谷 好通コラム

2008年11月16日(日曜日)

2066.みんな変わらないまま素敵な人たちに

わが母校、桜台高校昭和45年卒業の同窓会が名古屋であった。

 

高校の同窓会は20年ほど前に一回あったが、
その時はたくさんの人が集まりパーティーのような感じだったからなのか、
あまり記憶に残っていない。
ひょっとして何学年かの合同であったのかもしれない。
いずれにしても、実際は20年ぶりにだが、
むしろ40年ぶりに同級生と会ったという気持ちであった。

 

しかし出かける時は、
私はちょっと憂鬱だった。
小学校、中学校の時の友達はかなり憶えているが、
高校の時の友達はあまり思い出せない。
高校時代の私はあまり学校での思い出がない。
ひょっとしたら私のことを憶えている人がいないのではないか、
ひょっとして、誰とも話が合わず一人でポツンとしているのではないか。

 

そんな危惧は、
同窓会の受付の時点で吹っ飛んだ。
「あっ、谷君か?」「オー、谷君だろ。」と次々と声をかけてもらって、
私も同級生たちの顔と名前を次々と思い出した。
いやー、意外と憶えているもんだ。
たくさんの人が自分を覚えてくれていたことも感激だ。

 

特に柔道部の仲間たちが3人もいて、
話が弾んだ。
私は同窓の類にほとんど出たことがなかったが
(長い間、私の住所が分からなかったらしい)
40年ぶりに会った人でも、
ついこの間まで一緒にいたかのように話せたことは驚いた。

 

「今、何してるの? どこにいるの?」
「大府で会社をやっているの。」
「どんな会社?」
「え~~~、洗車とかコーティングの関係なんだけど・・・」
私の会社はややこしいので自分の話は手短にして「君は何してるの?」と進め、
いっぱいのことを話した。もちろん昔話もいっぱい。

 

柔道部の小島君、大島君、加藤君。
小学校、中学校、高校とずっと同じ学校であった小林君、鈴木君。
話している間に、
彼らが昔のその人のままであることに驚いた。
小島君は今も昔知っていた小島君そのものであったし、
大島君も、加藤君も、小林君も、鈴木君も、実にそのままだと感じた。
彼らも、私の話し方とか、表情とか、性格までそのままだと言った。
もちろん40年の間にたくさんの経験をし、苦労もして、学び、変わってきたのだろうが、
その人柄とか雰囲気は、彼らも私も昔のそのままであった。

 

またこの会を世話した川口君も、東君も、
声をかけてくれた白鳥さんも、折笠さんも、梶川君もそして先生たちも、
昔のままであった。

 

私を含めてみんな進化しなかったのか。
もちろんそんなことはない。
誰も昔のそのままに留まっている訳ではない。
誰もが高校生の昔より、はるかに紳士淑女になっていて穏やかで、
立派な人格者であることを感じさせる。
その上で、それぞれが昔のそのままを感じさせるのだ。

 

その人の個性というものは、
少なくとも、その基本は高校より以前に出来上がるものらしい。
そこから色々な経験と学習を経て、その基本形が修正され、高まり、
初老の域に入りつつある56~7歳の年代になって、
進化してなるべき人として人格者となるのか。
でも、その人から受ける個性は、昔のままなのだ。

 

不思議な世界であった。
みんな、その人のまま、でも進化して素晴らしい人達になっている。
それでなおかつ昔のままなのだ。

 

私はどうなのか、みんなの言うには昔のままであることは間違いないが、
歳を経た分、経験と重ねた分、学んだ分、きちんと進化できているのだろうか。

 

しかし、思うに、
自分は、どんなに歳を経て進化したとしても、
相変わらずの自分でもあるという自分自身の認識が、
人から見てもそうであることに、何かほっとしたような気がした。

 

どんな仕事をして、どんな社会的な貢献をしたとしても、
相変わらず自分は自分であって、その価値は上がったり下がったりするものではない。
それぞれの人の価値は、その人がその人である存在そのものにある。
やっぱり、そうなのかもしれない。

 

すべての人が素敵なそれぞれの人達でした。

 

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2008年11月16日(日曜日)

2065.役員会でビール飲んだ奴

今日は役員会。
会社の取締役・監査役が集まっての月一回の会議。

 

午前中に前月の収支報告やら今後のことを検討してから
みんなで昼ごはんをちょっと離れた喫茶店で食べに行く。
しかし、落ち着かない。
今日から始まったテレビコマーシャルが気になって仕方ないのだ。

 

谷専務がたまたま偶然、朝ごはんを食べながらキーパーのコマーシャルを見たらしいが
あとのみんなは誰もまだ見ていないという。
だから、わざわざテレビがかかっている喫茶店まで行って
ごはんを食べながらみんなでテレビを注視する。

 

平日はゴールデンタイムにコマーシャルが入るようにしてあるが、
土日の休日は朝から晩まで
大体1時間に一回ずつどこかのチャンネルで入るようにしてあるので、
何となく1時間見ていても4チャンネルのどこかになので、なかなか当たることは少ない。
結局、昼ごはん中にコマーシャルを見ることはなかった。

 

本当は、どのチャンネルで何時何分に入るかという「マップ」をもらっているので、
それを見れば必ず放映を見ることが出来るのだが、
“自然体”で見たいということで、あえてそれを見なかったのだ。

 

しかしそれでは同じチャンネルを見続けても4時間に一回ということになって、
なかなか見ることが出来ない。
このままでは気になって役員会がテレビ鑑賞会になってしまうので、
あえてマップを見て、どのチャンネルで何時何分に入るかを確認した上で、
寮の食堂のテレビをみんなで並んで見ることにした。

 

確かに見た。
ちゃんと予定通りの時間の5チャンネルでキーパーのコマーシャルを見た。

 

「ホーっ」みんなで思わず声が出る。

 

食堂で見てから、
会議室に戻り役員会を再開する。
正確には”再開しようとした”が、なかなか声が出ない。
みんな一言二言、声を出すが、気持ちが遠くに行ってしまって、発言が続かない。
沈黙が10分、20分、30分と続く。
全員総うつ状態らなったみたい。

 

頭の中をいろいろなことが巡って、
私が発言出来ない。

 

「ダメだ、ビールを持ってきてよ。」
ちょっとビールでも飲んで脳細胞を痺れさせないと、
ポジティブになれないのだ。

 

私は大切な月一回の役員会で、
というより正式な会議中に、生まれて初めて缶ビールを1つ飲んだ。

 

見慣れた「映像」が、いつものテレビの中に出てくると
ものすごい違和感があるし、
ものすごく間違ったことをしているような
罪悪感、羞恥心に似た感覚になって、
何十分か言葉が出なくなってしまったのだ。

 

こんな感覚は生まれて初めて。
軽い一時的なうつ状態みたいになったのだろうか。
みんな揃って声が出ない。

 

でも、缶ビールを1本飲んだら、
すぐに体が楽になった。
固まったような体が動き、口も動き、いつもの笑い声がたくさん聞こえる真剣な会議に戻った。

 

あれは一体なんだったのだろうか。

 

会社で最高の決定権のある役員会の真っ最中に缶ビールを飲んだ社長は、
根性なしで、クビと言われても仕方ないか?
あ~~あ、くたびれた会議であった。

 

証拠写真である。

 

 

まっいいか。
こんなこともあるさ。

 

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    代表取締役会長兼CEO

    谷 好通

    キーパーのルーツであり、父であり 男であり、少年でもある谷好通の大作、名作、迷作コラム。
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