谷 好通コラム

2013年06月06日(木曜日)

6.6.こちら側にいる生き物があちらにもほとんどいるだろう

羅臼とか、標津とか、根室とか、
北海道の東の果て近くならば何処からでも、
ロシアが今は、統治支配し、
でも日本の領土であると主張し続けている「国後島」が、
ほとんど目の前に、
高速艇を30分も駆れば、行き着いてしまうような所に、在る。

 

あれが北方領土であり「今すぐ、返せっ!!」と看板に書いてあるが、
そこに知っている人が居るわけでもないし、
そこに何があるか知っているわけでもないし、
行きたいと思うわけでもなく、
心の中から「返せっ」とウァイトが湧くこともなく、
ただ、
こちら側にいる野生動物が、あちらにも、ほとんどいるのだろうな。
こちらとは幾分違った風景があって、
でも、こちら側にいる生き物が、向こうにもいるのだろうな。
とは思った。

 

理屈では、日本チームに所属する日本人だから、
「返せっ!!」とロシアに迫る気持ちを持つべきなのだろうが。
どうも、ファイトが沸いてこない。
ぎゃくに、
なにか穏やかな気持ちになってしまうのは、
きっと、こちら側にいる生き物が、
あちらにもほとんどいるだろうと思うからだろう。

 

 

※羅臼町の展望台から

 

 

根付半島のトドワラからエゾ鹿と共に国後島。

 

 

きっとむこうにも、こっちと同じような生き物がいるのだろう。

 

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    谷 好通

    キーパーのルーツであり、父であり 男であり、少年でもある谷好通の大作、名作、迷作コラム。
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