谷 好通コラム

2012年08月21日(火曜日)

実は、事業の一番面白いところです。

与えられたチャンスと可能性を追い求めて、
日常を努力し行動していると、
その可能性が徐々に実現してくるのですが、
充分な結果が出る間もなく、
次の新しいチャンスと可能性が目の前に現れて、
とまどってしまうことがよくあります。

 

今ある可能性を充分に活かした結果を実現したら、
ちょっと一服しようと、
いつもそれを楽しみに頑張っているのに、
その可能性の実現に重なってくる形で、
また新しい可能性がやってきてしまう。
だから、「ちょっと一服」がないまま、
ずっと頑張り続けてここまでやってきたような気がします。
たぶん、
チャンスと可能性を活かそうと努力し行動しているうちに、
それ以前よりも少しは自分達に力が着いてきて、
周りの見る目が変わってきて、
以前には来なかったような新しいチャンスと可能性が
自分たちに与えられるようになるのだと思います。

 

しかしそんな新しい可能性が目の前にやってきても、
自分たちに、本当にその可能性を実現するだけの力量が備わっているのか。
そこに自信がないまま、踏み込んでいいものかどうか
必ず迷います。

 

これまでの経験の中では、
損失を生みだしただけの場合も何度となくあります。
しかし幸い、
それが事業の致命的な損失になったことはまだありません。
むしろ、撤退して良かったと思うことも多くあります。
そこで得たものは「懲りた」に近い学習だけだったのでしょう。

 

しかし考えてみると、
いくら「懲りて」学習をしても、
また新しいチャンスがあって、新しい可能性が広がると、
つい、それを活かして実現してみたいと思ってしまうのが、
この会社のいい所でもあり、欠点でもあるようです。

 

懲りて学習したこと。
目先の利益、損得に惑わされないこと。

 

それは自らがそうでなければならないと同時に、
チャンスを実現するパートナーの資質にも関係します。
パートナーの事業に対する動機が、目先の利益であり損得にあった場合は、
それは一見チャンスのように見えて、ただの罠でしかないこともありました。

 

事業の動機、目的とは、利益にあるように見えますが、
実は、利益を動機とした事業はたいていの場合失敗しています。
おいしい儲け話なんて、この世には絶対にないと信じているくらいです。

 

パートナーの事業動機がそんな所にはないと確信できれば、
その事業が利益に結びつく可能性はほとんどないと客観的に判断されても、
その事業に賛同しパートナーシップを持ってもいいと思っています。
すぐに直接的な利益に結びつくことがなくても、
いつか、ふと気が着いた時に、やって良かったと思えるはずです。
それでも利益を生んでいないことも度々です。
もちろん事業は利益が確保できなければ存続しません。
でも事業は利益が目的ではありません。

 

目的はそれぞれの事業を主催する人の心の中にあって、
その目的が正しく、
事業に関わる多くの人に共感と賛同を得るものであれば、
その目的が表面に掲げられなくとも、
事業として成功し、その結果として利益も伴ってくるものだと思っています。

 

そんなきれい事のような考え方が通用するのが、
実は、事業の一番面白いところです。

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    代表取締役会長兼CEO

    谷 好通

    キーパーのルーツであり、父であり 男であり、少年でもある谷好通の大作、名作、迷作コラム。
    読めば読むほど元気になること間違いなし。・・・の、はず。

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