谷 好通コラム

2011年01月14日(金曜日)

2702の続き。日本海側と太平洋側

新潟空港からの飛行機が欠航になりそうだったので、
急遽、空港からJR新潟駅に引き返し、上越新幹線と東海道新幹線で静岡に行った。

 

実は、当初の予定では、
はじめから上越新幹線で東京駅まで行って、
東海道新幹線の「ひかり」に乗って静岡に行く予定だった。

 

なぜかといえば、
私は、小牧(名古屋)空港⇔新潟のJAL便が無くなって、
新潟に行くにはもう飛行機は使えないと思い込んでいたので、
新幹線を乗り継ぐ方法を当たり前のように選択していたのだ。

 

ところが、途中から合流して新潟に同行していた畠中君が、
ANA便で新潟空港から中部空港に帰ると聞いて、初めて、
新潟⇔中部と新潟⇔小牧(名古屋)便が、現在も存在していることを知った。
私が、新潟に飛行機で往復する事は出来ないと思い込んでいたのは、
倒産したJALの再建案の中で、
不採算路線として新潟⇔小牧(名古屋)が廃止されると報道で知っていたからだ。

 

新聞はそういうことはセンセーショナルに取り上げるのに、
その路線が(たしかFDAとの共同運航便として)復活していることや、
ANAで中部⇔新潟便が出来たことも、大きく報道しないのは本当にイカンと思う。
一般の人が不便になるような事がある時には被害者的に書きたてるくせに、
便利になるような嬉しい事は、おざなりにしか報道しないのは、
人々のためになっていない。
そう思った。
ただ単に私が知らなかっただけなのかもしれないが、
新潟便が存在していたことを知らなかった自分が腹立たしいこともあって、
そんな風に思った。

 

もう一つ思ったこと。
「冬」は、日本海側と太平洋側とでは、あまりにも環境が違うことだ。

 

飛行機が欠航するほどの吹雪に苦しめられている新潟を、
新幹線に乗って東京に向かって上越新幹線「越後湯沢駅」までは、
あたり一面の雪景色。
しかし今日の越後湯沢は吹雪がぴたりと止まり、
青空が遠くの雪山を浮き上がらせていた。

 

 

ところが、長い長いトンネルを抜けて高崎まで来たら、
もう全く雪などどこへ行ったのかと言うほど雪がない。
その景色は信じられないほどの激変振りなのだ。

 

それから東京までは、時間につれてどんどん都会になっていき、
数十分で世界有数の大都会の真ん中に到着する。

 

そこから東海道新幹線「ひかり」で約一時間、静岡は暖かかいくらいであった。
静岡駅に到着する数分前、
富士山が今日もその雄姿を誇らしげに見せる。

 

 

冬季、日本海側と太平洋側がまるで別の世界であることを、
新幹線を乗り継いで連続的に地面と空を見ていると、本当に不思議な思いがする。
越後湯沢前後の長いトンネルで景色が転換してしまったので、
本当の意味で連続的ではなかったが、それでも、不思議な思いがしたのは事実だ。

 

私達は日本国中で活動をしているが、
狭い日本であっても、こんなに違う環境があるのに、
同じ製品を同じ施策で活動するのは間違っているなと強く思ったのだ。

 

季節的な環境ですらこんな違うのに、
人はそれぞれ育った環境や、置かれている環境がまるっきり違うのだから、
それをよく承知し、すべてを受け入れる認識を持たなければならない。
つくづくそう思った。

 

 

静岡から三河安城の駅に向かう新幹線は夕日を追う時間になっていた。

 

会社に帰ったら、
いただいた「花」が、みんなが見えるように事務所入り口の正面に飾ってあった。

花は誰もが愛する共通の美しさ。

 

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2011年01月14日(金曜日)

2702.新潟⇒中部空港、雪のため欠航

朝9時35分発、新潟から中部空港に飛ぶANA便が、
雪の為に、欠航になる可能性が高く、
飛んだとしても、新潟空港の除雪作業が「昼」までかかるので大幅に遅れるとの事。
だから、急いで新潟空港からJR新潟駅に向かっている。
上越新幹線で新潟駅から東京駅に出て、東京駅から東海道新幹線に乗るためだ。

 

雪にあまり慣れていない私達は、
朝起きた時点で雪の降り具合を見て
「これは、飛行機は飛ばないな」と思うような習慣がない。
何も考えずに空港まで来てしまった。

 

雪で飛行機が欠航するのは、
その空港の滑走路の除雪が進まず、
使用する機体が空港に降りられなくて、欠航する場合と、
滑走路の除雪作業は終わっても、
雪で視界が妨げられ、
つまり「滑走路が見えない」ので降りられないからの場合がある。

 

使う飛行機がその空港に到着していて滑走路の除雪が終わっていれば、
たいていの場合、飛行機が離陸することはできる。

 

滑走路にかなりの風が吹いていても、
少々視界が妨げられていても、
飛行機は飛んでしまえば何とかなるものなのだ。

 

先日も、中部空港から福岡に飛んだ時、
海の真ん中に人口島にある中部空港は、強風で、
空港を囲む岸壁に高い波が打ち付けられ、波しぶきが滑走路にまで届いていたが、
乗っていたプロペラ機は平気で飛び上がった。
少々怖かったが、飛び上がってからはそれほど揺れることもなく問題なかった。

 

飛行機は離陸するよりも、着陸のほうがはるかに難しい。
離陸は、飛び上がってしまえば
あとは何の障害もない自由な空間が広がっているだけだが、
着陸は、自由な空間から、
固定されている狭い滑走路にぴたっと降りなければならないから自由度は全くない。

 

着陸の障害になるのは、風もそうだが、
これはかなり強い風でも、パイロットの腕でコントロールできる。
しかし「視界」はそうは行かない。
見えなければ、パイロットも腕の振るいようがないのだ。

 

現代の飛行機はレーダーの性能と操縦の自動化が進み、
空港の誘導装置も発達していて、
ほとんど自動操縦で着陸まで出来るのだが、
実際にはすべて機械任せで着陸しているわけではない。
やはり人間の「目」で状況を確認しながら、機械の動作も確認しながら、
パイロットの意志で飛行機を着陸させている。だから私達も安心なのだ、

 

それぞれの空港では「視程距離○○m以下の場合は着陸不可」と決められていて、
厳格に着陸の可否を決定している。

 

 

今日の朝、ホテルから外の雪の様子を見ただけで
「今日の朝の飛行機は、飛ばない可能性があるな」と、
とっさに判断して、速やかに、
他の移動手段の手はずを講じることができるようになったら、
「出張の達人」と言えるかもしれないが、

 

私達は、どうも、
「まだまだ」であるようだ。

 

 

しかし、予定に十分間に合う新幹線に乗ることはできた。
空港での判断が速かったことが良かったのだろう。

 

私達は「まだまだ」ではあるが、
「なかなか」でもあるのだ。

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