谷 好通コラム

2009年08月17日(月曜日)

2283.決勝、オッサンにしちゃあ上出来なのだ

ただ今、午後1時30分、あと二時間で決勝が始まる。

 

午前9時からの予選は、ゴルフGTI8台中6位。
タイムは2分12秒13。
自信があると言った11秒台には届かなかった。
意外にもみんなのタイムは上がらず、11秒台出れば3位とか4位となるタイムだった。
今年のタイヤは一回り大きくなり太くもなっているが、
タイムアップにはつながっていないようだ。

 

私の前に5台、後ろに2台、自分なりには、まぁまぁかと思う。
予選から決勝までの空白の4時間が長い。
今回のレースは富士スピードウェーの立派なピットの中に車が入り作業している。
F1カーが使うピットと同じピットで設備も居心地も最高。
ピットの中を風が通ってまったく暑くない。

 

私達のほかに、何年か前まで乗っていたカローラレビンAE111のレースや、
ロードスター、スターレットなど白熱したレースが繰り広げられているが、
あまり熱心に見る気がない。
レースをやる連中は、自分のレースには一生懸命だが、
人のレースには興味が無いのが一般的で、
日本でレースの文化が広く根付かない原因の一つかもしれない。
そう言いながらも、やっぱり見たいと思わないので、長い4時間をボォーっとしている。

 

・・・・・
では、また決勝が終わってから。

 

・・・・
・・・・・・・
・・・・・

 

 

ここから、レースが終わって次の日、月曜日の朝、書き始める。

 

 

ゴルフGTI8台中6位の予選ポジションでスターとグリットに並んだ。
グリット上で監督の畠中君より注意をされる。
一昨年のレースで、
せっかくいいポジションにありながら、
フォーメーションラップの時、暑さにクーラーを入れ、
スタート時にそのクーラーのスイッチを切り忘れて、
ごぼう抜きにされたあげく、大田中選手の車に激突したあの“愚”を繰り返さないように、
とにかくクーラーのスイッチを最初から切っておくように、チェックを受けているのだ。

 

 

やがて、ローリングスタートに向けてフォーメーションラップが始まる。
クーラーのスイッチはもちろん切ってある。
私は一つの決心をしていた。
スタート時に、横にいる一つ上位のポジションの車を
抜かないように注意を払うのをやめ、
とにかく目の前にいる二つ上位の車に集中して着いていこうと。
ペナルティを避ける考えをやめ、スタートで出来るだけ前の車を抜く決意をしていたのだ。

 

結果的にはうまく行った。
スタートをうまくダッシュして、
斜め前方の鈴木選手の車を第1コーナーまでにインから抜くことが出来た。

 

 

これで5位。
こんなことは初めてのことである。
前にいるのは、アグレッシブなレースをする萩原選手。
1コーナーから高速の2コーナーを抜け、
150km/hぐらいで後輪が微妙に滑りながらコントロールして回る100Rで、
萩原選手についていく。わずかだが間隔が狭まる。
私はハイスピードで不安定な車をコントロールするコーナーが大好きだ。
この100Rは後半、少しきつくなってそこが一番むずかしいところ。
まだタイヤが温まりきっていない序盤は特にコントロールが難しい。
その後半で、突然、萩原選手がコントロールを失い、
左に右に大きく車体が振られ、コースアウト。
ぶつからないように注意深く抜いて、
これで4位。

 

 

1周目が終わって、グラントスタンド前に出た時、
思わずガッツポーズをしてしまった。
1周で2台も抜けたのは初めてなのだ。

 

前方では2位と3位の車が2位争いで激しくバトルを繰り返している。
ストレートではスリップストリームに入られまいと大きくコースを移動して、
どうしてもタイムが落ち、私の車との間隔がジワッと迫る。
バトルの結果、勅使河原選手が3位のポジションとなり、
タイヤを消耗したのかタイムが上がらないようだ。
私は新しいセッティングでの走り方がちょうどよく、タイムがあまり落ちてこない。
5周目から8周目の間に勅使河原選手の車が私の目の前に迫る。

 

9周目、最終コーナーで追い詰めた。
しかしストレートでスリップに入る事ができず、
ストレートエンドで並びかけるが、インを固める勅使河原選手を抜くことは出来ない。

 

 

4位で最終の10周目に入り、コース内で抜くことは無理と判断。
そのままチェッカーフラッグを4位で受けた。

 

私にとって4位は上出来である。
このレースで新しい走り方を憶えたことは大きい。
今まで苦手だった比較的小さいコーナーで前輪のタイヤを傷め、
後半どんどんタイムが落ちる悪い癖が、
後輪タイヤを微妙にスライドさせて抜ける走り方が解決した。
今回はそのおかげで後半タイムが落ちず、あわや3位に上がる可能性すらあった。

 

レースが終わってからの冷たい水。
これが旨いのだ。

 

 

元気が出た。
おかげで思いっきり元気が出た。
レースが終わった後、お盆最終日で延々と渋滞が続く東名高速を5時間かけて帰り、
帰宅後は体の芯まで疲れたが、
翌朝、今は、不思議と疲れを感じない。
痛くなった膝も何故か軽い。

 

人間はやはり気力であるのか。
元気が出ると、何でも出来るような錯覚すら感じる。

 

 

レースではお世話になった大石さん、小林メカ、畠中君、ありがとうございました。
皆さんのおかげで、また、バリバリに元気になれました。

 

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    代表取締役会長兼CEO

    谷 好通

    キーパーのルーツであり、父であり 男であり、少年でもある谷好通の大作、名作、迷作コラム。
    読めば読むほど元気になること間違いなし。・・・の、はず。

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