谷 好通コラム

2008年09月26日(金曜日)

2025.CM撮影とマイハウス

不覚にも道を間違えて遅刻をした。
現場の快洗隊・上和田店に着いたのは午前7半過ぎで、
撮影隊の準備はもう済んでいて、本番直前である。

 

まずびっくりしたのは照明のすごさ、
15,000Wというどでかい照明がフィールドに建てられた高い足場に乗せられて、
コウコウと輝いている。
一般家庭の1年分の電気代を一日の照明で使ってしまうそうだ。
お天気が晴れでも曇りでも関係なく、
一定の明るさを確保できるだけの強力な照明だと聞いた。

 

撮影に関わるスタッフは総勢20名はいるか、
それに私たちのスタッフを合わせると約30名と大所帯である。

 

午前中はキーパーコーティングをアピールする場面の撮影で、
出演者はアイ・タックの賀来部長と土井店長、
それに大阪の?IJPの快洗隊・和泉店から後々田さん。
役回りは、賀来部長のベテランの上司、
土井君が若き技術者、後々田さんが美しい女性技術者。
その三人が車を囲んで作業しているカットと、
それぞれ人のアップで色々な作業を真剣に行っているカット、
そして、三人が車に両側に立って、凛と揃っている姿。
それを、順に撮っていく。

 

撮影にはたくさんの人が関わっている割には極めてスムーズだ。
誰もがプロであり、
それぞれがやるべき時に
やるべき事を解って動いている姿は、気持ちいい。

 

臨時タレントの我がスタッフ達も、必死で演技して(?)着いて行く。

 

それにしても、小気味よくワンカット ワンカットずつがこなされ、
予定の時間を大幅に短縮するペースで撮影が進んで行くのは
照明がカットごとにカチッと決まっていて、
カメラマンの名人芸ともいえるような技がドンピシャではまり、
監督の意を一発でビシッと表現する合計の力なのだろう。

 

また監督が、臨時タレントである我がスタッフ達を実に上手く乗せる。
乗せられたスタッフ達がまるで名優の“ような”演技をするのが実に面白い。

 

こんなトントン拍子で進む撮影にとって一番厄介なのは、
私のような中小企業のオヤジで、
つい、口を挟みたくなってしまうのだ。
特に「車をキレイにする作業の場面」のように、
こちらの方がそれについて知識があって、
その側面から見ると気が付くことが多く、
修正してもらわなくてはならない場面を見つけたりすると、
当然、その要素について指摘することになるので口を挟む。
それはそれでいいのだが、
つい、余計なことまで口を出してしまいがちになるのだ。

 

最初に現場に着いた時に言われた、
撮影を同時進行で見ることが出来る「モニター」を
デンと据えた席があって、
「クライアントはその席に“デン”と座り続けていていただいてけっこうです。」と。
で、「ほぉ、一等席じゃん」と私は思った。
でも私も我がスタッフの作業ごとに
色々と注文をつけに席を立つことが何度かあって、
「社長はこの席にいらっしゃって結構なんですよ。ご遠慮なさらずに。
ここを社長のハウスと思ってください。」
そう言ってくれたのは営業の松岡氏。
「ハウス?」
「あっそうか、俺はここにいてくれって意味なんだ。」

 

ほら、ワン公が自分の小屋に帰りなさいと命令される時
「ハウスッ!」と言われるではないか、
つまり、
このモニターがデンと据えてあるこの席が私の「ハウス」なのだ。
みんなで大笑いした。
この営業の松岡氏は実に面白い。
私とこの会社の波長を実によく解っている。

 

その後、撮影班から私に確認をして欲しいと言われたことがあって、
カメラの近くに行って色々と確認をした時、
そのままその場に残って、またつい口を出したら、
「社長、こちらにモニターがつながっていますので。」と言われ、
「はい、はい、はい、ハウスってことね。」と自分で言いながら
私は、私のハウスの席に戻った。
私はこういう波長が大好きである。
その道のプロの仕事に、番外の者が不要に立ち入ってはいけないのだ。

 

それでも、CMの撮影は
ワンカットずつクライアントのOKをもらいながら進む。
CMの製作の一つのルールなのであろう。
それからずっと私は、
私のハウス、マイハウスでおとなしく撮影を見守り、
それでも時折、マイハウスから大きな声で
「賀来~~、ポリッシャーがキチンと当たってないぞ~~。」など罵声を浴びせながら、
順調に撮影はこなされていったのです。

 

そのせいか、午後3時までの予定であったロケ撮影も、
約1時間も前倒しで終わり、
刈谷のスタジオに行って、今度はスポーツ選手たちの撮影だ。
ハンドボールのキーパー。
サッカーのキーパー。
アイスホッケーのキーパー。

 

それぞれのアスリートの撮影は実に面白かった。
彼らはすごい。
そして彼らのすごさを巧みに引き出す監督もすごい。
それを恐ろしいまでの映像にする照明とカメラマンもすごい。
そのすごさは、私たちの想像をはるかに超すものだった。
このCM、本当にものすごいクォリティーと表現力を持ったCMになる。
そう確信した。
だから
スタジオでの私は、
ずっとマイハウスに座っていたのはもちろんである。

 

 

イヤダイヤダと言いながら、結構気に入っているのか「白塗りの賀来部長」

 

 

大はしゃぎの「白塗りの土井店長」
向こうに見えるは大坂からわざわざ来てくれた後々田さん。

 

 

撮影風景。

 

 

なんでお前そこにいるの?

 

 

これが映像になると如何に劇的になるかお楽しみ。

 

 

ここが「マイハウス」

 

 

ロケ撮影の場所を提供していただいた吉良オイルセンターの快洗隊上和田店の皆さん、
ほとんど一日を撮影のために休業状態にしてしまいました。
大変申し訳ないと同時に、深く感謝いたします。
ありがとうございました。

 

 

ハンドボールのキーパー。
ホ~~っというほどのハンサムが、
オ~~~っというほど迫力満点だったのです。
高木尚選手

 

 

サッカーのキーパーは、のべ30回は空を飛んでくれました。
石川扶選手。

 

 

一見ベビーフェイスだが、とんでもない。
たぶん今回一番の度胸と迫力と見せ付けてくれたアイスホッケーのキーパー。
藤木幸大選手。

 

 

やっと終わりました。
午後10時を回ったぐらいで、それでもずいぶん早く終わったのです。
みなさん、大変ご苦労様でした。

 

 

私に「ハウスっ!」と言える松岡営業。
エライ!とみんなから絶賛されていた。

 

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    キーパーのルーツであり、父であり 男であり、少年でもある谷好通の大作、名作、迷作コラム。
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