谷 好通コラム

2011年06月02日(木曜日)

2798.29日と30日朝、スウェーデンの夜は4時間

ヨーロッパの空は飛行機の往来が激しく、
網の目のように飛行機雲が交差していた。

 

 

やがてとても長い飛行が終わってドイツ・フランクフルトに到着する。

 

 

パスポートコントロールを経て、
ものすごく広いフランクフルト空港の中を、歩いて移動し、
スウェーデン・ヨーテボリ行きのルフトハンザに乗り換える。
スウェーデンはECに加盟していないが、
ドイツ・オランダ・フランスなどEC加盟国が
国間の移動を国内移動と同じにしてパスポートコントロールを廃止しているように、
ドイツからスウェーデンもパスポートコントロールは要らない。
だから、フランクフルト空港に到着した時点でパスポートコントロールを受けた訳だ。
ややこしい話だから、この辺にしておく。

 

 

ヨーテボリ空港行きの飛行機に乗って、
目的地のヨーテボリ空港に到着したのは、
現地時間で午後7時、日本時間にすると翌日の午前2時となる。
飛行機の中ではやっぱりあまり眠れなかったので、
とにかく、とにかく眠い。

 

ちなみに我等が鈍感力の王者・増田君はどうだったのかと言うと、
なんと、中部⇒フランクフルトの飛行機の中では
「日本語吹き替えの映画」を“3本”も観たそうで、
4時間ほどしか眠らなかったそうだ。
11時間30分の飛行で約2時間の映画を3本観て、4時間寝たとすると、
3×2時間=6時間、+4時間=10時間。
あとの1時間半で2回の食事をしたとしたら、
彼は、映画を観ているか、寝ていたか、飯を食っていたことになる。
やっぱり奴のたくましさは半端ではなかった。

 

 

午後7時にヨーテボリに到着した。寒い。
10℃は切っているだろう。
暑かったフランクフルトからわずか飛行機で1時間半のヨーテボリは、
小雨が降っていたからかもしれないが、
日本の晩秋から冬にかけての温度であった。
この日、最後の食事をスウェーデンの会社と人とする。
本音はそのままホテルの部屋のベッドに直行して深い眠りに入りたかったが、
スウェーデンに来たのはあくまでもビジネス。
頑張ってニコニコとスウェーデン初めての食事を楽しむ。

 

午後8時過ぎになっても、昼間のようにみんなが歩いていた。

 

 

食事が終わったのは午後10時、
外はまだ明るい。

 

北欧のスウェーデンは緯度が高い。
夏は極端に昼間が長くなって、
冬になると昼間がほとんど無くなるのだそうだ。
この季節、太陽が沈む日の暮れが午後11時半過ぎで、
太陽が上がる夜明けは午前4時前だと聞いた。
わずか4時間の「夜」とは、理屈は解っていても不思議な感じがする。

 

ホテルに戻って、とりあえずすぐ寝る。
このホテルの信じられないような細いベッドで、
「寝返りを打つと落ちそうで、眠れないかな。」と思ったが、
さすがに、あっという間に寝てしまった。

 

写真はホテルの窓から観た午後10時過ぎのヨーテボリの街

 

 

夜中に一度目が覚めたのは午前3時。
東の空がもうなんとなく明るい。

 

 

次に起きたのが午前4時。たしかに太陽が上がってきている。
夜明けだ。
とても不思議な気持ちがした。

 

 

結局、ベッドから起きたのは午前6時。
ばっちり8時間近く寝たので、気分はすっきり、
どうも時差ボケは瞬時に解決してしまったようだ。

 

朝の街を自転車で行くおばちゃんにカメラを向けたら、素敵な笑顔をくれた。

 

 

シャワーを浴びてから増田君と、同行吉村さんとホテルのレストランに朝食に行く。
それでも我等が鈍感力・増田君の食欲は旺盛で、
こんなに山盛り朝食を取ってきてペロッと食べたら、
すぐにお皿に二杯目を取りに行っていた。
彼のパワーには、すでに尊敬の念すら持ち始めている私達であった。

 

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2011年06月02日(木曜日)

2797.5月29日(日)長距離の飛行機に乗ること

★ドイツから先ほど帰ってきました。
スウェーデン、ドイツといずれのホテルもインターネット接続の設備がなく、
メールの送受信もままならなく、
5日間にわたってブログをアップできなかったのは残念でした。
5日間書き溜めたものを、順番に少しずつアップしていきます。

 

 

5月29日(日)

 

中部空港を朝10時30分に飛び立って、
ドイツ・フランクフルト空港に到着するのは、ドイツ現地時間の15時05分。
単純に引けば4時間35分になるが、
しかし、日本から西の方向に飛ぶと言うことは
地球の自転と同じ方向に飛ぶことになって時間をさかのぼることになるので、
サマータイムのドイツ時間との時差は7時間ある。
だからドイツ時間の15時05分と言うことは、
日本時間では15時05分+7時間=22時05分となる。
だから、
日本・中部空港⇒ドイツ・フランクフルト空港へは
22時05分-10時30分=11時間35分の飛行時間がかかることになる。

