谷 好通コラム

2009年01月13日(火曜日)

2112.今だからこその凄まじいまでの戦略

今日は面白い話を聞いた。
「トヨタ自動車は海外国内を含め、
長くて2年は車が売れない時期が続くと考えていて、
それを計算に入れた上、13兆円と言われる世界屈指の資力を活かし、
一挙に電気自動車などのエコカーの開発に全力を挙げ、
世界の自動車需要が戻った時には、
世界中の誰も追いつけないような脱石油の自動車を作り上げようとしている。」
と言うのだ。面白い。

 

海外の需要に大きく依存している日本の自動車産業は、
北米をはじめとする世界的な不況に「売れないものは、売れない。」と割り切り、
(と言っても、トヨタの販売力は世界一であり続けるであろうが)
需要が戻った時に、
一挙に他メーカーに差をつけるような技術開発に全力を尽くす。

 

世界中の自動車メーカーが、
車が売れなくなって窮している時、
特に倒産寸前のアメリカのビックスリーは借金を返すのに目いっぱいで、
とても革新的な新技術を開発するような力は無い。
もちろんトヨタ自動車だって世界的な減産に追い込まれている。
しかし、世界に類を見ない13兆円もの内部留保金、
つまり自由に使えるお金を活かして
トヨタ自動車が究極の脱二酸化炭素自動車を作り上げれば、
世界の自動車メーカーに決定的な差をつけ、名実共に世界一の座が安泰となる。
と共に、温暖化問題が緊急課題の世界で、
まさに地球レベルで救世主的な存在となり、
企業としての使命のひとつである社会に対する貢献も最高レベルで達成できる。
(ちょっとオーバーか?)

 

他の会社が出来ない時期だからこそ、
それをやるチャンスでもある。

 

売れない時期に、売ることを深追いしても、売れないものは売れない。
売れないことに他も苦しんでいる時にこそ、
売り焦らず、
持っている資力を活かして、他にできない規模の技術開発を実行する。
う~~ん、凄まじいまでの戦略である。

 

また先の話をしてくださった方が
「不況の時代、今までのビジネスモデルが通用しなくなり、
新しいビジネスモデルが生まれ出、成長する絶好の土壌となる。」
とも、おっしゃった。
新車が売れない時期は、
自動車の使われる年月が延び、
アフターマーケットが拡大する時期でもある。
今、縮小しようとしている産業があるとするならば、
そのインフラをただの重荷とするか、新しいビジネスモデルを成し最大限に活かすか、
その選択と決断が必要な時なのであろうか、今が。

 

わが身を振り返れば、
今、何をすべきか。答えは明白だ。
今の時点において成すべきは
あらゆる、あらゆる面においての質の向上と、それを支える仕組みの確固たる構築である。
今まで育ててきたあらゆるものを確固たるものとして、
真に世の中に役に立ち、必要とされる存在となって行きたい。

 

今日はひょっとしたら最高の出会いであったかもしれない。

 

 

頑張るしかないね。ダルマさん。

 

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    谷 好通

    キーパーのルーツであり、父であり 男であり、少年でもある谷好通の大作、名作、迷作コラム。
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