谷 好通コラム

2010年01月25日(月曜日)

2410.人の悪口、蜜より甘い

朝のバラエティーショーを朝食を食べながら見ることがある。
最近は民主党小沢幹事長の資金問題が一番のテーマになっていて、
バラエティーショーの司会者が正義の味方になって、
「悪」に対して集中砲火を浴びせている。

 

自分は視聴者の代表であり、政治に対してはいつも「被害者」である立場だ。
「われわれ庶民の生活が苦しいのに政治家は莫大な金を私物化している。
その金の元をただせばわれわれ庶民の税金ではないか。けしからん。」
この一点である。
言ってみればこれはスキャンダルであって、政治の本筋の話ではない。

 

もちろん、これはこれで捨て置くべき問題ではない。
たとえば4億円の賄賂が発生していれば、
その賄賂の代償、すなわち公共事業から発生する不当な利益は、
賄賂の金額の何十倍かなのであろう。
だとすれば、4億円の問題ではなく100億円の問題なのかもしれない。

 

しかしあえて言えば、
政治が論議すべき国家の予算は百兆円に近い規模であり、
百億円/百兆円とは、1円/10,000円となる。
今、1万円の話をしなければならない場で、
1円を誰かがインチキして取ったことばかりに話が終始しているのは、
何か滑稽な情景であると私は感じる。

 

それはそれで事件としてしっかりと調べ、
罰すべきは罰すればいいとして、
国家の行方と国民の生活の方向を決める予算の論議を、
国会や国民は徹底的に議論すべきではないか。
最も重要なことをそっちのけにして、
「1円を誰かが取った」というような話ばかりしていると、
肝心なことがおろそかになって、
国民の集合体である国家の力が弱くなるばかりで、
ただでさえ相対的に力が弱くなっている日本が本当に心配になってくる。

 

一流の芸術家のその作品よりも、
その人の私生活にばかり興味を持ったり
下卑た三流雑誌のスキャンダル話のような話題ばかりのバラエティー番組は、
その場の視聴率は稼げても、
人々のためにはなりそうにない。

 

悪は悪として糾弾されるべきであろうが、
そんなことばかり言っているのは、
「人の悪口、蜜より甘い」の一億総白痴化でしかない。

 

民主主義の国家においては、
私たちを含めて国民は誰一人として国家の被害者なんかではない。
私たちすべてが国家の主権者であり、
一人一人が国家を考え、人類を考えるべき主体であるのだから。
主体たる者は、受動であるべきではないから主体者であって、
だから、被害者ではあるはずがないのだ。
被害者的な発想からは建設的な考えが出てくるわけがない。
久しぶりに朝のバラエティー番組を見て、暗鬱な気分になった。

 

 

今日は東京。
隅田川沿いから見た夕日が輝くオレンジ色であったから、
明日も、晴れなのだろう。
みんなの張り切る顔が思い浮かぶ。

 

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    キーパーのルーツであり、父であり 男であり、少年でもある谷好通の大作、名作、迷作コラム。
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