谷 好通コラム

2008年03月13日(木曜日)

1865.お客様をきらいな人達

東京に来ている。
今日はまず神奈川の北の方に位置する相模原に行くために、
いつもの東名高速ではなく、中央道高速で行ってみた。
たしかに距離はずいぶん長いが、時速90km/hのスピードリミッターを着けながらも
なお追い越し車線を走る続ける邪魔な大型トラックが少ない分、平均速度が上がって、
距離の短い東名高速を使った時間に変わらない時間で快調に相模原に着いた。
この手はあるな。と思う。

 

 

東京では明日から、
ビッグサイトで「IAAE2008オートアフターマーケット」の展示会がある。
みんなその準備に来ているのだ。

 

夜、準備が滞りなく終わって、
安いホテルに到着して食事に出た。
信号の向こう側に美味そうな居酒屋があったので、そちらに行くことにする。

 

伸びつつあるチェーン店の居酒屋らしい。
こじんまりとしている。
今流行のちょっとこだわったような造りである。
料理はうまかった。
とりあえず、うまかった。
しかし、店のスタッフは暗かった。
注文をとっても復唱するわけでもなく、
こちらが注文を言い終わっても「はい、」と言うだけで、とっとと行ってしまう。
もちろん、笑顔はまったくない。
案の定、私の注文の一つ「鯨のベーコン」は、いつまで経っても出てこなかった。
そこで、店のスタッフに「鯨ベーコンが出てないよ。オーダー表にも書いてないよ。」
と言ったら、やっぱり「はい。」だけであった。
「すみません」とも「申し訳ありませんでした」とも何もない。
あまりにも気になったので他の客への対応を見ていたら、やっぱり同じであった。

 

料理を持ってきた時に言う言葉はただ一つ「はい、スンマセン。」と言って、ドンッと皿を置く。
もちろんこの場合の“スンマセン”は、
「申し訳ありません」の意味の「済みません」ではなく、
ただ単に「スンマセン」である。

 

気になって、彼らの様子をもっとくわしく見ていたら、
受注、配膳などの接客時には全く笑顔がないだけでなく、
むしろ耐えているような苦痛の表情すら見て取れる。
しかしその人が、
カウンターの向こうの厨房に入ると、
スタッフ通しでの会話では笑顔が出ている。ニコニコである。
彼らにとっては「客」という加害者の中から、
スタッフという被害者通しの仲間の所に帰って来たという安堵感すら感じる笑顔だ。
そして、
カウンターの向こうから出る瞬間まで笑顔が表情に残っているのに、
お客様のいる場所に入ると、
またウンザリというような暗い表情に変わる。

 

「あー、この店のスタッフたちはお客様のことが嫌いなんだ。」
「東京だから、圧倒的な客数の多さが、こんな店でも許してしまっているのだろう。」
そう思ったら、可笑しくなって、
バカバカしくなって、
そんなスタッフたちのことなど気にせずに、
我が仲間たちとの馬鹿話に花を咲かせることにした。

 

 

そこがどんな店であろうと、
我らが馬鹿話はいつも面白い。
話が盛り上がるとH.オサムは相変わらずHであり、又はスケベであった。

 

 

さんざん馬鹿話で盛り上がったあと、居酒屋を出て、
仕上げに信号向こうの「ラーメン屋」に行く。
九州では有名なとんこつラーメンの店らしい。
店は程よく混んでいて、5名で入った我々は3名、2名に分かれてカウンターに座り、
それぞれ注文をしたあと、私の隣の2名分の椅子が空いたので、
「おーい増田君、国松君、こっちが空いたから、」と呼び、席を替わったら
店のスタッフが血相を変えて、
「席を勝手に変わると、注文が分からなくなっちゃうから困ります。」と言ってきた。
店主とおぼしき人まで一緒になって言ってくる。
「じゃあ、元に戻れと言うこと?」と聞くと、
「そんなことは言わないが、今後は気をつけて欲しい」ような事を言って、
“勘弁してくれた。”
私たちが席を替わった事に、
そこまで気が着いているんだったら、
替わった席を憶えればいいのに。とブツブツ言いながらも、
出てきたラーメンは美味かった。

 

しかし、トンコツラーメンにしては「麺がやわらかいなぁ」と、
筑豊の娘を嫁さんにしているH.オサムが、
「いや、九州では注文の時に、カタ麺か、普通か、麺の硬さを必ず聞きますけどね。
東京の出店では聞かないんですかね。」と言ったその時、
二三人向こうの新規客に「麺の硬さは?」とスタッフが聞いた。
「あっ、聞くんだ。」
「じゃ、なぜ俺たちは聞かれなかったんだろう。」
「あっ、そうか。東京では店が客を選ぶんだ。客数が多いから、俺たちとは逆なんだ。」

 

変なことに納得して、
みんな食べ過ぎた腹を抱えながら、4日間の一日目の夜が終わったのである。

 

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    代表取締役会長兼CEO

    谷 好通

    キーパーのルーツであり、父であり 男であり、少年でもある谷好通の大作、名作、迷作コラム。
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