谷 好通コラム

2008年04月15日(火曜日)

1891.得る事-与える事=利益?

単身赴任している架空のご亭主の奥さんで、こんな人がいたとしたら。

 

会社からの亭主の給料は、奥さんの手元の通帳に振り込まれ、
亭主には「亭主の食費分」だけを赴任先に振り込んで与える。

 

奥さんは一度も亭主の赴任先の住んでいる所を訪ねることもない。
亭主が子供の声を聞きたくて電話をすると、
「用もないのに電話してこないで、電話代が勿体ない。」と言う。

 

その架空の奥さんは
亭主が赴任先でどんな仕事をしているか、
どんな苦労をしているかには興味がなく、
たから、亭主がどんな処に住んで、
どんな生活をしているか知ったことではないのだろう。
つまり、亭主が幸せかどうかなんて全く興味がないと言える。
だから、父親が子供の声を聞きたいという気持ちまでを、
「電話代が勿体ない。」と切り捨てることが出来るのだろう。

 

「愛することとは、相手の幸せを願う気持ち」という言葉に従えば、
その奥さんは、亭主のことを愛していないということになる。
だから、
関心があるのは、亭主を含めた家族の幸せではなく、
亭主がいくら稼いで、自分と自分の分身である子供に何をどれだけ与えてくれるか、
言い方を変えれば、亭主からどれだけのお金を取れるかだけの関係で、
いわば搾取者と奴隷の関係だ。
こんな関係は、広い世の中では奥さんと亭主の関係では逆の場合もあるし、
他の関係でもままある現象だ。

 

この夫婦の場合、奥さんは自分たちが最大限に取り、
亭主には働くのに必要な最小限しか与えない関係だから、
亭主からすれば無償の奉仕をしているわけで、
「愛は、見返りを期待してはならない。愛は無償の奉仕である。」という言葉からすれば、
まさにそれを実践しているわけになるので、
理想的な夫婦関係なのかもしれないが、
しかし、「愛せよ、さらば愛されん。」という言葉もあるが、
それはどうも実現していないところを見ると、
理想的とは縁遠い夫婦関係であるかもしれない。

 

取る(搾る)物-与える物=自分の得。
こんな価値観を持っている人はいる。
私自身だって、聖人君子ではないのでそんな部分を持っていないとも限らない。
恥ずかしいことだが、
目先の損得勘定に惑わされ大切なものを見失うことだってある。

 

物理に「エネルギー保存の法則」という法則があるが、
AからBへエネルギーが移動しても、
A+Bのエネルギーの総量は一定で変わらない。
エネルギーの形が、熱であったり、運動であったり、あるいは形態の中にあったにしても
全体としてのエネルギーの総量は不変であるという法則だ。
この法則からすれば、
自分から相手に与えたエネルギーの分だけ、自分のエネルギーが減るということになって、
与えれば与えるだけ、自分は損をするという勘定になるわけだ。
だとすれば、
「取る(搾る)量-与える量=自分が得する量。」となり、
同時に、「自分の持っている量-相手に与える量=自分が損する量」ともなる。
とすれば、
「亭主が稼いだ金(A)-亭主に与える金(B)=奥さんを含めた家族の利益(C)」となり、
(A)が大きければ大きいほど、
(B)が小さければ小さいほど、
(C)は大きな値になることになるので、
自分と亭主の子供のことも考えれば、前記の方法は合っていることになる。
?A-B=C

 

ところが、人間という意識と気持ちと感情を持つ人間にとっては、
この方程式は根本的なところで間違っている。

 

亭主が稼いだ金(A)とは、「能力(D)」×「効率(E)」であり、
(A)は定数ではなく“変数”なのである。
? A=D×E

 

亭主の「能力(D)」と「効率(E)」は「やる気(F)」に連動していて
そして亭主の「やる気(F)」は、「効率(E)」にほぼ比例し、
「やる気(F)」があるかどうかで学習による「能力(E)」にも影響を与える。
つまり「能力(D)」=「やる気(F)」。
そして「能力(E)」=「やる気(F)」でもある。
となると、
亭主の稼ぐ金(A)=「効率(E)」×「能力(D)」=「やる気(F)の二乗」となる。
? E×D=Fの二乗

 

亭主の「やる気(F)」は、
奥さん+子供(略して家族)に「対する愛情(G)」に多くの場合比例し、
(G)によって、亭主は大いに動機付け(モチベーション)を得るというわけだ。
だから方程式的には「やる気(F)」=「家族対する愛情(G)」となる。
? F=G

