谷 好通コラム

2009年11月26日(木曜日)

2361.いろいろ思ったこと、いくつか

[その1]
いったい日本航空はどこへ行くのだろう。
会社名義で日航の株を1万株も持っている。
一昨年270円/株の時に買って、今は87円/株なので、ざっと183万円の損になっている。
なんともはや情けないことなのだ。

 

日航の株を会社で買ったのには訳がある。
二年前、札幌に「快洗隊札幌店」が出来て、
札幌営業所のスタッフまで入れると計6人になった時、
年に一回全員が集まる新年会や、
年に何回か責任者会議で本社に集まる営業所長や店長の中部⇔千歳便の航空券代がかさむ。
とにかく中部⇔千歳便は値段が高いのだ。
通常料金だと往復で74,800円もして
成田⇔ロサンゼルスの格安チケット(6万円台)よりもはるかに高い。
だから当然、早割りなどを使うのだが、
年末年始あるいは観光客の多いシーズンは一切の早割がなくなって、
通常料金のみになってしまう。
お正月の全員集合だと、74,800×6人=448,800円の航空運賃ととんでもない金額になる。

 

一計を案じて「日航の株主になって、株主優待券をもらおう。」となった。
株主優待券なら時期に関係なく50%offで乗れるのだ。
たしか10枚くらいの優待券があったはずだ。
とすると、繁忙期でも74,800円÷2×10=374,000円の割引になる。
当時の日本航空の株価は270円/株だったので、一万株買って2,700,000円。
2,700,000円の元金に対して、374,000円の得になるならば、
利回りは13.8%となる。
それに誰か経済評論家が言っていた。
「日航は半官半民の会社であり絶対つぶれない。
それに270円/株にまで下がった株価はこれ以下に下がりようはない。
日航は今が買い時ですよ。」
なるほど、
そんな堅い株なら買って、なお、
株主優待券で利回り13.8%の節約が出来るとくれば、買わなきゃ馬鹿だ。
なんて思って、まんまと一万株を買ってしまった。

 

その結果、株価で183万円の損である。
わが社には「バクチに弱い」という伝統がある。

 

わが社はバクチに弱いので、
かつてマネーゲームの類は一度もやったことがなかった。
だからバブル崩壊の時も、
まったく影響なかったのだが、
「株主優待券」欲しさの日航株買いは、見事に失敗したのである。

 

なにより仕事は堅実なのが一番なのです。

 

 

[その2]
約二ヶ月間にわたってのキーパープロショップ研修会が、
あと2回の開催ですべて終わる。(はずだ)
かなりのハードスケジュールを組んで行った今回の研修会は、
正直くたびれた。

 

今年の五月に痛めた「ひざ」が、
このハードスケジュールで悪化するのではと心配したが、
その逆で、最近、まったく痛くなくなっている。
まだ歩き過ぎるとダメージが来て本調子ではないが、以前に比べればほぼ正常に近い。

 

なぜ良くなったのか。

この間、ふと気がついたのは「パッチ」である。
そう言えば、4月下旬暖かくなったのでパッチを脱いで
しばらくして「ひざ」が痛くなった。
そして、11月下旬、
寒くなってきたので、また「パッチ」を履くようになって、
じきに痛みがなくなった。
ということは、私は「パッチ」を履いていないと「ひざ」が痛くなることになる。
たまたまかもしれないが、
「ひざの痛み」と「パッチ」に相関関係を見つけてしまい、ちょっと憂鬱である。

 

 

[その3]
予算の「事業仕分け作業」がテレビでまるで「ショー」のように伝えられている。
スターのような民主党議員が、
バッサバッサと何十億円単位で予算を切り捨てていくのは、
多くの国民には痛快だろう。
この作業を支持する人は88%以上だとテレビが言っていた。

 

