谷 好通コラム

2008年04月29日(火曜日)

1903.遊びたいモードに負けるには

最近の私のブログの話を読み返してみると、
簡単なことを、わざわざひねくって難しくし、
自分で悦に入っているようなところがあり、
無理して理屈っぽいことを書いているように思える。

 

今日は朝から変な予感があった。
無性にイライラするのだ。
今日は一日仕事をしないと決めたのが原因だったのかもしれない。
ちょっとしたことに変にこだわり
心を閉ざしてしまう自分が解る。
「これじゃあイカンな」と思い、心を開こうとするのだが、
どっちでもいい小さな事がどうしても許せなくて、心がまた貝のように閉じる。

 

ひょっとしたら私は仕事中毒症なのかもしれない。
年がら年中、仕事をしているので、
頭の中のチャンネルが、
仕事モードから変えられなくなってしまっているのか、
仕事のことを考えずに頭をリラックスさせようとしても、
逆に仕事することを「我慢」しているだけで、
リラックスどころか余計に神経が緊張しているのかもしれない。

 

そういえば以前、
レジャーでグァムなど手近な海外に行った時、
行きの飛行機の中で、異様にイライラしている自分があった。
仕事モードから抜け出せないでいる症状だ。
それが、向こうの空港に着いて入国審査を受け、
ホテルへのバスを待つ頃になるとやっと諦めがつくのか、
イライラが収まってリラックスモードになる経験をしている。
さすがに海外まで行くと、仕事をしようにも出来なくなるからだったのだろうか。
ふっと、何かから開放されるように遊びモードに入る。

 

以前はレジャーで海外旅行によく行ったが今は全く行かない。
というより、行きたいと思わなくなってしまった。
何年かの間、仕事での海外出張を集中的に続けるようになって、
海外旅行も仕事モードの一つになってしまったからなのかもしれない。

 

サーキットに行くこともその一つなのだろう。
何年か前に、新米ドライバー「へなちょこ?」として美祢サーキットに通っていた頃は、
サーキットに向かう新幹線の中から、
「アイ・タック技研株式会社 代表取締役 谷 好通」ではなく、
「へっぽこドライバー谷 好通」
あるいは「少年・谷 好通」になっていた。
だから、サーキットにいる間中は特に仕事のことは全く考えなかった。
そのサーキットも、「KeePre」のステッカーを大書したポルシェが走り始めた少し前から、
私は「アイ・タック技研株式会社 代表取締役 谷 好通」として扱われ、
自分でもそうなって行った。
となると、サーキットはもはや仕事モードの一部であり、
レースを、熱くなれるドラマよりも、「宣伝効果」と考えるようになった。
自分で走るとき以外は、だが。

 

仕事モード以外の他のモードを次々と失っていくと、
仕事モードが延々と続き、私は一年中仕事をするようになった。
そうすると仕事をしないと落ち着かず、休んでいてもかえってイライラするようだ。

 

この頃、それがひどくなっているのかもしれない。
そう気が付いたのは何ヶ月か前で、
スケジュールソフトのサイボウズに5日間ほどの連休を書き込み、
他の日には土日もかまわず連続して仕事のスケジュールを入れた。
「連続した休みを入れないと、自身が仕事モードから逃げられない。」と思ったからだ。
しかし、それもダラダラと潰れ、
結局仕事をしてしまうと、連休の予定も書き込まなくなった。

 

イカンなーっと思うのだ。

 

睡眠について考えた。
睡眠とは、「眠たさに負けて」眠るものであって、
「眠ろうと頑張って」眠るものでない。
明日は早く起きなくてはならない時、決まって眠れないのはそのせいだろう。
眠るのは、眠くて眠るのであって、
寝ようと思って眠るものではない。
起きているモードが、眠るモードに、負けて眠るのだ。

 

多分、これは休暇(遊び)モードにも言えるのではないか。
遊びたいという気持ちに、
仕事をしなくてはという気持ちが、負けて、遊ぶのであって、
自分のために「遊ばなくてはイカン」と考えて、遊んでも、
実は遊べていないのではないか。
「遊びたい」の気持ちに負けないと、遊びモードには入れない。

 

人間は同じモードを続けていると、
考え方が硬直するだろうし、視野が狭くなって、へんに理屈っぽくなる。
理屈っぽくなると、心が狭くなって、
自分の視野からしか物を見なくなってしまう。
そうすると、自分以外の個性を受け入れられなくなって、
妙に理屈っぽく、他人を非難するようになる。
今の自分がそんな状態かとも思う。心の不健康である。

 

と言っても、「遊ばなくては」では遊べないので、
「仕事モード」を負かすような「遊びたい」を見つけなくてはならないのだ。

 

誰か私を夢中にさせるような遊びに誘ってくれませんか。
けっこう真剣にそう思っているのです。

 

もう一度、自分が走るレースに熱中してみるか。
どうしようか。
レースはやっぱり勝たないと面白くないし、私はやっぱり勝てないし、
それでは面白くないし。うーん、どうしよう。

 

みんなが連休中の忙しさに頑張っている時、
この一日だけと思って無理して休暇にしたのに、
ちっとも楽しくないどころか、
かえってイライラした一日を送ってしまった情けない私である。

 

 

5年ぐらい前の少年谷好通

 

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    代表取締役会長兼CEO

    谷 好通

    キーパーのルーツであり、父であり 男であり、少年でもある谷好通の大作、名作、迷作コラム。
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