 

日本からはニューヨーク行きなどもっと長い時間のフライトもあるが、
11時間35分の飛行は最も長い超長距離飛行の一つと言える。

 

超長距離のフライトで注意すべきこと。
まず絶対にアイルシート、つまり通路側の席を確保することだ。

 

11時間以上の超長距離飛行では、
必ず大きな時差が発生するので機内で眠っておく必要がある。
昼の飛行であろうと、夜の飛行であろうと、とにかく寝る。
時差ボケ対策にはとにかく、寝た者が勝ちなのだ。

 

通路側ではない席に座って困るのは
通路側の人が眠ってしまうと、それをまたいで通路に出るのが困難になることだ。
それでも無理してまたいだりすると
結果的に隣に座っている人を起こしてしまうことになる。
超長距離飛行の飛行機に乗っている人は誰でも
「眠っておかなくては。」と思っているので、
せっかく寝付いた人を起こすのは申し訳なくて、つい、トイレを我慢したりする。

 

11時間以上飛行機に座っていると血行が悪くなる。
そこへ無理してトイレに行くことを我慢したり、
じっと座りっぱなしでいると、
健康上、あまり良くないことが多い。
トイレに行きたくなったら我慢せずに行き、
時には通路に出て軽く運動をすべきであり、それには断然「通路側」の席がいいのだ。

 

超長距離飛行の注意と言っても、
あとは別にない。
出てくるだけの分の飯食って、ひたすら眠るだけである。

 

しかし私は飛行機で眠ることがあまり得意ではない。
ちょっと寝てすぐに目が覚めてしまうので、
時差の調整がうまく行かず、体が慣れるまでに時間がかかるほうだ。
その点、尊敬すべきは、
今回同行している開発課の増田課長で、
超長距離フライトであろうと、国内線であろうと、
「飛行機に乗っている間は、4分の3は必ず寝ています。」と豪語していた。
増田君いわく
「私は、自分の鈍感力には絶対の自信あります。」と言っていたが、
彼の「たくましさ」を「鈍感力」と呼ぶのならば、
たしかにそうだろう。
彼のたくましさ、鈍感力はすごい。
どんな環境でも、”寝る”力を持っているだけでなく、
どんな人に対しても、決して被害者的にならず、
限りなくポジティブに物事を考えていける逞しさがある。
こういう人が、会社の将来をたくましくしてくれるのだろう。

 

超長距離飛行のフライトは、純粋に仕事的に考えれば、
とにかく寝るのが勝ちなのである。
しかし、
寝ているだけじゃ面白くない。
寝るべきなのだが、それではちっとも面白くない。

 

超長距離飛行は、飛ぶ距離が長い分、
眼下にはものすごくたくさんの風景が見えるのだ。
今回のドイツ・フランクフルト行きでは、
中部空港を飛び立ってからまっすぐ北上し、
北海道の西側を抜けたぐらいから進路を西に切り、やがてロシアの海岸に入る。
ロシアに上陸してしばらくするとハバロフスクの上を通過して、
延々と続くシベリアを西に飛ぶ。
単にシベリアと言っても、その地上は変化に富んでいて、
10,000m上空からの景色はなんとも不思議な変化を見せる。

 

初めてドイツに行ったのはたぶん10年くらい前のことだった。
今日と同じルフトハンザ機でフランクフルトに飛んだ時、
初めて見たシベリアの不思議な地形が次々と見えて、
夢中になってずっと窓の下を見続けた。
一睡もせず、
寝ている他の人の迷惑にならないように、
毛布を頭から被って窓から光が入らないようにして、
シベリアから北欧にかけての不思議な地形を眺め続けた。
あの時の感動は今でも忘れない。

 

当然、外の景色を眺めようとするなら「窓側」に席を取らなくてはならない。
特に飛行機が空いている時なら絶対「窓側」を取るべきである。
好奇心のない男なんて、
キンタマが無くなったようなもので、つまらない。

 

便宜性と時差に体を慣らすために寝ることを優先するか、
好奇心に揺り動かされながら窓から外を眺めるか、
どちらにしても目的地には着く。
どちらでもイイと言えば、どちらでもイイ。

 

席が混んでいるようなら「通路側」。
席が空いているようなら「窓側」。

 

しかしこの話、ずいぶんツマラナイ結論で終わってしまった。

 

 

中部空港からルフトハンザ機に乗り込む
意外にもドイツ人は少なかった。

 

 

飛び立って約1時間半後に日本海からロシアに上陸する。

 

 

この日はほとんど雲が覆っていて、しばらくの間、雲ばかりで窓側に座った甲斐がなかった。。

 

 

数時間後、やっと雲の切れ間があって、シベリアの雪山が見え始める。

 

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    谷 好通

    キーパーのルーツであり、父であり 男であり、少年でもある谷好通の大作、名作、迷作コラム。
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