谷 好通コラム

2009年03月08日(日曜日)

2153.安くて、美味くて、手間いらず

今日は一日、日帰りで埼玉県を周る。
激変する業界の中でも、
関東は、マーケットが凝縮した場所で、
新しい時代がもっとも早く具現化しているところである。
色々なタイプの店舗を見て、私自身、非常に勉強になった。

 

やっぱり決まった所を見ていてばかりではダメだな。
ましてや会社の中にいたり、
パソコンの画面ばかりを見ていては絶対にダメだな。
今日はそうつくづく思った。
自分自身、少なくとも洗車・コーティングの世界では
最先端を行っているつもりでいたが、
そんなつもりでいたら、すぐに遅れてしまうだろう。
時代のスピードは実に速い。

 

それにしても、埼玉の街を走っていて改めて思ったのは外食産業の多いこと。
あらゆる食べ物のチェーン店がずらっと並んでいる。
いくら関東のマーケットが濃密であったとしても、
ここまで外食の店舗が多いとは、
家でご飯を食べる人はいなくなってしまったのであろうか。

 

一緒に回った鈴置君が言うことには、
「いえ、スーパーマーケットもすごく混んでいますよ。
出来上がったカツ丼や天ぷら、特に寿司などは飛ぶように売れています。」
「じゃあ、家で食事を作る人はいなくなってしまったのか?」
「そんなことはないでしょうけど、少なくとも少人数分なら材料を買って作るより、
もう作ってある料理を買ってきたほうが安く済みます。」
「ふ~~~ん、安くって、美味くって、手間いらずか。 なるほどね。」

 

そこで考えた。

 

今、世界不況のあおりを受けて
特に製造業においては生産調整のために週休3日とか、
下請けさんあたりでは週休4日なんてことをやっている。
月・火・水・木休み・金休み・土休み・日休み、
こんなこと年に数回ならば嬉しいが、毎週これでは暇で仕方ないだろう。
来月からだったか?土日の高速道路料金がどこまで走っても1,000円になるらしいが、
高速を走れば燃料もいる。
暇にまかせて日本国中を走り回るわけには行かないだろう。

 

「洗車」がちょうどいい暇つぶしなのだろうか。

 

快洗隊で今年に入ってから顕著になってきたのが
「洗車」の数も売上も減ったこと。
洗車台数で前年同月に比べて20~30%も減った。
手がけのコーティング「ピュアキーパー」がほぼ横ばいで、
新車、車検時に行うことが多い「ダイヤモンドキーパー」などの
高性能コーティングの売上は15~20%増えて、
先月2月はトータルで前年同月とほぼ同じ売上にとどまっている。

 

「車の艶を長く持たせるためのコーティング需要」は、
「車を長く乗ろうとする人が増えた」ことによって、まだ伸び続けているが、
店舗にとっての来店客数は、それとは別に、欲しいし、必要なものだ。
洗車が減ったことは痛い。

 

今月は、春の声を聞く三月であり、
1.2月の冬眠のような生活から、いよいよ繁忙期になってくれる期待の月が来た。
昨日と今日は、その最初の土日、
天気予報では日曜日に雨が降ることになっていたが、
今日の朝刊で「曇り」に変わっていた。
朝から快洗隊のみんなの期待が高まるが、来店客の数が伸びない。

 

グループリーダーの結城君が近所の「コイン洗車場」を見に行ったら、
列を作るほどに満員であったということだった。
「皆さん、自分で洗っているみたいです。」

 

一般の人の外食が増えて、
家で食べてもスーパーで買った出来合いの料理が多いのは、
「安くって、美味くって、手間いらずか。 なるほどね。」
じゃあ、洗車だって
「安くって、上手くって、手間いらず。」があればいいのか。

 

今日から、快洗隊では(まず直営店で)、「“快速”純水手洗い洗車」を始めた。
今までの「純水手洗い洗車」が20分で約2,200円。
それを純水を使っていることをメリットにした快速マニュアルを作って、
「“快速”純水手洗い洗車」として
15分で1,700円レベルの洗車に仕立て上げ、実施している。

 

これが、どれくらいのお客様からの反応があるのか。
まだ結果を分析するには早いが、楽しみである。
しかし、一つ懸念があるとするならば、
暇を持て余して「洗車を自分でやる人」には、これが通用するかどうか。
せっかくの暇つぶしを、
プロがやれば上手いと言っても、安いと言っても、
安くともお金を払ってまで「暇つぶし」を放棄していただけるかどうか。

 

商売とはお客様の心の動きですべてが決まる。
しかし人の心ほど解らないものはない。

 

「快速、純水手洗い洗車」の新しい作業マニュアル作りは、
店長会議から議論伯仲で、最後の最後まで決まらなかった。
こちらの都合だけで考えれば、マニュアルはいとも簡単に作れるが、
お客様が何を期待して、何をどう感じるのか、それを思いながら議論すると
いつ終わるか解らないほどの議論になったのだ。

 

商品作りは、お客様の心を考えなければならない。
今回は、それがゆえに、簡単であるはずのマニュアル作りに長い時間の議論があった。
それはそれで良かった。実に良かったと思っている。

 

 

話とはまったく別のこと。
埼玉の越谷で見た不思議な建物。
これはいったい何なのでしょう。

 

正解は「市のごみ焼却場」だそうです。

 

埼玉と言えば、快洗隊嵐山店。
ほんのちょっとの時間であったが寄って見た。
みんな元気で安心した。

 

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    キーパーのルーツであり、父であり 男であり、少年でもある谷好通の大作、名作、迷作コラム。
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