじきになるとは思わなかったので・・。
「言えばよかった。」
・・・・・・
この苦境をどう乗り越えるかだ。

 

 

 

同じくおととい、
写真館に自分の正式な写真を撮りに行った。
グッドカンパニー大賞の受賞会社紹介と、記者会見に使うためだ。
この写真館は、25年前、大府市に来た時からあった古い写真館で、
ショールームにあるような素敵な家族写真とかを
いつかは撮ってもらいたいと昔から思っていた。
いかにも由緒ある写真館のように見えた。
わざわざ104で番号を調べ、電話で予約をしてからちょっとワクワクで行く。
出てきた写真館のおじさんは、
私を白いスクリーンの前に座らせ、
すごく古い形のカメラ(たぶん、ペンタックスSP)を構えた。
「うむむ、もう撮るのか。」あわてて、私も構える。
奥さんとおぼしき女性が私の背広の胸元を直してくれたのは、想定内である。
パシャッ、パフン(ストロボの音である)
アナログ独特のシャッターの機械音が聞こえ、まず一枚目。
私は、いろいろな表情と、いろいろなポーズで撮られることを想定していたので、
まず最初は、グッと真面目に、ちょっと睨むくらいの硬い表情で撮ってもらった。
「ハイ、もう一枚撮ります。」
パシャッ、パフン(ストロボの音である)
再度、真面目、ちょっと怖いくらいと硬い表情で。
「はーい、けっこうです。終わりました。」
「えっ?」
終わったのである。
私の考えていた「ちょっと微笑む表情」とか「目は優しいが口は閉まった表情」とか
「アメリカの写真のように斜めを向いたポーズ」とかは、全部なしである。
たった一種類、
「グッと真面目に、ちょっと睨むくらいの硬い表情」だけである。
あっという間に終わって、「写真はどの大きさにしますか?」
私は確かに言った。
電話でも、店頭でも「記者会見に使いますから。」と。
しかし、あっけにとられて、
その一枚だけで帰って来てしまった。
だから、
グッドカンパニー大賞受賞記念に出される冊子の写真も、
記者会見に出席してくれた記者さんが記事にしてくれたら、そして、
そこに私の写真も載ったら、
それは「グッと真面目に、ちょっと睨み怖いくらいの硬い表情の私」になる筈だ。
これではグッドカンパニー大将である。(親父ギャグはずしたか?)
しかも、アナログをスキャンしたのか画像がひどく荒い。
撮り直すしかない。(これで8,900円!)

 

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    谷 好通

    キーパーのルーツであり、父であり 男であり、少年でもある谷好通の大作、名作、迷作コラム。
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