谷 好通コラム

2010年02月20日(土曜日)

2429.身につまされる思いで

一昨日書いた事故の話に対してご批判をいただいている。
その中でも話がリアルすぎて故人のご家族がこれを読んだら気分が悪いのではないか。
という内容のご批判がこたえた。
たしかにそのとおりで、
「そっとしておいてくれ」と言われれば、返す言葉がない。
しかし、ご批判を承知であえて書いたのは、
同様の事故の再発を少しでもなくしたいという気持ちに尽きる。

 

ガソリンスタンドだけでなく、
たとえば私たち洗車コーティング業の店舗においても危険な場面は多い。

 

快洗隊ならば、
スタッフが運転して店舗内で車を移動する場合、
バックの時には必ず他のスタッフによる「誘導」「オーライ、オーライ」を義務付けている。
誘導は事故がないようにと行っているものだが、
逆に誘導をしているスタッフの危険を感じることが多くある。

 

特に後ろで誘導しているスタッフが、車と壁の間に入って、
迫ってくる車に挟まれそうになりながら、
「オーライ、オーライ」とやっている。
それも大きな声ではない。
しかも、挟まれる寸前で「ストップ」と声を出せばまだマシだが、
オーライオーライと言うのをやめることで「止まれ」の合図だと思っているのか、
まともに「ストップ」と声を出さない者までいる。
そんな場面を見た時には、
「バカかっお前は、そんなことやってると死ぬぞっ」と
血相を変えて本気で怒鳴る。

 

ゆっくり動いている車でも、車は十分に人を殺せる。
壁に人間を挟んで少し動けば、人間はたやすく死ぬだろう。
その恐ろしさを忘れてはならない。

 

車は、運転者の意志どおりに動くとは限らない。
運転手は自分の意思どおりの運転が出来るとは限らない。
あるいは、外で誘導する人の意志が、運転している人に伝わるとは限らない。
車は予期せぬ動きをするものなのだ。
それを前提に、私たちは車をとらえなければならない。

 

動いている車の前に立たない。
後ろに立たない。
誘導する場合、車がどんな動きをしても逃げることが出来る場所に立ち、
運転する人にはっきりと分かる大きな声で、明確な言葉を発しなければならない。
事故は「いつものように」の「慣れ」が呼び起こすことがある。

 

仕事は、身の安全が確保されてすべてが成り立つ。
怪我をしたり、ましてや命を落とすことが、
自分だけでなく、家族の苦難を含め、多くの人にどれだけの悲しみを与えるのか。
当たり前のことを、当たり前のこととして、当たり前にやっていると、
そこな大きな落とし穴が待っていることもあります。

 

 

その上で、
もう一度皆さんに提案したい。
フルサービススタンドで、
給油後のお客様を店の出口から道路に誘導することをやめませんか。

 

道路への誘導は、
お客様にとても嬉しいと思っていただける時もある。
親切であると思っていただくこともある。
しかし、お客様にとって「おせっかい」でしかない場合も多いのです。
自分の判断ならば道路に出られたのに、
誘導のスタッフが車の前を塞いで出られなかった時に特にそう思います。
それよりも大前提として、
安全運転はすべてドライバーの責任で行われるべきであり、
第三者が指示するものではないと思うのです。

 

そして今日はじめて知った事実、
加害者の運転手は、実は酒を飲んでいたのだそうです。
酔っ払い運転の車の進路に身をさらしてしまった結果の悲劇だったのです。
悔しさが一回り大きく膨らんでしまいました。

 

今回の事故、事件は、故人にはまったく過失はない。
SSマンとして当然のことをしただけだ。
加害者の憎むべき犯罪行為にすべての責がある。
その上で、
これを教訓として、
今後私たちは自己を守るべきことを実行すべきと思った。

 

 

今日、無念にも亡くなられた娘さんの葬儀に出席してきました。
ご家族のあまりにもの悲しみは筆舌に尽くせないもので、
多くの若者を預かる者として、身につまされる思いでした。

 

 

 

また昨日は熊本に行き、たっぷりと話をして
フルサービススタンドの未来に光を感じてきました。
今回の悲劇を解決する効果的な方法でもあります。
また、しっかりと考えをまとめて書いて行きたいと思います。

 

 

昨日の熊本から福岡に入り、
朝一番の飛行機で愛知に戻って、
葬儀に出席し、
それから東海北陸道で富山に向かった。
ひるがの高原を越すと、突然、景色が雪景色になる。

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    代表取締役会長兼CEO

    谷 好通

    キーパーのルーツであり、父であり 男であり、少年でもある谷好通の大作、名作、迷作コラム。
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