谷 好通コラム

2010年09月03日(金曜日)

2602.また一つ、特許が登録された

今日は久しぶりに一日中、東京で開発の仕事をしていた。
屋外でのテストはやはり暑いが、みんなで一緒にやっていると、
気持ちが集中して、それほど暑さも感じない。
(それでもやっぱり暑いか)

 

開発のためのテストをやる時は、私はいっさい手を出さない。
準備も、後片付けも、何もしない。
傷んだ膝がまだ完全ではないのでなるべく動くことを控えていることもあるが、
手を出してもほとんど役に立たない私が手を出すよりも、
私は全力で考え、テストの結果がどういう意味なのか、なぜその結果なのか、
どうすればいいのか、行き詰った部分をどう突破すべきなのか、
イメージを自由にし、発想を変えて、
次の手を一生懸命、まとめ、考える。

 

自分のすべきことをせず、
みんなに対してかっこ悪いから手伝ったとしたら、
それは自分のためであり、自分を含むみんなの目的とは合致しない。
私は、目的に対して私が一番出来ることを、全力ですべきなのだ。
みんなのために、会社のために、協力者のために、お客様のために。
今日のテストは非常に上手く行った。
次の段階に進む手筈も今日のうちにつけることが出来た。
今、開発中の「○○無○○○○」は、ちょっとすごいのです。

 

 

別件で、
昨日の夕、事務所に嬉しい知らせが届いた。
また一つの特許が審査を通って登録されたのだ。

 

何年か前に申請した特許が、
「審査請求」の猶予期間いっぱいを経て審査を受け、
その審査が無事通って、正式に特許として登録されたのだ。

 

これは、手洗い洗車の時に使う「泡」を作るためのケミカル「パワームース4」と
撥水コートのケミカル「べースコート2」に関わる特許。

 

パワームース4は、洗車に使う「泡」であり、
人間が頭の毛を洗うシャンプーの材料である「両性界面活性剤」を使っている。
(超安全かつエコ。)
一方、ベースコート2は、
一般的な撥水コートに使われている「アミノ変成シリコン」を、
「マイクロエマルジョン」という特殊な状態にしたもので、
その仕組み自体は他社のものと大きくは変わらない。
違うのは、それを水に溶かし込むために使う「界面活性剤」を、
洗車のための「泡」と「同じ両性界面活性剤」を使っていることだ。

 

すると、「泡」で洗車をした後、
普通ならば「泡」を「水」でよくすすぎ落としてから「撥水コート」を掛けないと、
界面活性剤が邪魔して「撥水コート」が車のボディに“密着しない”のだが、
「パワームース4」と「ベースコート2」は、
まったく「同じ両性界面活性剤」を組み合わせているので、
「泡」を「水」ですすぎ落とすこと“なく”、
「泡」の上から「撥水コート」である「ベースコート2」を「そのまま掛けても」、
「撥水コート」の成分である「アミノ変成シリコンの被膜がきれいに乗る」のだ。

 

「撥水コート」を掛ける時点でまだ「泡」が乗っているので、
掛けられた「撥水コート」は、界面活性剤の「レべリング効果」で、
「ムラなく均等に」乗せることが出来、「非常にきれいな撥水コートの被膜」になる。
もちろん、「泡を水ですすぎ落とす手間も省けるし、節水にもなる。」

 

撥水コートを掛け終わったら「強い水圧ですすぐ」と、
泡に混じっていた「汚れも飛んでしまう」。

 

この仕組みを何年か前、
ちょうど快洗Jr.1を発売したと同時に特許として申請し
やっと正式に登録された。

 

「泡」と「撥水コート」の分散に「同じ両性界面活性剤を使う」とは、
一見シンプルな特許に見えるが、
なぜそうなるか。その製法。どう使うのか。などなどを書くと
楽に原稿用紙30ページ以上になる特許。
独自性のある製品は、アイデアとそれを実現するための並大抵ではない開発と技術。
それがすべて揃わなくては実現しない。

 

 

しかしこの特許に書いてあることをそのまま真似しても、
パワームース4もベースコート2も造る事は出来ない。
誰でもが閲覧することが出来る特許には書いていない秘密があって、
そう簡単には製品は出来ないようにしてある。

 

ケミカルの特許は、
これをやっておかないと、
真似されても、なかなかそれを立証できないので、
真似されないように、防御策としてちょっとした秘密の仕掛けをしておくのが普通だ。

 

申請した特許、実用新案、意匠登録などは20を超える。
正式に登録されたのが13件くらい。(ちゃんと数えたことがない)。
それでも異議申し立てで潰されたのが1件。
審査で拒絶されたのが3件。(これははっきり憶えている)
審査中2件。申請中で審査請求猶予期間にあるのが3~5件くらいか。

 

不謹慎とは思うが、
これらの特許などは
すべてお酒を飲んでいる時に思いついたアイデアが発端で出来た。

 

なぜそうなのかは、また明日、ぜひ書きたい。

 

 

東京に向かう新幹線の中。

 

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    代表取締役会長兼CEO

    谷 好通

    キーパーのルーツであり、父であり 男であり、少年でもある谷好通の大作、名作、迷作コラム。
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