谷 好通コラム

2010年08月04日(水曜日)

2569.誰だって被害妄想モードに陥る時がある

昨日もブログの文章は書いたのだが、アップしなかった。
書いた文書を読み返すと、自分が被害妄想モードに陥っていると思った。

物事を進めるに当たって自分の思った通りに進むなんてことはある訳がないのに、
自分の思い通りに行かない理由が、誰かのせいだと思い始めると、
自分が一挙に被害妄想のモードに落ちていく。
そんな時に出てくる言葉は、直接的、間接的に誰かに対する非難の言葉であり、
書いている時は、完全に自分に正当性があるように思え、
誰もが自分勝手な人ばかりのように思えて、
自分はそんな人から害を被っているように思えるのだ。
いわゆる被害妄想である。

 

そのモードからはそう簡単には抜け出せない。
被害妄想モードに陥って書いた文章は相手のことをまったく思いやっていないので、
そんな文章を相手に送ったりしたら、たちまち信頼を失うこと間違いなしだ。
相手のことをまったく思いやらない気持ちとは、
すなわち自分勝手な気持ちであって、
相手を自分の都合で加害者に仕立て上げる気持ちに他ならない。
勝手に加害者に仕立て上げられたら、誰だって気分のいいものではない。
信頼関係とはお互いがお互いを思い合う気持ちなので、
その人を信頼せずその人を加害者だとするような相手への信頼を失ってしまう。

 

自分の頭の中で、
自分が被害者であるように思え、誰かが加害者であるように思えたら、
それは何かの拍子に自分が弱くなっているだけの一時的な妄想であるから、
早く忘れたほうがいい。

 

こんな症状は誰もが経験のあることであって、
ほとんどの場合は自力で解決できるか、忘れてしまう。

 

しかし被害妄想が、妄想であるだけに
その中に落ち込んでいく自分を止められないと、
本当に病気になることもある。
“うつ”の病気にかかった人が、初期において被害妄想に陥り、
憎しみと恨みと、実は恐怖と孤独で眠れなくなると聞いたことがある。

 

頭のチャンネルが被害妄想モードに入ってしまうことは誰でもある。
それ自体は人間が弱い存在なのだから、当たり前のことであって、
こんなにたくさんの人に支えられて恵まれている私だって、そういうことはある。
しかし、そういうモードなっている自分に気がつくことが肝心で、
そういうモードになっている自分を認めた上で、
気がついたら、
みんなと酒でも飲んで、騒いで、笑って、
実は自分がみんなのことが大好きであることを思い出すことだ。

 

簡単である。実に簡単である。
朝、眠りから覚めるのと同じで
自分でえいやっと起きればいいだけのことだ。
自分を被害者にしているある種の自虐的快感から、目を覚ますだけのことだ。
あえてみんなと、酒でも飲んで、騒いで、笑って、
実は自分がみんなのことが大好きであることを思い出すことだ。

 

こんなに恵まれていて、図太くて、無神経そうな私にだって被害妄想の経験はある。
信じられないかもしれないが、私だって孤独にさいなまれることもある。
こんなに恵まれているのに。

 

 

富士山は大好きだが、一人ぼっちでかわいそうに思うこともある。
飛行機から「槍ヶ岳」を見て、
たくさんの山に囲まれ天に向かってとんがっている姿に、
身震いするような感動をしたことがあった。

 

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    谷 好通

    キーパーのルーツであり、父であり 男であり、少年でもある谷好通の大作、名作、迷作コラム。
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