谷 好通コラム

2009年07月31日(金曜日)

2270.東京に見る自分の狭い了見

先週に続いて今週も東京周辺に三日間いた。

 

「井の中の蛙」とはよく言ったもので、
世の中には自分の認識を越えた所に、
自分が持っている考えや可能性を越した存在があって、
いろいろと勉強になった三日だった。

 

「お山の大将」のごとく、
自分の狭い了見の中で天狗になっている自分が見えると、
恥ずかしさと同時にやってくる無力感に苛まれる時間がしばらく続くことがある。
やはり、東京は想像以上にスケールがでかい。

 

 

会社とはそれを構成する社員の持っている能力を
どこまで引き出すことが出来るのか、
それが会社全体の能力を決定し、
会社全体の発展と社会的存在の意味を決定付ける。
それには経営者の見識の広さと先見の明が必要であり、経営者の能力とも言える。

 

違う観点からいえば
自らの見識を広め、未来を感じ取る感性を磨き、
社員1人1人の仕事がより大きな成果を生み出す事業を構築し、進めることで、
社員それぞれの持っている能力が、
それぞれが思っている以上のものであることを、
それぞれの仕事の中に立証していく過程で示し、
それぞれの中にあった能力を解発するという形で固定していく。
その能力の集積が会社としての仕事の実現力となる。

 

経営者としての見識の広さと先見の明は会社としての能力であり、
会社の発展と社会的な存在意義を作り上げる基となり、
そしてそれを具体的に実現する能力、
すなわち社員1人1人の能力の集積の大きさを作り上げる決定的な要素とも言える。

 

この構造は自分でも良く理解し、
自分なりに実現してきたつもりであったが、
そこに壁があることに改めて気がついた。
それぞれの向上に連れて、
あるところで自己満足的に自信を持って、
自己解発的な向上をやめる「もう分かってしまった」状態になることだ。
それが想像以上の強固な壁になることに気がついた。
あるいはそうではなく、
解発すべき元が、あるレベルにないと、
自己満足的に解発をやめるのではなく、
本当にそこで止まってしまうものなのかも知れないということだ。
そこが会社の限界となるのだろう。

 

そしてそれは経営者の持っているレベルの限界につながる。

 

夢は大きく、しかも強く持ち、
持ち続ければ必ず実現する。と思い続けるが、
そこに肉体的限界と、自らの素の能力の限界が否応なしに覆いかぶさり、
必然としての限界が存在するのは間違いないだろう。

 

しかしその限界をどこに設定するのかは、
実は自分の中にあることも知っている。
限界を早め、低めに設定して
もう楽をするか?
しかし楽をするために生まれてきたのではないし、
楽をしても生きていることに意味があるとは思えない。
いまだ解発すべき部分が残っていることも分かっているのだから、やればいい。

 

しかし、あるレベルで分かってしまった人たちに、
どうしても必要とすべきレベルとはとうてい思えないのだが、
ひょっとしたら、そのレベルの集まりが、無理をしている者の一人足掻きよりも
実現力があるのかもしれない。
ひょっとしたらそうなのかもしれない。
だとしたら、その方が自らが目的としている志に近い方法なのかもしれない。

 

あるいは、自らの経営者としての限界を自覚し受け入れた上で、
その限界をはるかに超しているだろう存在に託したほうがいいのかもしれない。
いや、それはないだろう。
それから、もっと、頑張る。

 

この三日間でほとんど動けなくなってしまったひざを抱え、
より大きな存在と直接的、間接的に接する機会を多く経験した上で
わかってしまった人の限界を目の当たりにし、
自らの中の葛藤がいつになく増幅してしまった。

 

 

こんな時には現場に行こう。
現場にその答えがある。
現場にエネルギーの素があるはずだ。

 

一昨日行った快洗隊の新店、八王子店の新しい仲間たち。

 

 

相模原地区上溝店の中村店長。
彼のいつも背筋をピンと伸ばした姿勢は、見習うべきとこだ・

 

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    代表取締役会長兼CEO

    谷 好通

    キーパーのルーツであり、父であり 男であり、少年でもある谷好通の大作、名作、迷作コラム。
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