谷 好通コラム

2012年08月08日(水曜日)

夏休みのジュニアパイロット

福岡に飛ぶ飛行機の中。
今日は通路側の席に座っている。
夏休み期間は、子供を連れて里帰りをする人が多く、
たいていの飛行機は満席状態なので、
こういう時は、乗り降りに便利な通路側の席のほうがいい。
というより、予約が早い時期に入るのだろうか、
窓側の席が埋まっている場合が多い。

 

せっかく飛行機に乗るのだから、
子供に窓側の席に座らせて外の景色を楽しませてやろうという意味だろう。
ところが、どの子供を見ても外に景色を見ている様子はない。
ゲームをやっていたり、
子供同士ではしゃいでいたり、何か食べていたり。
親の気持ち子知らずで、外を全く見ていないのだ。

 

なぜ見ないのだろうか。
空を飛んでいる飛行機から見る下界の景色は、
彼等はほとんど見たことがないので、珍しいはずなのだが。

 

幼稚園から小学生程度の子供は、
外に見えている景色の意味が分からないから、興味がないのだろう。
約10,000mの上空を自分を乗せて飛んでいることも理解していないし、
上空から見える景色が、普段の生活がうんと縮小されたもので、
それを上から見ると、見えているものが何であるのか、
橋や船がどんな風に見えるのか、山がどんな風に見えているのか、
全く分かっていない。
初めての経験だから珍しいのではなく、
知らないし理解できないので、興味もないのだろう。

 

それは子供だからということではない。
知らないから、若者が、
そこにある遺跡が貴重なものであることが理解できないので、
素晴らしい文化財に平気で落書きをするし、

 

大人でも、
アフリカのマウンテンゴリラや、チータや、
色々な生き物が、希少な生き物であり、
素晴らしい生き方をしていることも知らないので、
平気で殺して剥製にするし、

 

相手の家族のことやその人の生活を知らないから、
戦争では感情無しで敵を殺せるし、

 

珍しく窓の外にブロッケンの輪が見えていても、
ブロッケンの輪のことを知らないので、
窓にかじりついて「ウォーすごいきれいなブロッケンの輪だ。」と
思わず叫ぶ私のことを、みなさん、変な奴としか見ないのだろう。

 

「ジュニアパイロット」という
子供一人だけで飛行機に乗せるサービスがある。

 

夏休みは、子供だけ先に飛行機で親のふるさとに帰して、
あとで、お盆休みになったら親も故郷に帰ると考えるのか、
お盆前のこの時期になると、
子供一人で飛行機に乗せられている子供をよく見る。

 

三列席の窓側の席に小学四年生、
「・・・右京(名前を聞いた)」という男の子が、
ジュニアパイロットで乗っている。
飛行機が上空に上ったら、窓を閉めて寝てしまった。

 

彼とは、ちょっと色々話したので、また、次の話で。

 

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