谷 好通コラム

2012年03月18日(日曜日)

3000.区切りの一つでしかないが

やっと3,000話に届きました。
と同時に、私も60歳になりました。
と言っても、人生の中の一つの区切りでしかないわけですが、
50歳台と60歳では、何かが大きく変わるような感じがします。
「何を言うか、これからが本番だ。」と
誰かにおっしゃられても
私はそんなにスーパーマンではないので、
何かにつけ、くたびれるようになって来ているし
何より頭の回転が鈍くなってきているような気がしてなりません。

 

皆様のおかげで、
27年前に始めた事業もここまで成長させていただきました。
この会社が掲げる志を、多くの方にご支持いただけた結果と、深く感謝いたします。
しかしこれからもっと志を大きく高みに掲げ、実現して行こうと思ったら
私が自分の思いのままに事業を牽引していく形では、
もう、とても難しいと思っています。

 

もちろん、私自身が突然、
健康上の問題などで仕事が出来なくなる可能性も決して低くはありません。
かなりの可能性があるものと自覚しています。
その準備をしておくのも経営者としてすべき義務だと思います。

 

一年ほど前にそう思い始めて、
三カ年計画を練ってきました。
今、それを実行しつつあります。
「谷好通が要らなくなる三カ年計画」
今はその計画実行の途上ですが、まずまずのペースで進んでいます。

 

その一つの証に、
私の携帯電話は一日中ほとんど1本も鳴りません。
メールだって、C.C.で入っているか、MLで入るだけで、
直接メールで入ってくるのは、開発の増田君と役員さん達くらいのものです。
それも、たまに、です。
でもC.C.ではありますが、ほとんどの報・連・相は果たされつつあります。
まだまだですが会社の事はほとんど知っているはずです。
その上での権限の委譲も徐々にではありますが順調に進んでいると思っています。

 

二年と何ヶ月あとには、計画を完成させて、
真剣に一線から退く予定なのです。
そうすることが、会社の発展と、
みんなと一緒に掲げた“志”を実現する早道と考えています。

 

 

元々、私は、
名誉欲、自己顕示欲、金銭欲が強いわけではありませんでした。
中学生になって思春期を迎えた頃から、
自分がどちらかと言えばカッコ悪いほうの男であり、
女性にももてないとずっと思い込んでいたところがあります。
どんな風になっても成功者らしく誇らしいカッコいい姿にはなれないと思い込み、
“似合わない”と思っているのです。
というより、カッコ良くなりたいという意欲がずっと無いのです。

 

成功して贅沢をしても“似合わない”と思っているからか、
贅沢することに全く意欲がありませんし、セレブしたいとはまったく思っていません。
それは今でも少しも変わっていません。
ただ車好きの一面だけは強いですが、勘弁して下さい。

 

私がここまで事業をやってきたのは、
「勝ちたい」よりも「負けたくない。」という気持ちが強かったからです。
「負けない。」「絶対負けないぞっ。」と口に出すと涙が出そうになるので、
きっと、それが私のモチベーションの源なのでしょう。
では、負けたくないだけでここまでやって来たかと言えば、
もちろんそうではありません。

 

自分の気持ちの深層を見つめ、言葉にするのは非常に難しいことですが、
自分の人生が
みんなの役に立って、
みんなが喜んでくれれば、
それが一番嬉しいと、マジで思っているところがあります。
などと言うと、
自分でも聖人ぶったいやらしさを感じますが、
本当に車が想像以上にキレイになって喜ぶお客様を見るとしびれるほど嬉しいし、
みんなが一生懸命働いてくれている姿を見ると本当に幸せを感じるし、
お客様が喜んだ事を嬉しそうにスタッフが話してくれると、こそっと涙が出てきます。
あるいは、KeePerを施工していただいているたくさんの施行店さんに、
お客様の喜びを造り出す事によってビジネス的にも成功したと言っていただけると、
本当にやってきて良かったと思います。
だから、本当にマジでそうなのだと思うのです。

 

ビジネスとは、
お客様が喜んでくれる事や物を提供する事に尽きるのでないでしょうか。
これはキレイゴトでもなんでもなく、非常にシンプルな方程式なのだと思います。

 

これまでたくさんの人のビジネスを見てきましたが、
自分の目先の損得にいちいちとらわれる人はビジネスがうまく行っていません。

 

会社の社会的な義務とは損益上で黒字を出して拡大することです。
しかし、この事と、
お客様の喜ぶ事や物を提供する事が
ビジネスだとする事だとすることとは、全く矛盾しません。

 

お客様が、自分に提供された事や物に感じる価値が値段を決め、
こちらが決めた値段と折り合えば買い、高いと思えば買わないという単純な方法で、
その付加価値の値段と販売数量をお客様が決めてくれます。これが「収入」です。
それを提供する事で使う原料費や販売費などで使うお金が「支出」です。

 

「収入」-「支出」がプラスならば黒字であり、マイナスならば赤字です。

 

こちらが作り出す付加価値の量(商品の価値)によって値段が決まり、
お客様が「買う」「買わない」という行為で販売量と収入(売上げ)が決まって、
ビジネスとしてその商品の提供に要した費用がそれを下回れば、
黒字になり、そのビジネスに関わっている人達により大きな収入が生まれます。
お客様も喜び、ビジネスに関わる人達、社員も、提供者も喜ぶという方程式です。
そういうビジネスの存在は双方の力で大きく拡大していくのは当然です。

 

・・・・・
どうも、私は話がくどくなりますね。

 

つまり、違う言い方をすれば
顧客満足と従業員満足はいつも必ず両立しているということです。
片方だけが満足するという方程式は成り立ちません。
自分の目先の損得をいちいち考えていては、この方程式が造り得ないのです。

 

いつまでも私が主人公ではなく
たくさんの人たちがもっと大きな活躍する事が、
この方程式をより強く、より大きく出来ると考え、
たくさんの人たちがもっと大きな活躍をするには、
私の思いのままに事業を切り回していてはダメだと思って、
私は二年と何ヶ月かで一線を退くことを計画し、実践しています。

 

それが、より多くの人の、より大きな喜びにつながり、
それが、私自身の一番の幸せだと思うので、これは絶対に実行します。

 

60歳の誕生日も、このブログの3000話も、
その一つの一区切りでしかない。ということです。

 

昨日の朝、お袋が言っていました。
「お前の小児麻痺が、脳性じゃなくて本当に良かった。
脊髄性だったからこんなになれたしね、本当に良かった。」

 

本当にそうです。私は本当に幸運です。
ひょっとして脊髄性の小児麻痺にもならなくて両足ともバリバリに頑丈だったら、
今頃、いい歳して、まだ山登りに熱中していたかもしれません。
しかし、それも良かったかなあ、とも思います。

 

人はどこまで行っても、今が、一番幸運であったのでしょう。
これからの自分にとっても、きっと自分の運命が一番幸運なのでしょう。


アイ・タック技研㈱の企業ビジョン

 

「今こそ、日本に新しい洗車文化を」

 

日本人独特の高い美的感覚に訴える高品質な洗車やコーティングなど、
車の美的事業を日本国中に広げ、
日本国中の車をより美しくする事でお客様に喜びを提供し、
みんなと共に喜ぶ。

 

車の美的事業に関わる日本国中の店舗を、
誇りを持って従事できる喜びの職場にし、
日本独特の洗車文化を作り上げる。


 

※明日のブログから、ナンバーはもう打ちません。
自由に書きます。

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    代表取締役会長兼CEO

    谷 好通

    キーパーのルーツであり、父であり 男であり、少年でもある谷好通の大作、名作、迷作コラム。
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