谷 好通コラム

2008年12月16日(火曜日)

2089.プラス15分の効用

今朝は9時45分に東京駅で待ち合わせをしている。
名古屋駅を8時ちょうどくらいの新幹線に乗れば間に合う時間だ。

 

だから朝6時に起きて、
顔を洗い、ひげを剃り、歯を磨いてトイレに行き
メールチェックをしたあと着替えて6時45分には家を出ようと思っていた。
通常ならば名古屋駅までは30分も見れば大丈夫なのだが、
名古屋高速が朝の渋滞になると、名古屋駅までプラス15分は見なくてはならないし
みどりの窓口で切符を買うのに混んでいればプラス15分かかる。
計プラス30分の余裕を持って6時45分に出れば
万が一のことがあってもほぼ大丈夫だろう。

 

予定を立てていくのにこのプラス15分が大きな意味を持つ。

 

東京駅で待っている鈴置君も、東京で15分の余裕を見ているはずだ。
東京駅から先方の場所まで30分もあれば到着するが、
約束の10時半まで15分の余裕を見て9時45分の待ち合わせを指定してきているはず。
私は私で、
高速の渋滞でプラス15分、切符を買うのにプラス15分見ている。
時間の約束を守るには、遅れる恐れのある要素一つ一つについてプラス15分が
実際に非常に有効で、
その15分によって無駄になる時間など全くたいしたことないものであり
一日に5件の用件を持っても最大で計1時間15分の無駄になるだけ。
相手にお会いする前に15分余っても、いろいろな意味で準備の時間となるし、
頭の中のチャンネルを換えるちょうどいい時間になる。

 

逆に、全く余裕を持たずにギリギリの時間になった場合、
相手にお会いする直前までハラハラするし、
準備の面でも、気持ちの面でもまったく余裕のないまま相手にお会いすることになる。

 

ましてや何らかの要因で時間に遅れてしまった場合、
第一に相手に対してご迷惑をおかけすることになるし、
それだけで自分の信用も何割かはマイナスになる。
そしてたとえば、その訪問が交渉ごとであった場合ならば、
相手に対してまずお詫びの言葉から入らなくてはならないのは、
最初から不利を被ってからの交渉となるわけで、いろいろな意味でよろしくない。

 

いずれにしても、
少なくともビジネスにおいて約束の時間に遅れることは、
「約束を守らない」ということであって、
約束を守ることを前提としているのがビジネスというものなので、
約束を守らない行為は、
それがたとえ時間に遅れる程度のことであっても、大きなマイナスになることは違いない。

 

このようなことは、多分、私生活の中でも言えることで、
たとえば、デートの約束の時間をいつも遅れる恋人は、
その人の“約束”を大切に思っていない人である。
「愛することとは相手を大切に思い、相手の幸せを願う気持ち」だとすれば、
その遅刻の常習犯は、相手を大切に思っていず、相手の幸せを願ってはいない人なので、
つまり、相手を愛していない証明ともなる。
余計なお世話だが、出来るだけ早く別れたほうがいい。

 

概して時間の約束を守らない人は、
自分が相手を待つよりも、相手に自分を待たせることによって、
自分のステータスを高めているような錯覚を持っている場合が多く、
価値観の部分で自分中心の人が多いような気がする。
また時間を守らない人は、
あらゆる約束を守らない傾向があり、
人と人との関係を大切に思うことが出来ない人なのかもしれないと思うことがある。
そのように決め付けるのは、必ずしも正しくはないかもしれないが、
そのような傾向を感じることが多い。

 

かように時間を守るということは大切なことで、
そのためのプラス15分は非常に有効なのだが、
今日の私の場合、その15分と幸運が重なって助けられた。

 

朝6時45分に出る予定で準備をしていたのに、
つい、メールチェックの途中でホームページの快洗隊日記とインスト日記を読んでしまい、
その上、昨日の夜書いた自分のブログまで確認の意味もあって読んでしまい、
出発するのが6時55分になってしまった。
それでも余裕はあったのだが、
途中で名刺が切れている事に気がついて本社に寄るうちに
プラスであったはずの15分を使い果たした上に10分をオーバーしてしまった。
「やばい。このままでは遅れる。」
名古屋高速の入り口が渋滞していないことを祈りつつ進むと、
珍しい事に全く渋滞がなく、30分足らずで名古屋駅まで着いてしまった。
おまけに普段なら10人は並んでいる「みどりの窓口」も、
3人しか並んでいず、
すぐに切符を買って(私は身割を使うので窓口で買わねばならない)
午前8時01分の列車に乗って、
東京駅での9時45分の待ち合わせに間に合うことが出来た。

 

東京駅から先方のビルに着いたのは約束の25分前、
朝は忘れ物をして思いっきり慌てたが、
プラス15分の余裕を3箇所に設けていたのと、名古屋で道と窓口が空いていたので、
結果的に、余裕を持って時間に間に合うことが出来た。
ほっとしたのは言うまでもない。

 

それでも、東京では道路の混み具合で、到着時間が全く読めない時もあり、
実際に遅刻したことがあるのも一度や二度ではない。
プラス15分をもってしても「約束を守れない人」になることもあるわけだ。

 

そう考えると、私だって人のことを言えるようなものではないか。

 

素晴らしく晴れ上がった今朝、
素晴らしくきれいに見える富士山があった。

 

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    代表取締役会長兼CEO

    谷 好通

    キーパーのルーツであり、父であり 男であり、少年でもある谷好通の大作、名作、迷作コラム。
    読めば読むほど元気になること間違いなし。・・・の、はず。

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