 

「家族に対する愛情(G)」は
「家族から受ける愛情(H)」によってより高まる。
だから、ほぼ「家族に対する愛情(G)」≒「家族から受ける愛情(H)」
? G≒H

 

そして
「亭主に与える金(B)」は、「家族から受ける愛情(H)」にほぼ比例するとすれば、
? B≒H

 

 

ては、先ほどの
「亭主が稼いだ金(A)-亭主に与える金(B)=奥さんを含めた家族の利益(C)」
?「A-B=C」この方程式に、
それぞれの要素の方程式
? A=D×E
? E×D=Fの二乗
? F=G
? G≒H
? B≒H
これら6つの方程式を?「A-B=C」に代入して行く。
まず?「A=D×E」を代入して
「D×E-B=C」
? E×D=Fの二乗 を代入して
「Fの二乗-B=C」
?「F=G」を代入すると、
「Gの二乗-B=C」になり、
?「G=H」を代入すると、
「Hの二乗-B=C」となる。
最後に
? B≒Hを代入すると、
「Hの二乗-H=C」となる。

 

これを言葉に直すと、
「家族からの愛情(H)の二乗-家族からの愛情(H)=奥さんを含めた家族の利益(C)」

 

たとえばの数字を当てはめてみると、
H=1ならば、
家族から亭主への愛情の二乗(1*1)-家族からの愛情(1)= 奥さんを含む家族の利益(0)

 

標準的にH=2ならば、
家族から亭主への愛情の二乗(2*2)-家族からの愛情(2)= 奥さんを含む家族の利益(2)

 

それがH=3ならば、
(3*3)-3=9-3=6

 

ましてやH=4ならば、
(4*4)-4=16-4=12

 

とうとうH=5ならば、
(5*5)-5=25-5=20!

 

亭主に普通(2*2-2=2)より2.5倍愛情をかけてやれば(5*5-5=20)
何と10倍に当たる20もの幸せが家族にやってくるという夢のような話だ。

 

しかし、これがひょっとして、
1以下であるH=0.5ならば、
(0.5*0.5)-0.5=0.25-0.5=マイナス0.5 奥さんを含む家族の利益(-0.5)
となり、不幸な家族となる。

 

なんちゃって
ちょっと亭主びいきに過ぎた強引な方程式ではあるが、
世の亭主なんて、
「豚もおだてりゃ木に登る。」ごとき生き物で、
「お父さんのおかげで」とか「ありがとう」とか「感謝してます。」なんて、
いっぱい感謝されれば、馬車馬のごとく働き、
活き活きと学習して大した能力を持っちゃうものなんです。
亭主は搾っちゃイカンのです。
感謝して「豚もおだてりゃ木に登る。」のごとく働かせ、
大きな能力をつけさせたが、みんな(家族)の勝ちなんですね。
けっこうホントですよ。

 

 

これを商売に置き換えるともっと面白い話になる。
その話は、また明日。

 

 

朝の飛行機で「広島空港」から「羽田空港」に飛んだ。
朝は富士山が最もよく見える時間なので、楽しみにしていたが、
期待を大きく上回る「靄(もや)に浮かぶ富士」を見ることが出来た。

 

 

素晴らしい富士山が後方に去ってしばらく、
伊豆半島の突端東側に「赤潮」の帯が見えた。
鉄錆び色の赤潮を突起って大型の船舶が南下するのを発見。
たぶん横須賀港を出航したアメリカの原子力空母だ。

 

 

それから先も、海には赤潮が縞を造っていた。
なんとも不気味な姿である。

 

 

もっと凄かったのが、羽田空港に向かって飛行機が降下し、
空港に着陸する手前に見た沿岸の海。
海が「緑」と言うか「青」と言うか、異様な色をした潮が湧き上がるようにあった。
今話題の「青潮」なのだろうか。
自然と生態系が大きく音を立てて崩れているようだ。
私はこの風景に心底、恐怖感を持ったのだった。
(その写真は、もう着陸寸前であったので撮ることは出来なかった)

 

 

その代わりと言っては変だが、
朝、広島空港のレストランで朝食を食べた時の写真。
向こうでカメラを持っているのは私だ。
もちろん鏡に映った私だが、
どこに鏡があるか分かりますか?
この鏡の存在に最初気がつかなかった私は、向こうにいるもう一人の私を見て、
心臓が飛び出るくらいびっくりしたのでした。

 

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    キーパーのルーツであり、父であり 男であり、少年でもある谷好通の大作、名作、迷作コラム。
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