谷 好通コラム

2008年11月20日(木曜日)

2070.人の話が聞ける力、旺盛な好奇心

昨日夜遅くに福岡に着き、
福岡営業所の中西所長に無理を言って付き合ってもらって
早速、旭軒の餃子を食べに行った。
考えてみれば、ここ3年間ぐらい福岡に泊まる時は必ず餃子を食べに行っている。
というよりも、餃子しか食べていないような気もする。

 

そろそろ飽きたか。
いや、まだまだ飽きていない。

 

私はみんなに飽きっぽいと思われているが
意外とそうでもないのだ。
新しい事にいつも挑戦したがるが、
だかといって、今までやっている事を放り出したりはしない。
しかし、どんどんレパートリーが増えていって
増え過ぎて、古い事を片っ端から忘れていってしまうことはある。
(こういうことを飽きっぽいと言うのかな?)

 

 

時代はたえず変化していくので、
新しい時代を鋭くキャッチし、
その新しい時代に即した新しいスタンスを持つことは必要だ。
だからといって、今までのことをすべてオールクリアーしても良いことにはならない。
新しい事に正しいこともあるが、古い事に正しいこともある。
どちらにも正しいことがある。
自分だけが正しいわけでは決してないのと同じように。

 

私はよく「今の自分を否定しないと、自らを進化させることは出来ない。」と言う。
そして「自らを否定する力を付けるべきだ」とも。

 

この言葉は誤解されやすいので、この事についてちょっと解説したい。

 

「今の自分を否定する。」とは、
「俺ってダメな人間なんだ。」と自らを悲観し否定することではない。
自分を卑下することではなく
むしろ自分の可能性を肯定することなのだ。

 

つまり、自分の今を完成形とせずに、
もっと自分は進化し、
もっと成長できるということを肯定することなのだ。
だから、今の自分に満足して留まることなく、
今の自分であることを常に否定して、もっともっと学び、成長すべきという意味。

 

今の自分を不十分として否定するには、
かなりの力が要る。
たとえば、
自分が言った言葉に対して否定的な意見をもらった時、
その否定的な意見を、素直に聞くことは非常に難しい。
なぜ自分の意見に対しての否定的な意見を、
客観的な意見として聞くことは非常に難しい。

 

せっかくもらった自分への意見を、
自らへの攻撃として、
つい、反撃モードに入ってしまうか
あるいは、自己防衛的モードで聞いてしまい、
自己を擁護する発想に入ってしまうことがほとんどだと言っていいだろう。
人の意見を、意見として聞かず、
自分に対する攻撃と感じるのは、自己防衛本能なのかもしれない。

 

自分の意見や、行動への批判を、
「自分の意見や行動に間違っているところがあるかもしれない。きちんと聞こう。」
という姿勢を持つことが出来る力を、
私の言葉では
「自己を否定する力」と言っているわけで、
これは簡単に出来そうで、ものすごく難しいのだ。
かくいう自分だってなかなか出来るものではない。

 

特に相手が年下であったり、部下であったりすると
自分に対する否定的な意見を
「このガキが解ったようなことを言って。」とか、
「お前は俺の部下なんだから、
ガタガタ言わずに俺の言う事を聞いていればいいんだ。」とか、
「何を言っとるか年下のくせに。
お前だって歳をとれば、俺の言っていることが正しいことが解るわ。」とか、
自分が間違っている可能性を無視して、
相手が年下であるとか部下であるとかいう理由だけで、
頭から否定し攻撃してしまうことがある。多い。
これを自分を否定する力が弱いということになる。

 

こういうことは立派な仕事をしたことがあったり、経験を持っていたり、
自分に自信を持っている人に多いが、
逆に、そういうものがまったくなくても、
今の自分以上の存在があること自体が理解できずに、
ただ単に年取っただけで自信を持ってしまう人もある。
というよりも、こんなことは誰にだってある。
もちろん私にもある。

 

あるいは、逆に
自分より経験が豊かであったり、
目上であったり、上司である人から
何か注意を受けたり、
自分の言動に対して否定的な意見をもらったりすると、
「あの人は俺を解ってくれない。」とか、
「それは、・・・・であって、それをあなたは理解できないだけであって・・・」と
猛然と反撃し、自己主張をしたりすることもある。
せっかく、自分よりも目上であり、
経験豊かな人からもらった意見に、
聞く耳を持たず、
反射的に自己主張を展開する人は、
自分を否定する力が弱いので、
これは学習能力が低いことにもなる。
これは人から優秀だと言われ、自分でもそのように自負している人に強いが、
ただ単に、人の意見や言葉が理解出来ないだけの場合もある。
というより、誰にだってこういうところはある。
私だってバリバリに持っている。

 

問題はこういう傾向を自分も持っていることを自覚できるかどうか。
人の意見、特に自分に対して否定的な意見を素直に、
客観的に聞くことが出来ない自分が
自分の中に在ると言うことを自覚しているかどうかなのだろうと思う。

 

自分を常に否定する力を持っていれば、
過去あるいは今の時代が絶対ではないことを理解し
どんどん変わっていく時代の新しい流れを理解できるだろう。
あるいは
自分の経験になかったことを経験した時、
それを新鮮なこととして感じ、受け入れられるだろう。
自己を否定する力を強く持つと
いつも常に何からでも学習できるだろう。
そんな力をひっくるめて「旺盛な好奇心」と言うのかもしれない。

 

自分を否定する力とは、人の意見をきちんと聞ける力であり、旺盛な好奇心にもつながる。

 

何でも見たい。何処へでも行きたい。何でも知りたい。やってみたい。
旺盛な好奇心を持ち、
どんな事にでも自己防衛的反応をコントロールし、
とりあえず、まず受け入れ、
どんな立場の人からの意見でも、いくつの人からのどんな意見でも
予断を持たずに、受け入れられるように、
新鮮に聞くことが出来るようになるだろう。

 

そんな風に、自分がなれたら、どんなにいい、面白い人生が送れるだろうか。

 

そう思うと、今の自分なんて足りないだらけで、
「俺ってダメな人間かな。」と、
間違った意味で否定的になってしまうのは、
私がいかにも凡人であることの証拠である。(#^.^#)

 

 

今日は福岡で新しいタイプのガソリンスタンドと快洗隊との融合店舗である
「アイビー石油 青葉台SS」の開所式に出席した。
営業は11月22日(土)からです。

 

 

アイビー石油の馬場社長は、
この業界では全国に名だたる成功者である。
それでも時代の変化を敏感に感じ、今までの成功の形にとらわれず、
新しい時代を、現実のあるべき時代として受け入れ、
人の意見を、きちんと意見として受け入れ、
自らの中で消化しきって、新しい自分たちの姿を探そうとしている。
自分を否定する力を持ち、新しい自らの姿を旺盛な好奇心の中で見つけようとしている。
私たちも、私たちの姿勢として、新しい形をこの中に見つけることが出来れば、
すばらしいものが新しい時代に出来上がるかもしれない。

 

 




こいつは、
めちゃくちゃ好奇心のかたまりであるが、
人の話はまったく聞こうとしない。おバカさんである。

 

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    キーパーのルーツであり、父であり 男であり、少年でもある谷好通の大作、名作、迷作コラム。
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