谷 好通コラム

2012年01月07日(土曜日)

2949. 四年前対比44店舗合計で350%の奇跡

今回の第10回キーパー選手権で圧巻だったのは、
長崎のマツハヤ石油株式会社さんだ。
トップこそ逃しているが、
全国のベスト10に3店舗が入賞し、
ベスト50には11店舗までをマツハヤ石油㈱さんが占めていて、
ブロック別にいたってはすべての店舗がかなり上位を占めています。
つまり、飛びぬけた店舗が単独で上位に入っているのではなく、
エントリーの42店舗すべてが、
“ごっそり”と、大きな実績を上げてきているのです。
(2店舗は離島にあり設備的に参加できなかった)

 

4日に長崎のマツハヤ石油㈱本社に遠野副社長と幹部の方を訪ねてお話を伺いました。

 

いきなり、
その成果であるが、
[44店舗の年末油外収益の推移]
2007年12月 約 6,000万円
2008年12月 約 8,000万円
2009年12月 約1億1,000万円
2010年12月 約1億3,000万円
2011年12月 約2億1,000万円(内、洗車約3,000万円、キーパー約8,000万円)
今回の12月は、
1店舗平均約500万円の油外収益であり、
四年前のそれに比べると実に350%という驚異的な伸びであった。
その結果、(業界用語で)T指数-8円という圧倒的な競争力を持つに至った。

 

つまり、
今回のキーパー選手権での上位に多数の店舗が“ごっそりと”入ったのは、
お客様へより多くの付加価値の提供、
つまりより多くの収益の一環として洗車、キーパーコーティングを
積極的に推し進めた”結果”であり、
選手権のポイントを稼いだためではないという。
値引きは「早割り10%off」のみ。
だから、コーティングを主体とした洗車売上げは多い店舗では600万円を越し、
400万円台、500万円台の店舗も何軒もあって、
油外収益全体を大きく押し上げている。
ちなみに、
約6,000台のキーパーコーティングを施工し、クレームは”ゼロ”だそうです。

 

今回のこの成功の要因を四つ挙げられた。
1.技術力
2.広告活動の成功。
3.洗車委員会の成功(入り口と出口をしっかりと固められた)
4.お客様の口コミ。

 

[技術力]
コーティングや洗車など店舗で生産する商品において、
技術力とは=すなわち商品力である。
商品を販売するに当たってすべてに言えることは
その商品が、お客様の役に立ち、お客様が喜ぶ商品、お客様が欲しい商品であること。
つまりまず商品力が十分であること。
ここがどんなビジネスであっても一番大切な要素であることは明白だ。

 

コーティングや洗車など店舗で施工する=生産する商品において、
商品力とはすなわちその施工技術に他ならない。

 

だからマツハヤ石油㈱さんは、
社員に徹底的に技術研修を受けさせ資格を取らせた。
その結果、一店舗に必ず複数の一級資格、二級資格者が在籍している。
そして洗車、キーパーコーティングは、
いずれかの資格を持ったスタッフにしか施工させていない。
ここは徹底している。

 

所長が一番たくさん施工をする!?
普通は、洗車とかコーティングなどの施工作業は、
役職を持っていないスタッフさんとかアルバイトさんがやっている場合が多い。
しかし、このマツハヤ石油㈱さんでは全く逆なのです。

 

資格を持っていないアルバイトさんやスタッフさんは、
洗車もコーティングも、作業の手伝いくらいしかやらせてもらえないのです。
しっかりとした技術力で、高い商品力を実現するためです。

 

一級資格などは上位役職の者から取得するので、
一番の技術を持っているのはたいていの場合、所長であり、副所長なのです。
だから、店舗に複数の資格者がいても、
作業が立て込んでくると、所長はいつもコーティングの施工をしている事になります。
また、トップレベルの人が施工したコーティング・洗車でも、
必ず、誰か、それが部下であっても、第三者の確認を怠らないそうです。

 

研修を受け資格を取ると社員さん達には資格手当てが付き、
資格はステータスであり、その店舗の商品力を作り出す主役となります。

 

これは、お客様の立場なって見るともっとよく分かります。

 

ある店舗でコーティングを頼んだら、
責任者らしき人の商品説明や提案で、高いコーティングを注文したが、
実際の施工は、
いかにもアルバイトさんらしき人が怪しげな手つきでやっていた。
「だいじょうぶかな~、やめときゃよかったな~。」

 

ある店舗では、
商品の説明を聞いて、
最初に思っていたものよりも値段が高く、
高級そうな商品を施工してもらうことにした。
そうしたら、
「このコーティングは、技術が必要ですので、ぜひ私がさせていただきます。」と、
所長さんが自ら施工し始めた。
「ほぉ~、この店すごいな。これは安心だ。」

 

あるいはベテランの技術者を紹介して
「こちらのコーティング技術一級資格の○○が
このコーティングを施工させていただきます。ベテランの技術者です。」
「(ホッ)・・よろしくお願いします。」

