谷 好通コラム

2008年04月24日(木曜日)

1899.九月28日に大地震が?

めまぐるしい三日間の出張が終わり、東京から帰る新幹線の中。
どうも東京にいる時間があまり取れない。
居れば良いと言うものでもないが、
せっかく「東京に引っ越す」と宣言した割には、
せいぜい週に二三日東京で仕事をする程度に留まっている。

 

やっぱり、東京にアパートを借りて“住む”体勢にしなければいけないのだろうか。
しかし、東京に直下型地震が来たら通勤難民が大量に出ると聞き、
ちょっと、たじろいでいるのも正直なところ。

 

通勤難民で道路がラッシュ時の電車並みの混雑になるから
「いつも運動靴は持っていた方がいい」なんてことも言っていた。
しかし私の場合、運動靴がどうのこうのという問題以前に、
何キロも歩くこと自体が考えられないので、東京にいる時はちょっとドキドキしている。

 

ひょっとしてそんな事態になって、
一番つらいのは、やっぱり「腹が減ること」だろう。
私にとっては深刻な問題だ。
そう思って「マーブルチョコレート」を
いつもカバンの中に入れることにした。
紙の筒に入っているので、
暑くなってチョコが溶けても外に溶け出してこないであろうからだ。
雪山での遭難者が
「チョコで一週間食いつないだ」と言っていたことを思い出したのだ。
しかし、いつもカバンに入っている「マーブルチョコレート」は、
夜、出張先で飲んだ後の「おやつ」にちょうど良いというか、
酔っ払って、理性が十分の一ぐらいに低下すると、
どうしても食べたくなってしまう。
しかし、今回のマーブルチョコレートはカバンの中でまだ無事である。
それだけ真剣に東京での地震に備える気持ちが強いのだろう。
その強さは、理性が低下した時の私の食欲に勝つぐらいだから、相当に大きいものだ。

 

飛行機に乗っている時に地震が来たらどうなるだろうか。
空中だから関係ないか?
いや、空港はすぐ閉鎖になるだろうし、
上空を飛んでいる飛行機のかなりの機数が羽田がらみの飛行機だろうから、
大量の飛行機全機を近隣の空港に着陸させるわけにも行かないだろう。
そうなると、燃料が足りなくなってくる飛行機もあるはずだ。
だんだん底をついてくる燃料に怯えながら、上空をぐるぐる旋回し続ける飛行機。
何かの映画で見たことのあるシーンだ。
そう考えると飛行機もいやだなあ。

 

日本は地殻プレートのせめぎ合いの真っ只中にある。
だから、東京直下型の地震だけではなく、
いくつかの大地震が警告されているが、
それを全部気にしていたら、どこへも行けなくなってしまうとも思い、
せっせと出張する毎日だが、
やっぱり大きな災難の時には、家族がそばに居て欲しいと思う。
これだけは本当にそう思う。
しかし、それにしても
いざとなったら「マーブルチョコレート」だけが頼りとは情けない。

 

何かのテレビの番組で、
未来を予測する超能力者が
「北京オリンピックは開かれない。」
「9月28日に大地震がやってくる。」と言っていた。
ということは、北京オリンピックが予言どおり開かれなかったら、
9月28には地震が来ると言うことにもなるか。

 

私も「ひょっとしたら本当に北京オリンピックは出来ないかもしれない。」
とは思っている。
オリンピックが開催される北京は、
工場と自動車から排出されるスモッグで、
街中が白く煙っており、わずか数百メートルの視界しかない。
大気中の塵排は東京の数十倍であると聞いた。
こんな汚れた空気の中で競技が出来るのか。
「オリンピック大会の前後数日間、工場を操業停止し車の通行も規制する」と言う。
その期間だけ何とかなればいいというが、
その場限りの考え方が、余計に不安を感じる。

 

テレビのニュースで見た。
マラソンのコースの道路に沿ったアパートは、
本当は大して古くもないのに非常に老朽化しており、
みっともないので
コースから見える一列だけ、
しゃれた三角の屋根をくっつけ、壁を茶色のペンキで塗って、
インスタントでヨーロッパの街並み風にしてあったのだ。
上っ面だけ格好をつければ中身はどうだっていいとする手法は、
かえって世界に対して、中国製品の不信につながる結果を呼ぶものではないか。

 

