谷 好通コラム

2008年01月06日(日曜日)

1813.経営者の成すべきこと

今年年頭の私の所信表明で、下記のようなことを言った。

 

?必ず収益構造を高めて、スタッフの給料、待遇を改善する。
?ES、従業員満足は、CS、お客様満足による収益アップなくしては実現せず、
CSは従業員満足なくして実現せず。ESとCSは、表裏一体、一心同体である。
?待遇改善は優秀な人を呼び、優秀な人は収益を上げる。来る者は拒まず去る者を追わず。
とし、
続けて、
?経営者は、スタッフが全力を尽くすことを前提に、
その全力が結果として予算達成につながる施策を具体的に講じ実現する事が仕事である。
?経営者の仕事はスタッフが全力を尽くすべき目的と動機を作り出す事である。
?経営者は頑張ることには意味がない。結果を出すのみである。
とした。

 

経営者、あるいは管理者は特権としての役職ではない。
年功としての役職でもない。
ましてや威張ることでも、
また、スタッフがサボらないように管理することが仕事であるわけでもない。
経営者がすべきこと、管理者がすべきことは、
スタッフが全力を尽くしてくれることを前提に、
みんなが力を尽くせば、みんなが必ず成功するできる施策を作り出し用意することであり、
その施策を確実に実現すること、それに尽きる。

 

そのためには、
社会とビジネスを展望する力が必要であり、
ビジネスの相手であるお客様の心を知る能力と感性を備えるべきである。
その上で、スタッフが持つべき技術力であり接客力、営業力を上げ、
そのビジネスを皆が全力で当たるならば必ず成功すべきビジネスを組み立て上げる。
それが経営者であり管理者の仕事であるのではないか。

 

年頭の言葉の最初に、
「必ず収益構造を高めて、スタッフの給料、待遇を改善する。」とした。
これは、給与体系を上げるという意味ではない。
皆が全力を出してくれることを前提に、
「必ず予算を達成させて、成果報酬として高い給料を取らせる。」という
経営者としての宣言であるのだ。

 

たとえ皆が全力を尽くしても、決して予算を達成できないとしたら
予算自体が根拠の無い非現実的なものであるのか、
あるいは、そのビジネス自体が時代に通用しないのか
実行する施策に成功の実現力が無いか、
スタッフに十分な力を着けさせていないか、
あるべき行動を示していないか、実行させていないか、
そのいずれか、あるいはそのすべてと言ってもいいのではないか。

 

そのビジネスが間違っていず、
経営者の施策が間違っていなければ、
望むべき能力をつけた上でみんなが全力を尽くした時に、達成できない予算などない。
その意味で、皆の給料を上げて見せると宣言したわけだから、
経営者としての覚悟を決めたということになる。

 

特に施策においては、一店舗一店舗ごとに成すべきことが違い、
直接お客様と接する店舗においては、
投網を掛けるような大雑把な施策だけでは通用しない。
真剣に店舗ごとの問題点、長所、短所を見抜き、
問題点を解決して、その上で店が持っているメリットとスタッフの能力を活かして、
お客様から「いい店になった。」と言ってもらえるような具体的な施策を実現する。
そして、その結果はすぐ出る。
直接お客様と接する店舗においては、その結果はすぐに出てくる。

 

しかしそうは言っても、
全力を尽くさない者がいたとしたら、
あるいは自分の能力を高めることをしないものがいたら、どうするのか。
それは心配ない。
そういう者は、こちらから何をしなくても言わなくても去って行く。
去るものを追わずとはそういう意味。

 

店が良くなり、実績が良くなり、
その結果、やりがいがあって給与も良ければ、
こちらから何をせずとも、来る者は来る。
いい店に見合ったいい人材が来る。
来る者は拒まずとはそういう意味だ。

 

快洗隊を私の直轄にした時、
給与体系に成果報酬の制度を取り入れた。
その後、去って行ったスタッフがいてトヨタ関連の期間工になると言われた時、
経営者として言いようのない無力感を持った。
悔しいと同時に、それだけの経営しかしていなかったことに強烈な恥ずかしさを感じた。
取り入れた成果報酬とは、
考え方によっては、
「成績が下がると給料を下げられるようになった。」ということなのだろうか。
私は、逆に、店舗の実績を上げ、皆の給料を上げる。それが最善の方法と思ったのだが、
会社の施策に対する不信を突きつけられた形だ。
心底悔しいと思った。
「絶対に全店舗に予算を達成させる。」
皆がきちんと必要な能力を持って、全力さえ尽くしてくれれば、
絶対にみんなで予算を達成して、みんなで大きな達成感を持ち、
それに見合った報酬を手に入れて、「頑張って良かった。」と言わせなければ、
経営者としての責任を果たせたことにならない。

 

経営者として、管理職者として成すべきこととはそういうことなのだろう。

 

まだまだ経営者として半端者の私は、自分自身にそう言い聞かせる。

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    キーパーのルーツであり、父であり 男であり、少年でもある谷好通の大作、名作、迷作コラム。
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