 

マツハヤ石油㈱さんでは、誰と話しても皆さん「技術力が一番大切」と言い、
地元TVの取材でも「マツハヤ石油はとにかく技術力です。」とおっしゃっていた。
[技術力=商品力]
これはコーティング・洗車だけに関わらず、
あらゆるサービス商品について言える鉄則です。

 

また、マツハヤ石油㈱さんは「洗車コンテスト」をたびたび開催して、
技術レベルの維持を、競争原理の中で非常にうまく作り上げている。
これも重要なポイントだ。

 

[高いリピート率とお客様の口コミ]
前回の年末で施工させていただいたクリスタルキーパーのお客様の約80%が、
今回の年末などでリピートし施工をされているそうです。
リピート率80%とは、
とうていDMとか℡活動など販促活動だけで得られる数字ではなく、
商品に対するお客様の高い満足があって初めて得られるわけで、
やはり、マツハヤ石油㈱さんが誇る高い技術力がそれを実現しているのでしょう。

 

お客様の口コミでも同じことが言える。
「友達から聞いて・・・」とか「家族に勧められて・・」とか
「会社でみんながイイって言ってるから」
こんなことをおっしゃって初めて来店され、
クリスタルキーパーなどを予約されていくケースが増えています。
(これはキーパーラボでも多いケースであるが、
クリスタルキーパーが特にこの口コミでの施工が大変多くなった。)
これもやはり、
確かな技術力に裏付けられたしっかりした施工品質によって、
お客様の満足度が高いからある証拠なのだろう。

 

口コミの効果は想像以上に大きい。
ユーザーは自分が信頼している人が実際にやって見て「イイ」と言う言葉は、
何よりも信頼しうる情報であるし、
しかも、宣伝広告費は全くかからない。
特に、大きくないマーケットでは、きわめて有効な広告宣伝になります。
一台一台を、キチンとした技術力でキレイに仕上げた車が、
一番の広告塔になるということかもしれません。

 

[広告活動の成功]
マツハヤ石油㈱さんはテレビコマーシャルをかなり使っています。
店舗が長崎県内にある程度固まっているので、
それぞれが新聞折り込み広告を打っても店舗間で被ってしまうし、
長崎県内であればそれほど大きくはない費用でテレビコマーシャルが使えるから。
(大きくはないと言っても全国ネットに比べればという意味です)
かなりの頻度でコマーシャルが流れているが、
年間での費用は1店舗あたりにすれば100万円まではいかないらしい。(推定)
そしてこのコマーシャルには、
マツハヤ石油㈱さんの現場のスタッフさんがたくさん出演している。

 

これには二つの大きな効果がある。
ひとつは、現場のスタッフさんがコマーシャルの中で、自分の顔を出して、
「技術力と明るいお店」をアピールするわけだから、
決していい加減な仕事は出来ないし、暗い顔をしているわけにもいかない。
結果的に皆さんが自分の技術にもっと責任感を持つようになり、
活性化にもつながる。
特に狭い地域でのコマーシャルなので、その人を知っている人も多く、
本人のモチベーションは最高に上がるのです。
驚いたのは、
「みんな、コマーシャルに出ると不思議に”謙虚”になるのですよ。」との言葉。
なるほどである。
狭い領域の中ではお山の大将みたいな感覚なのか、
島国根性というか、つい傲慢になりがちなのが、
コマーシャルに出ると広い世界に出たわけなので、自然に謙虚になるものなのか。

 

謙虚さとは、成長の原動力である。
傲慢な人間ほどそこに学ぶべきものがあっても、
それが学ぶべきものであることすら分からないことが多い。
会社全体の人たちが謙虚になって学び始めると、この力は実に大きい。
地域においてのテレビコマーシャルは、インナー効果がすごいのです。

 

もちろんテレビコマーシャルの目的である消費者へのアピール力は、
折り込みチラシとは桁違いにある。
テレビでやっている商品なら大丈夫なのだろうと言う信頼の意識もあって、
一流であるというステータスを消費者の人たちが感じてくれる。
だから、今回の選手権でも、
マツハヤ石油㈱さんはチラシを入れなかったそうだ。
その必要を感じなかったらしい。
たしかに、広告戦略は成功している。

 

洗車委員会の成功
(入り口と出口をしっかりと固められた)
すべてのコーティング・洗車に関わるルールや企画は、
各部署からなる洗車委員会によって熟考、検討の上、決定されて、
周知徹底されます。
みんなで決めたことなので、いい加減にする人はいない。
コーティング洗車の受注から、施工、受け渡しまでしっかりと、
高いレベルで徹底されていることは、
お客様にとって、この上ない信頼に結びつくのだろう。
本当はここがすべての鍵を握っていたと言っても過言ではない。

 

 

この奇跡のすべてはこの人から始まった。
マツハヤ石油株式会社 遠野副社長

 

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