谷 好通コラム

2011年06月20日(月曜日)

2812.新しい感性と方法を受け入れること

今日は広島。
8月上旬にオープン出来るであろう「キーパーラボ 豊田店」の
オープニング販促を今までとは違う方法でやってみようと、
店舗のオープニング販促に長けた人をアドバイザーとしてお願いして、
まったく新しい趣向で企画を始めた。

 

そのために朝、広島まで来たのだ。
私と経営企画の畠中常務、キーパーラボ運営本部の賀来部長の三人。

 

ところが、同行の二人を広島に残し、
午後6時過ぎ、私だけ先に帰りの新幹線に乗っている。
たくさん話をした上で、
この先は私を抜きで話を進めたほうがいいと思ったからだ。

 

私は私の感覚と価値観で今までの販促を組み立ててきた。
しかしキーパーラボのオープニングは、決して集客には成功してこなかった。
お客様がたくさん来ると言うだけならば、
洗車を入り口にして、洗車を安く提供することである程度は出来たが、
それで集めたお客様は、洗車の割引提供が終わった時点で再来店はあまり望めず、
オープニング後店舗は閑散とし、
キーパーラボとしての立ち上げに成功したとは言えなかったのだ。

 

以来、オープニングで劇的に集客することを諦め、
開店からの少ない来店客をしっかり歓迎し満足していただくことによって、
お客様のリピートと、「口コミ」でのゆっくりとした立ち上がりを待つことにした。
その方法で、早ければ半年で、遅くとも1年くらいで、
どの店でも採算を越す程度の立ち上がりを見せてくれたので、
それで良しとしてきたのだ。

 

しかし、その間の店舗は閑散としていて、
その暇な様子がお客様の来店の阻害になっていたことと、
採算点に届くまでの赤字が、新店を作るペースをかなり遅くしていたのは事実だ。

 

そこで、今回の豊田店では、
私達の今までの感性と価値観でのオープンではなく、
まったく新しい感覚を持ち込んで、何とか早い立ち上がりを模索することにしたのだ。

 

そんな私の期待に応えて、
私の感性と価値観とは違う販促企画が出てきて、
それに対して、私はそれを受け入れることにした。
つまり、私の考えを伝えるだけ伝えて、
実施案の進行は、若い二人と新しい人たちに委ねることにした。

 

自らが実現できなかったことを100%認めた上で、
私の感覚を否定するような新たな感覚を受け入れることにした。
胃の辺りに妙なしこりを残したまま、委ねることにした。

 

そうすることで、
進化し切れなかった何かが、私の中で進化できるような予感がしたからだ。
新しい感覚を持った人は、十分な経験と見識を持った方で、
十分に信頼を置ける方であると、私自身が確信している。

 

今、胃の辺りに妙なしこりと、しかし胸は期待に膨らませ、
私は一人で広島から新幹線で名古屋に帰りつつある。

 

 

 

チーちゃんとリンちゃんが待っているのだ。

 

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2011年06月20日(月曜日)

2811.ちっぽけな親孝行

昨日と一昨日、富山の娘夫婦の家にお袋を連れて行った。
娘夫婦、つまりお袋にとっては孫夫婦とひ孫たちが
どんな所でどんな生活をしているのか見てもらいたかった。

 

富山は、名古屋から自動車で4時間はかかる遠いところなので、
お袋に体力が残っている間にどうしても連れて行きたかった。

 

親父が約10年前に亡くなって、
お袋は私達と同じ棟の家に住んでいるだが
一人で生活できる間は誰の手も借りずに一人で自活したいと頑張ってきている。
食事も掃除も風呂も自分でやって、82歳に今日まで生活している。
しかし今年の初めに体調を崩して、
体力の衰えを感じたのか、自分で自転車に乗るのをやめたし、
朝の体力づくりの散歩もやめた。
もっと体力が落ちてくれば、
いずれは私達の世話を多少なりとも受けるようになるのだろうが、
それまでは頑張れるだけ頑張るのだろう。

 

お袋は昔から人の世話になることを嫌う人だった。
自分で出来ることは自分でやる。

 

親父に何か手伝ってもらうことを要求していたことを見たことがない。
お袋が親父に何かを要求すること自体を見たことがない。
喧嘩のように言い合うことも少なかった。
昔、私達が子供のころ、私が親父のことを悪く言ったりすると
「おまえは誰のおかげでご飯を食べているの!
お父さんを悪く言うことは、お母さんが絶対に許さない。」
と、火のようにお袋に叱られた。

 

昔風だと言ってしまえばそれたけのことだが、
お袋が、時には愚痴を言いながらも親父を全力で支えてきたことは間違いない。
そのおかげで、親父は精一杯の立身出世を果たせたのだろうと思う。

 

今の世の中、
女房から”お小遣い”などと子供じみた物をもらう亭主が多くなった。
女房の奴隷のように家族全部から扱われている亭主もいる。
子供と一緒になって亭主を悪く言う女房もいる。
亭主の単身赴任を本人は同意しても、
女房がそれを拒否するなど信じられないこともあるそうだ。
家庭に縛り付けられ、それを良しとする男は大成しない。
男の志が家庭の中にとどまることなどありえないからだ。
男は世の中に役に立ってこそ大成できる。
それが結果として、必ず家庭の幸せにつながるものだと思う。
もちろんこれは私の価値観であり、
人それぞれが持っている価値観を良し悪し出来るものではない。
しかし、家庭の中にとどまった幸せを良しとする価値観を、
世の中は役に立つとはしないものだ。

 

お袋は、身長140cmたらずの小さな体で、
親父を支え、尊敬し、時には愚痴りながらも、私達子供に決して悪口を言わせなかった。

 

足腰が少し不自由になってきたお袋に、
片道4時間、休憩を入れながら片道5時間の、
長い自動車での移動を我慢させたお袋のモチベーションは、
この可愛いひ孫たちに会えることだったのだろう。

 

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    代表取締役会長兼CEO

    谷 好通

    キーパーのルーツであり、父であり 男であり、少年でもある谷好通の大作、名作、迷作コラム。
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