谷 好通コラム

2008年08月13日(水曜日)

1992.みんなが働く時に休む特権

私たちのようなサービス業は
たくさんの人が休日である土曜日曜などが忙しく、
特にお盆とか年末はものすごく忙しい。
だから当然、みんな店舗で忙しく働くことになる。

 

たくさんの人が休んで遊んでいる時に働くので、
「みんなが休む時に、自分も休みたい。」という声を聞くが、
私はやっぱりそうは思わない。

 

みんなが休む時はどこへ行っても、道路も目的地も混雑していて、
とうていゆっくり休んだり遊んだりできないからだ。

 

カレンダー上の休日に休む人は全体の70%ぐらいの人で、
休日に働き、平日に休む人が全体の30%くらいの人だろうか。
調べた訳ではないのでまったく分からないが、
そのくらいではないかと感じる。

 

そして、休日は普段の週で言えば2日間、平日は5日間。
70%の人たちが2日間の間に遊びに出ると、1日平均35%。
30%の人たちが5日間の間に分散して遊びに出ると、1日平均6%。
同じ場所に遊びに行っても、
その集中度は35%と6%で、実に6倍近くも違うのだ。

 

全体の70%の人が土日に遊びに出た時は、
全体の30%の人が遊びに出た時に比べて、
6倍も道路が混んで、6倍も乗り物が混んで、行楽地には6倍も人がいる。
遊園地に行っても6倍の長さの行列に並び、6倍の時間をかけて一つの乗り物に乗る。
つまり70%の人は、30%の人に比べ、
同じ時間と、同じ体力と、同じ費用をかけて6分の1しか楽しめないことになる。
(メチャクチャ乱暴な論理であるが)

 

そう考えると、
70%もの人が土日にしか休めないのに、
30%の人は土日以外に休めるという「特権」を持っているということではないか。
私には最高であると思えるのだ。

 

私は働き始めてほとんどすぐに土日が仕事のガソリンスタンドに入ったので、
土日に休むという概念そのものがない。
だから、遊びに行っても、どこもガラガラであるのが当たり前であった。
それが、十年ほど前に現役を離れて、
土日が休みを取りやすい仕事になったので、
何回か土曜か日曜日に遊びに行ったことがあるが、
キチガイじみた混雑や行列と、うんざりするような道路のラッシュに辟易として
遊びに出ることはなくなってしまった。
昔、平日(私の場合は火曜日が多かった)休みの時代の方が、
今よりうんと遊びに出た記憶がある。

 

若い人の場合、友達と一緒に遊べないと言う人もいるが、
夜は一緒だろし、30%も同じ人がいるので範囲が少し狭くなっただけではないだろうか。

 

子供が学校に上がると子供と一緒に遊べなくなるとも言うが、
年に何回、子供と一緒に行楽に行くのだろう。
子供の学校には夏休み、冬休み、春休みと、
30%の人が休む平日を含んだ休みもたくさんあるし、
少なくとも、私は不便を感じたことはない。
それに昔、
子供たちを連れてキャンプに行ったり、海に行ったりも何回かあったのに
子供はそれを憶えていないという事実を知った時、
「子供のために子供と一緒に遊んであげること」に対して
親としての義務的意味を見失ったことがある。

 

どうしても何かあれば、仲間に頼んで年に何回かは土日に休むこともあるだろうし、
私は、どうしても子供をどこかに連れて行きたいと思った時は、
子供に学校を休むように言った。
しかし、返事は必ず「ノー」であったことを考えると、
つまり、子供を一緒に遊びに連れて行くことは、
学校に一日出る意味のそれ以下なのであろうということだ。大したことない。

 

子供は親が一緒に遊ぶ事で良く育つのではなく、
働く親の背中を見て子供は良く育つのだ。
私はそう思っている。

 

私は個人的には、
70%の人が休んでいる時に、30%の人と同じく働いて、
70%の人が働いている時に、休んで、ガラガラの好きなところで遊びたい。

 

言い方を変えると、
「みんなが休んでいる時に休むより、みんなが働いている時に休んだ方がいい」
その方があらゆる点で、ラクチンであり、静かであり、ゆっくりできる。

 

昨日は一日かけて関東の4店舗と、建設中の1店舗を巡った。
夜遅くなることも考えられたので都内のホテルに泊まり、(ホテルは観光客のみ)
朝の新幹線で名古屋に帰ってきた。
お盆の初日の朝の、
しかも東京から出て行く新幹線は当然混んでいると思ったので、
切符は前日に買っておいた。だから何の心配もなく帰って来られたが、
案の定、朝の東京駅は帰省客でごった返していた。
もちろん新幹線は、ほぼ100%満席である。
70%の人は本当に大変だ。

 

(写真の真ん中に一人だけ、仕事中の人?がいる。)

 

 

東海道新幹線だけは普段ビジネス客が多く、
本数も圧倒的に多いのでグリーン車だけは空いているようだ。

 

 

乗った新幹線の中は行楽客、帰省客らの子供が大騒ぎで、
じっと我慢のつらい1時間45分であったのだ。

 

名古屋に帰って来てからはそのまま、
名古屋駅前に止めてあった車に乗って、愛知9店舗の快洗隊めぐり。
みんな、35℃以上の猛暑の中で、活き活きと働いている。
みんな仲間たちである。

 

その活躍ぶりはまた明日ご披露したい。

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    代表取締役会長兼CEO

    谷 好通

    キーパーのルーツであり、父であり 男であり、少年でもある谷好通の大作、名作、迷作コラム。
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