谷 好通コラム

2009年01月23日(金曜日)

2119.生まれ変わったのかサラ金

私が最近、毎日読んでいるブログに面白いことが書いてあった。
「武富士が、不要になったメガネを集めて発展途上国に送る運動をしている。」のだそうだ。
そのことによって、
発展途上国のメガネが買えない近眼の子供が黒板の字が見えるようになり、
乱視や近眼の大人が、メガネが手に入ることによって生産が上がる。とある。
これは確かに送る側に負担もなく、
もらう側には非常に益があり、
非常に現実的で有効なボランティアであろう。
加えて、お金を送るだけの援助よりも、みんなが共感を持って参加できる有意義な運動だ。

 

私はしょっちゅうメガネを失う人間なので、
余分に持っているメガネなど一本もなく、参加できないのが非常に残念だが、
いいことを学んだ。

 

しかし武富士と言えば消費者金融の草分けであり、大手である。
私は消費者金融には決していい感情を持っていない。
ちょっとお金にだらしない人が、安易にお金を調達して泥沼に入っていく入り口であり、
弱い人間を堕落させる元凶ぐらいに思っていた。

 

その消費者金融も今は変わった。
法律で貸出し金利が規制され、
以前のように焦げ付きが出ることを前提とした二十数%もの高利で
たくさんの人にほぼ無差別にお金を貸し、
多重債務者という焦げ付きやすい人が借りる人に交じっていても、
高利と差し引きでそれなりの大きな利益が出る構造が変わったのだ。
だからTVCMでも「計画性を持って、お金を借りましょう」
つまり「ちゃんとお金を返す人にしかお金を貸しませんよ。」としきりに宣伝している。
取立てをどれだけ厳しくするかで利益の量が決まった昔ながらの高利貸しから、
気軽に借りられるいささか金利が高い程度の、個人向けの「金融機関」になったわけだ。
多くのサラ金はメガバンクに買い取られて、いわゆる金融機関に生まれ変わったのだ。
しかし武富士はCMでメガバンクの名を伴なっていないのは、
いまだ自立しているのだろうか。

 

私はそういうことに対してまったく知識がないまま書いているので、
無責任なことを言っているのかもしれないが、
少なくとも、あの武富士が素晴らしいボランティアを繰り広げていることは
驚きであり、ものすごく救われた思いがする。

 

企業は世の中のためになっていなければ、存在を許されない。
反社会的なことをして一時的にボロ儲けをしたとしても、
いずれは社会から抹殺されるか、
社会によって、役に立つ会社に生まれ変わらざるをえなくなるのか。
逆に、
社会から必要とされることを行っている企業は、
社会によって育てられ、社会から求められて成長する。

 

そんなものか。

 

今日の鹿児島。
見たかった桜島はもやで煙っていたが、
裾野部分だけでも、十分に迫力があった。

 

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