競技場の期間までの工事完成も、まだまだ予断を許さない状態らしい。
そんな時に、いい加減な手抜きで工事をしてしまうのが心配だ、
大きな事故が起きなければいいが。

 

いやいや、それ以上に心配なのは、
今の中国経済が恐ろしいほどの空虚なバブルの上に成り立っていることだ。

 

私は上海に数え切れないほど行ったが、
最近半年ぐらいはあまり行っていないので、今現在を分かって言うのではないが、
上海で見たマンションブームはとにかく異常であった。
ものすごいスピードでマンションを建てているのだが、
建ったマンションに人が住んでいないのだ。
使っていない部屋の多さはたぶん皆さんの想像以上で、
2/3は住んでいないのではないだろうか。
マンションを買うのは「住む」のが目的ではなく、
多くが「投機」で買われているようなのだ。
投機とは「安く買って、値段が上がったら高く売る。」ということ。
つまり「売って」利ざやを稼ぐために「買っている」のだ。
逆を言うと、買う「目的」は、「住む」ことではなく「売る」ことなのだ。
「売る」のが目的なのだから、必ず「売る」ことになる。
投機として「売る」のが目的で「買った」人は、
いつか必ず売る。

 

みんな、北京オリンピックの前が一番値段が上がると言い、
その時に売ろうと言っている。
あるいは上海万博までバブルが持てば、その直前が売り時だとも言っている。
悲しいことにみんながそう言っているのだ。

 

私が知っている中国の会社の社長クラスの人は、
一人残らず投機目的でマンションを買っていて、
値段が上がるのを待ち、みんなが売る前に、売って、大儲けするのだと言っている。
つまり、みんなが売る前に、
自分だけ売れば、一番儲かるとみんなが言っているのだ。
だから、誰かごく少数の人が儲けて、
(それが自分であって)
誰かが売り出した後に、我も我もと、売りが殺到するわけだ。
いわゆる不動産の暴落である。
自分が儲けたあとならば、暴落であろうが何であろうが知ったことではない。

 

みんなが売るのが目的で買ったのだから、
必ず売る。
だから、必ず暴落が来るということになってしまう。
これはどうにも逃げられない単純な方程式であるように思えて仕方ない。

 

中国政府は、
何が何でもオリンピックを成立させようと必死になっている。
まさになりふり構わずに。
だから、オリンピック直前にバブル崩壊の不動産暴落など招かないために
「一時的にでもマンションを売れないようにする法律」を出してくるかもしれない。
しかし、そんな法律を極秘のうちに進めたとしても、
それを知っている要人とその家族が、その前に「売りに出る」だろう。
自分も買い込んでいるマンションが、
自分たちが出す法律で売れなくなってしまうのだから、そりゃあ、先に売るだろう。
それを要人に群がる無数の利権者が見逃すはずがない。
かなりの量のマンションが急激に売りに出されたら、それがきっかけになるかもしれない。
不動産大暴落のきっかけにである。

 

今、中国の銀行が抱えている不良債権はすでに天文学的な数字であると聞いた。
表面に出ている中国の不良債権とは、
日本の銀行のいう不良債権とは全くその基準が違い、
日本では考えられないほどの甘い基準で「不良債権」と言っているらしいので、
実体は、公表の数字よりも半端でなく大きいものであると聞いたことがある。

 

その上に、不動産の暴落でビックバン的に膨れ上がるかもしれない膨大な不良債権を、
中国経済はどう持ちこたえるのだろう。
場合によっては、
いよいよオリンピックどころではなくなるかもしれないと言うのだ。

 

しかし、こんな話は、
素人である私が、単純に思い付きでしているだけだ。

 

中国に投資している世界中の投資家や企業がそんなことを知らないわけがないし、
天才的な頭脳持ち、激烈な権力闘争を勝ち抜いてきた要人たちが、
そんな破滅的な結末を招くはずがない。
私の幼稚な思い過ごしでしかないだろう。

 

ただ、私は中国にいかなる投資もしないし、
ましてや、絶対に中国にマンションなどを買うことはない。

 

ひょっとして、あのオカルチックな預言者の言うとおり、
北京オリンピックが開催されなかったら、
ひょっとしたら、9月28日に巨大地震が襲ってくるかもしれない。
と気味悪がっているだけなのです。

 

だから、私のスケジュール、サイボウズには、
9月26日から30日まで、「愛知・本社」と入れてある。
けっこう真剣なのだ。

 

