谷 好通コラム

2011年03月03日(木曜日)

2732.一つの人生の中に文明のターニングポイントが来る

生物が進化してきた過程には、
環境に適応できずに滅亡した生き物の種とか、
競合に負けて滅亡した種が、
今ある現存の生き物の種の何千倍、何万倍、
ひょっとしたら何億倍もあったのだろう。
現存する生き物は、今現在の時点で、勝ち残った勝者たちである。

 

環境に適応したり、競合に勝ち、生き残るには、
新しい環境に適応するための進化が必要であるし、
新たに出現した競合に勝ち抜くためには、新たな力を身に付ける進化をせねばならない。

 

※ 以下「Wikipedia」の資料を参考に

 

[約139億年前]
ビッグバンにより宇宙が誕生した。

 

[約46億年前]
太陽系とほぼ同時に地球は生まれた。

 

[約30億年前]
海の中に、地球上に生命と言えるようなものが発生して、

 

[約5億5,000年前]カンブリア紀に、
それまで数十種だった生き物が、突然1万種に爆発的に増えた。
地上に植物が進出したのは
約4億5000万年前、
[約3億5000年前] 土と岩しかなかった地上に森が出来始めた。
動物は昆虫が最初に地上に進出し、脊椎動物が上陸した。

 

[2億4,000年前] 恐竜の子孫が誕生した。
その後、恐竜は進化を極め、大繁栄し、地球の覇者となった。
哺乳類もその中で徐々に進化する。

 

[6,550万年前]
宇宙から突然降ってきた巨大隕石の落下によって、
成層圏にまで巻き上げたられた土埃が太陽をさえぎって
地球の温度が急激に下がりほとんどの恐竜が絶滅した。(諸説ふんぷんだが)
その同時期に、恒温動物である哺乳類が地球の主役に変わって活躍しはじめた。

 

[約2,500万年前]
人類は哺乳動物の中の霊長類に分類される。
その霊長類が出現したのが恐竜絶滅の少し前で、
より人間に近い「類人猿」に進化し出現したのが約2,500万年前。

 

[約700万年前]
「類人猿」から、「猿人」が進化し、

 

[約350万年前]
二足歩行の猿人が現れる。

 

[約250万年前から]
何種類もの「原人(ホモ)」が出現し、進化した。
簡単な言語を持ち始める。

 

[約30万年前]
「旧人」ネアンデルタール人に進化、
石器を造り、宗教心が芽生える。

 

[約10万年前]
アフリカで進化した「新人」ホモサピエンス・サピエンス。
現代人とほぼ変わらず、社会性を持つ。

 

[約3万年前]
中東とヨーロッパで、
「旧人」ネアンデルタール人が、
「新人」ホモサピエンスとの生存競争に負け絶滅。

 

[約6,500年前]
今のイラク周辺で世界最古の文明としてシュメール文明から
メソポタミア文明が出現。人類が文明を持った。

 

[約5,000年前]には中国黄河文明。
[約3,000年前]に古代エジプト文明。
[約2,500年前]仏陀誕生。
[約2,000年前]キリスト誕生
・・・・・
人力による文明が続く。
・・・・
・・・
[約300年前]
1,715年、トーマス・ニューコメンが蒸気機関を発明。
1,736年、ジェームズ・ワットが「往復運動⇒回転運動」の改良を加え、
本格的に産業革命が進み、
これを機に、
人間の自らの物理的な力による「人力の文明」から、
人間の知力によって人力をはるかに超えた「機械の文明」に進化した。

 

[約100年前]
1,905年アルベルト・アインシュタインが「特殊相対性理論」
1,915年「一般相対性理論」を発表。
物質とエネルギーが同じものであり、
速度、重力、時間、空間との関係を理論的に説明する。
日常的に認識できる「ニュートン力学」から、
人間の感性を超えた力学に進化した。
しかしそこから導かれた「原爆」で、
人類は「自らが一瞬のうちに滅亡する力」を持った。

 

「約50年前」
一時、二次の世界大戦が終わり、
爆発的に経済が発達して、
化石燃料の爆発的な消費が始められる。

 

「約20年前」
人工頭脳コンピューターが人間の日常世界に本格的に進出しはじめ、
日常の随所にコンピューターの制御が欠かさざるべき存在になってくる。

 

「約10年前」
CO2の温室効果でいずれは地球の生態系が壊滅的になることがはっきりして、
人類は、滅亡のスケジュールの中に入ったことを自覚した。

 

「5年前」
爆発的に個人コンピーターが普及して、
インターネットによるIT技術によってコミュニケーションの根本が変わった。

 

「今」
社会、個人のコミュニケーションは、ITにほぼ全面的に寄るようになり、
ビジネススタイルが大きく変わった。
あらゆる生き物と同時に人類が滅亡するスケジュールを変える事に本格的な努力をする。

 

もう一つ、
人工頭脳が、「クイズ」で、人間のクイズ王に勝ったと新聞に載っていた。
チェスゲームなど機械的なルールの闘いにおいては、
人工頭脳はすでに人間に勝っていたが、
クイズはあいまいな部分が多くて、
記憶だけではなく予測力と想像力が必要で、
機械である人工頭脳は、人間のクイズ王に勝てなかったそうだ。
それが、より人間に近い思考パターンを身に付け、
持ち前の記憶力と計算力で、人間に勝ったということだ。
機械が人間の知力をも超越する存在になってきた。

 

 

地球の進化、生き物の進化、人間の進化の中で、
いつも、ターニングポイントとなる進化があった。

 

・海の中で生まれた生物が陸に上がった。
・変温動物が衰退して恒温動物が繁栄した。
・四足の動物が二足で立ち上がった。
・脳が大きくなって、生き物で初の「言語」を持ち、コミュニケーションを持った。
・移動する狩猟生活から定住する農耕生活になって文明が生まれた。社会の発生だ。
・人間は「知力」によって「人力」よりも大きな「機械力」を得た。
・人間は自らの種を一瞬で滅亡させ得る「原子力」を得た。
・CO2温室効果で人類が確実に滅亡するスケジュールに入っていることを知った。
・今までの個⇔個、個→多数に加え、ITで個⇔多数の相互コミュニケーションを得た。
・人間の知力を越す知力を持った機械が出現する。

 

初めのころのターニングポイントの間隔は、億年単位であったが、
1,000万年単位、10万年単位に進化のターニングポイントの間隔が狭まり、
千年単位から百年単位、とうとう10年単位になって、
進化の間隔は、人の一生の期間の中に吸収されて、
一人の人間が生きている中で、
何度もターニングポイントを迎えることになった。
つまり、
人間は、その人の一生の中で、
文明の進化のターニングポイントを、
古い自らを否定して、壊し滅ぼすことで、
新しい時代に適応した自分を自らが作り出して、
ターニングポイントを乗り切らなければならなくなった。

「これまでどおりでいい」と思ったら、
ターニングポイントは乗り越えられず、滅亡するしかなくなったのだ。

 

 

朝、新聞を見ていて、
機械が人間のクイズ王に勝ったという記事を読んで、
こんなことを思い巡らした。

 

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    キーパーのルーツであり、父であり 男であり、少年でもある谷好通の大作、名作、迷作コラム。
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