国全体の借金は約800兆円、国民一人当たり700万円の借金だとすると、
子供2人の夫婦だと2,800万円の借金を背負っていることになる。
国の借金だから市民には関係ないと思うのは大間違いで、
今後、市民一人一人が税金という形で、きちんと借金を払っていくことになるわけで、
少子化で少なくなった将来の市民が過酷な借金払いをまともに体験することになっていく。
自分たちの子供のことだ。

 

そう考えると少しでも予算は節減する必要はある。

 

しかしそれにしても、
乱暴なやり方であるようにも見える。
しかし新しいことをやるには、乱暴であることすら必要なのか。

 

しかしそれにしても、
引退して天下りした役人の独立法人などでの年収の高さにはびっくりする。
一千数百万円以上が当たり前なのは一般市民とは別世界のことである。
わが社の給料、報酬が安いのか・・・
そんなことはないはずなのだが・・
そんな人が何千人、何万人いるかと思うと、ぞっとする。

 

たとえば、
ほとんど車が走っていないガラガラの高速道路を6,000億円で作るとすると、
借金2,800万円を背負って、それを自分の子供払わせなければならない四人家庭が、
一家族20,000円ずつ、
金利まで考えれば40,000円くらいを追加で払うことになる。
2,800万円と言う借金まみれの家庭が、
自分の子供にその借金を払わせなければならないことを分かっていて、
なお借金を積み重ねるか。
もし、そんな親がいるとしたら“鬼親”のそしりを受けることになるだろう。
そんなことを考えると、不要不急の事業を廃止して
予算の隅々から無駄をなくすことは、やるべきことの筆頭なのだろう。

 

しかしそれにしても、
「角を矯めて牛を殺す」のことわざのごとく、
日本の根本的な活力を削いでしまうような分野での予算カットは、
目先のことに惑わされて、将来に取り返しのつかないことにならないか心配である。

 

 

[その4]
日航と言えば、
政府の公的資金の投入の条件として企業年金の減額を日航に求めている。
企業年金の運用利回りを下げるだけと言われれば、たしかにそうだと思うし、
日航OBの年金受取額が平均45万円と聞くと、
結果的に公的資金がそれに使われることになれば、
「そりゃないぞ」と割り切れない気持ちもある。
しかし、企業年金とは、給料、退職金の積み立ての分割払いなのだから、
それを減額するのはおかしいと言われればそうだとも思う。

 

しかしそれにしても、
日航のスタッフも泊まっていたホテルで、
朝、私が空港へのマイクロバスが出るのを待っている時、
その脇をスチュワーデスさんたちがタクシーに乗って空港に向かうのを見ると、
この人たちのほうが偉いんだなと思い、
機内で笑顔をふりまかれても、妙に割り切れなかったことを思い出す。
世界一高いと思われる航空運賃で、なんで、赤字になるのだろう。
エリート意識で固まった経営感覚は、もう助ける余地はないかとも思う。
しかしそうなると、
わが社が持っている87円/株まで落ちた日航株はゼロ円になってしまう。
それはまた困るな。

 

 

[その5]
今日のテレビで
「チャンスは与えられるものではない。自分でつかむものだ。」と言っていた。
つくづくそうだと思う。
与えられたチャンスは、
それをチャンスと気がつかない者が多い。

安易にお金を貸すことを「罪作り」と言うが、
チャンスを与えることも結果的に「罪作り」になることが多い。
すべてと言ってもいいか。
チャンスは自らが作り出すもの、あるいは自分の手でつかみ取るもの。
そういうチャンスしか活かすことは出来ないのだろうか。

 

 

[その6]
有ることが当たり前になると、
それが無くなった時、なぜかみんな被害者になる。

 

 

こんなことをダラダラ書く今日の私は、ちょっと気持ちが不健康なのかもしれない。
こういう時もある。

 

 

 

そろそろ年末の雰囲気がやってきている。

 

 

ただいま企画製作課、大車輪。

 

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    代表取締役会長兼CEO

    谷 好通

    キーパーのルーツであり、父であり 男であり、少年でもある谷好通の大作、名作、迷作コラム。
    読めば読むほど元気になること間違いなし。・・・の、はず。

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