谷 好通コラム

2010年09月07日(火曜日)

2605.とんでもないことになっちまった

 

ゴルフGTIカップレースでは、
シリーズで成績が良かったドライバーをドイツのGTIカップに招待する制度がある。
ここ何年かは、常勝の浜崎選手が連続してドイツに行っていたが、
同じ選手ばかりでは、ということで、
今年は、浜崎選手には辞退してもらって、
他の人がドイツに行くことに決まっていたらしい。

 

GTIカップレースのシリーズ4戦の内、3戦が終わった時点で、
ゴルフ6クラスの
浜崎選手が1位2回、2位1回。
畠中選手が1位1回、2位1回、4位1回で、
現在、畠中選手(H.オサム)がシリーズ2位につけており、
GTIカップシリーズを主催している「COX」から、
畠中選手に対してドイツに招待する旨、内示があった!
ドイツで行われている「シロッコRカップ(今年、GTIカップから変わった)」の
ホッケンハイムリンク戦に、招待選手として畠中選手が参戦するのだ。
ただでドイツに行けて、
ただでシロッコRカップカーを貸してもらって、
ただでメンテナンスをやってもらい、
ただでタイヤを支給してもらえる。
体ひとつとヘルメットなどを持っていけば、
オールただでシロッコRカップレースに参加できるのだ。
最高である。

 

しかし、このことは先の富士スピードウェー戦において
畠中選手が2位に入った時点である程度は予想されたことだったので、
「お~~、やったなぁ~~、行くんだな。」ぐらいなのだが、
この話には、とんでもないオマケが付いていた。

 

中国でも「シロッコRカップ」がシリーズで開かれており
そのレースの「上海サーキット戦」に、
日本のGTIカップシリーズにゴルフ5で参戦していて、
現在、ゴルフⅤクラス、シリーズランキング2位の谷選手が、
招待されると言うのだ!!

 

谷選手とはもちろん私のことだ。(自分で言うのもなんだが)
まったく予想していなかった事でびっくり仰天。

 

「えつ、なんで俺が上海にレースしに行くの?」

 

ゴルフ5クラスにはシリーズ1位の勅使河原選手がいるが、
彼はバイクレースでの事故で下半身が不自由になり、車椅子生活をされており、
彼用に改造された特別製のゴルフ5でレースに参戦している。
だから、上海のレースにはゴルフ5クラスから選ばれて招待されるとしても、
彼の特別製のゴルフ5を持っていくことも出来ず、
持って行ったとしても、今年のレースは「シロッコ」で戦われているので参戦できない。
そこで、2位の私に上海招待のチャンスが回ってきたわけだ。
上海のレースへの招待が、
ゴルフ5クラスから選ばれること自体を知らされていなかったので、
本当に驚いた。

 

「ドイツ」のレースが10月16、17日で、
「上海」のレースは10月23、24日のスケジューらしい。
二週続けてである。

 

10月の半ばは、すでにキーパープロショップ研修会が始まっており、
その時期にお互いがお互いのレースに付き合うとすると、
二週連続で週末の4日間くらいを休むことになってしまう。

 

しかし、こんなチャンスはもう一生ないだろう。

 

「とんでもないことになっちまったなぁ」と考え込む。

 

こんな時はいつも
「日程をギチギチに詰め込めば、何とかなる。」でやってきた。
今回も、必死こいて、何日か徹夜するつもりでやれば、
なんとかなる。

 

で、結局、行くことにしてしまった。
そういう話になってから改めてゴルフGTIカップレースのホームページを見たら、
第一戦の岡山戦のトップページが私の車になっていた。(照れる)
http://racing.volkswagen.co.jp/gticup/2010/result/01.html

 

 

 

「シロッコR」とは、フォルクスワーゲン・ゴルフの3ドアのスポーツタイプ車で、
重心が低くてなかなかかっこいい。
日本で売っているシロッコRは、2,000ccの四気筒ターボで、
同じ2,000ccの四気筒ターボのゴルフGTIよりもターボのブースト圧が高く、
馬力も50馬力ほど高く、いかにも速い車だ。

 

 

「すごい車で走れるんだ。」
と、思ったら、
ドイツのレースに使うシロッコRは、
CO2削減のために天然ガスで走るエンジンになっていて、
日本のGTIよりも、むしろ馬力は少し控えめのようだ。

 

中国・上海でのシロッコRは、
なんと1,400ccのTSIエンジンで、
直噴ターボチャージャーとスーパーチャージャーのツインチャージャーだが、
省燃費車エンジンとして、ゴルフのおとなしいタイプに積んであるエンジンだ。
たしか160ps程度しかないエンジン。

 

日本のゴルフGTIの205psよりかなりパワーが低く、少し寂しい。
でもこれならパワーに振り回されることもないだろう。

 

しかし、
私達にとって最大の難問は「左ハンドル車」であること。
左ハンドル車は、今までほとんど乗ったことがない。

 

そしてもちろん、
ドイツのホッケンハイムリンク、
そして上海の上海サーキットは初めてのサーキット。

 

初めてのサーキットを、
初めて乗る車で、
しかも、
初めての左ハンドル車で、
決勝前日の30分間の練習と、当日いきなり15分の予選、そして決勝。

 

これは、とてもまともに走れるとは思えない。
とてもレースなどできっこない。

 

そんなことを考えていくと、
つくづく、
とんでもないことになっちまった。のである。
しかし、勝手に湧き上がるこのワクワク感は抑えるべくもない。

 

なんとかなるさ。

 

 

ドイツへ行く畠中選手。

 

 

しかしそれにしても
なぜか「上海蟹」のドンピシャリのシーズンに、
上海サーキットからご招待があったのは、
神様が私に「上海蟹を食え」と言っているのだろうか。

 

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    キーパーのルーツであり、父であり 男であり、少年でもある谷好通の大作、名作、迷作コラム。
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