ダイコンの花

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2008年04月24日(木曜日)

1898.費用対効果、或いは成果

事業とは、
世の中に提供した「付加価値(その評価は世の中が決める)」が、
それに要した「費用」、すなわち社会的資本を上回る時、
黒字経営という現象で、存続し続けられ、あるいは成長する。

 

会社全体として付加価値(効果、成果)/費用≧1ならば、
事業としてとりあえず成り立ち、
その値が1より小さければ、
いずれは資本金を食いつぶし債務超過となり倒産、あるいは解散となる。
また、その値が1以上であり、より大きな値であれば、
収益性の高い事業、
つまり世の中に提供している付加価値が費用対成果として高い事業、
すなわち成長する会社として、
銀行からの融資も有利に受けられたり、
たくさんの紹介があったりで、
社会からいろいろな形で応援され、より成長することができる。

 

乱暴に言い切ってしまうと
会社を成長させたいのならば、
会社全体としての「社会に対する付加価値(効果、成果)」/費用」を上げることに尽きる。
「社会に対する付加価値(効果、成果)」/費用」とは、
採算率(経常利益率)と言い換えることが出来る。

 

会社全体の採算率を黒字として維持し、
より上げるには、
会社を構成している様々な一つ一つの要素において、
採算が取れているかどうか、
すなわち黒字であるかどうか、貢献しているのかどうか。
その単位が、店舗であったり、部署であったり、一人一人のスタッフであったり、
より細かい単位にまで掘り下げられなくてはならない。

 

ある一つの単位の部分で赤字の状態であり続けては、
全体としての黒字の経営はあり得ず、
それが早急なる黒字転換が認めないものならば、
躊躇することなく、一刻も早く切り離すべきなのである。
たとえ、それが有望であるはずの“者”であれ、”物”であれ、”所”であってもだ。
決して躊躇せずにである。
ある時は淡白に、ある時は歯を食いしばってでもだ。

 

職業として「倒産しそうな会社を復活させる仕事人」がまずやることは、
危機の原因である不採算部門を切り離すことであるが、
真っ先にされる仕事であるが、
しかし、切り離すだけでは何の進歩も成長もない。
まず、第一は”伸ばすこと”だ。
いかなる単位のレベルでも「伸ばすこと」に全力を尽くすべきであり、
会社の良い所、長所、強みを伸ばす前準備として切り離すことがされる。
捨てることはいつでも出来る。
問題なのは、
捨てるべきときがやってきても捨てることが出来ない優柔不断さの存在であって、
それさえ克服し、いつでも躊躇なく切り離す力と覚悟さえあれば、
常に「伸ばすこと」に全力を尽くしていて構わないのである。

 

逆に言えば、
いつでも切り離す覚悟の意志の力があるからこそ、
脇目も振らず全力で前に進むことが出来る。
さらに逆に、いつにおいても切る覚悟と力がないものは、
前に進む力もそれに応じて小さいものだ。

 

費用対効果、投資対成果とは、
すべての単位において、
どんな次元においても、
事業の運命を決めるとても大きな要素であり、避けて通ってはいけない道なのです。

 

私たちは今14軒の直営快洗隊を運営しており、
さらに三軒を新たにほぼ同時に立ち上げようとしている。
10年前、刈谷店を一号店として開いてからまだ一軒も閉店をしたことがない。
オープンさせた店、全店をずっと運営している。
その間、赤字の店舗がなかったわけではないが、
いずれの店舗も、黒字転換を図ることが出来、今に至っている。
初期投資が予想以上にかかり、苦しい運営を強いられていた松戸店も、
今は稼ぎ頭の一つに成長した。

 

あきらめることはいつでも出来る。
切り離すことはいつでも出来る。
その覚悟があって、それを平然と出来る力もあるつもりだ。
だから、逆に、全店を黒字店として活かす事が出来るようになったのだと思う。

 

松戸店、いい店です。
本当にいい店です。
だから、これからもっといい店に作っていくのです。
最高の費用対成果を出す改造が始まります。

 

 

また新しい仲間が増えました。古南さんがんばって。

 

 

阿部チーフが結婚しました。
九月には子供も産まれるそうです。
良かった良かった。
おめでとう!

 

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    谷 好通

    キーパーのルーツであり、父であり 男であり、少年でもある谷好通の大作、名作、迷作コラム。
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