谷 好通コラム

2009年04月24日(金曜日)

2191.草ナギ剛はいい奴だと思う

「公然わいせつ罪」とは、何とも気の毒な罪名だ。

酒を飲んで裸になる奴はいっぱいいる。
何十万人、何百万人?といる。
しかしそれで逮捕され、極悪人並みに日本国中のさらし者になる人は少ない。
「裸になって何が悪い。」全くその通りだと思うのだ。

 

痩せ男がベロベロに酔っ払って、
公園の中で裸になっていても、
少なくとも男から見れば、
別にわいせつとは思わないし見たくもない。
その裸を自己の性的欲求を満たすために女性にわざわざ見せようとするのなら
自己本位な犯罪と言えるが、
見ようと思わなければ見えない所で裸になったって、
誰かが性的な屈辱を感じたり、耐え難い不快感を持ったりする人がいるのか。
そんなものは、わいせつでも何でもない。
ほっときゃいい。
そんなものに比べれば、
白昼堂々と、スカートをパンツすれすれまでに上げ、
わざわざ太ももむき出しにして、
群れを成して歩く女子高生たちの方が、よほど猥褻である。
私の知っている外国から来た人達は、
その光景に対して、異口同音に「あれは痛々しくグロテスクだ。」と言う。
同感だ。

 

酒は、理性を薄くするから、クヨクヨしている気持ちも明るくなるし、
判断力が鈍くなるから、細かいことを気にせず騒げる。
そんな理性が薄くなって判断力が鈍くなる状態だから、
凶器にも成りうる車には絶対に乗ってはいけないことになっているのだ。
そういう危険性がなければ
酒に酔って理性を薄くしたり、判断力が鈍くなってもいい。
それが気持ちの中にたまったストレスを発散させて、酒は社会的に貢献しているのだ。
だから「酒の上で」の言葉、行為は、
みんな承知のうえで寛容に考えてくれる。
しかしそれに甘えて、暴力をふるったり、
相手に怪我をさせたりするのは寛容の度合いを越え、犯罪と言えるが、
自分が勝手に裸になるぐらいは、いいではないか。
裸をわざわざ誰かに見せようとしたわけではなく、
ただ、なりたくて裸になっただけだから、
わざわざ、わいせつ罪などと言わなくてもいいではないか。

 

私はあまり大酒は飲まないが、
35年くらい昔に記憶が無くなるまで飲んだことがある。
酒を飲んで記憶が無くなることを「ブラックアウト」というらしいが、
この時、本人はあまり幸せな状態ではない。
苦しいし、気持ち悪いし、頭は痛いし、怒れるし、早くこの状態を脱したいのだが、
自分ではどうしようも出来ない。
眠ってしまえばいいのだが、
あまりにも気持ちが悪いと目をつむっただけで、世界がぐるぐると回って
余計に気持ち悪くなる。
そこまで飲み過ぎてしまった自分に対する自己嫌悪も激しい。

 

裸になりたくなる気持ちも、昔の実感としてよく分かる。

 

酒は働くお父さんたちの良き潤滑剤となるぐらい良いものなのだから、
それを、つい、飲みすぎてしまい、理性と判断力が弱くなり過ぎて、
多分、気持ちが悪くなりすぎて、
つい、裸になったぐらいで、
公然わいせつ罪とは、罰せられるべき罪の意味が違うのではないか。

 

私は会社の人達と飲んだ時、
「酒飲んで言ったことは、全部の酒のせいで、言う事、いい加減だからね。」と言う。
酒飲んだら、難しい仕事の話がまともに出来るほど、私は強くない。
酒飲んだら、みんなと騒いで、
いい加減なこと話して、笑い飛ばして楽しむだけ。

 

でも、つい飲み過ぎて、すべての自制心がなくなった時、
危険水域を越して飲みすぎてしまったら、
私もブラックアウトして、どこかで裸になることがあるかもしれない。
もし、会社の中の誰かが、飲み過ぎて、
どこかで裸になって公然わいせつ罪で逮捕されるとしたら、
「▽▲・・と、●・・×と、凸□・・、それと◎&・・も、有り得るな。」と指数えられる。
みんなとても仕事熱心で、
仲間思いで、優しく、いい奴ばかりである。

 

だから、草?剛はきっといい奴だと思う。

 

テレビで警察署から出る時、
憔悴しきった彼の表情を見て、
「あんな表情の草ナギ剛は初めて見た。」とワイドショーに出ていたお笑い芸人が、
彼の犯罪人としての一面を見たようなコメントを言っていた。

 

あれはそんなことではない。
ただの「二日酔い」だ。

 

飲みすぎた次の日は、二日酔いで本当にツライのだ。

 

 

日帰りの東京出張の帰り。
後ろにとんでもなく強いタバコを吸っている人がいて、
負けずにタバコを吸っても、
とてもかなわなず、煙くて咳き込みながらの喫煙車両にて。

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    谷 好通

    キーパーのルーツであり、父であり 男であり、少年でもある谷好通の大作、名作、迷作コラム。
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