谷 好通コラム

2014年02月01日(土曜日)

2.01.【後編】こうしたいと思ったことは、まず先に言え。

㈱金沢丸善ワンダフルセルフ湊店、d所長の廣田さんは、
12月商戦の半ば、心筋梗塞で倒れて入院されましたが、
今はもうすっかりお元気になって、
1月27日のインタビューに【中編】の話をお聞きしました。

 

それにしても、心筋梗塞とは一歩間違えると取り返しのつかない事になります。
キーパー選手権12月10日報が出た時点で、
トップに躍り出た㈱金沢丸善ワンダフルセルフ湊店、
その所長が心筋梗塞で倒れたと聞いた時は、心底驚きました。

 

湊店の皆さんもさぞかし驚かれたでしょう。
そして困ったでしょう。
廣田所長は豪放であり、皆さんを先頭に立って引っ張っていくタイプの方です。
キーパー選手権でも10日報時点でのトップにランクされ、
余計に張り切られたのかもしれません。
しかし、そのリーダーを一時的にせよ失った湊店には、尊入課長が入りました。
そして何と、施工作業を担当し、
ずっと湊店でクリスタルキーパー、ダイヤモンドキーパーを施工したそうです。

 

その姿を見て、
廣瀬所長が入院して動揺していたスタッフが引き締まったのでしょう。
あるいは、全店が引き締まったのかもしれません。
ここは接客などをする担当ではなく、
施工する担当に入ったことがすごいことだと思います。

 

私達のアイ・タック技研㈱でも、年末やお盆の繁忙期には、
ふだん営業の仕事をしている者からこの会社のトップである常務達までが、
当たり前のように現場に入ります。
その姿がどれだけみんなを励ましているか分かりません。

 

トップを走りながらも途中で体を壊してしまった所長のためにも、
絶対にトップを取ると、みんなが団結したことは間違いないと思います。

 

今はもうすっかり元気に戻られた廣田所長

 

 

こんな思わぬアクシデントがあったにもかかわらず、
湊店が最終的にトップを守り抜き、
さらに19店舗全店が全国50位以内に入るという快挙は、
すばらしいものがあります。
幾つかの要因があったと想像しました。

 

一つの要因は、たぶん、
スタッフの皆さんが頭にしているバンダナが象徴しています
バンダナをユニフォームにしている会社を、私は初めて見ました。

 

ものすごく話しかけやすいと思いませんか。
㈱金沢丸善さんという会社は、
店舗スタッフとお客様との会話をものすごく大切にしている会社なのでしょう。
それがビジネスの基本と考えているのではないでしょうか。
スタッフ全員に技術を身に着けさせ、知識を与え、人数を揃えて
お客様とのコミュニケーションを大切にする体制を作り上げ、
お客様が話しかけやすい雰囲気をバンダナで作り上げています。
バンダナは話しやすいだけでなく、
職人っぽい雰囲気があって、技術的な安心感をも与えてきます。

 

ガソリンスタンドは典型的な物販のビジネスだから、お客様をさばきます。
だから、来店されてから何分何十秒で給油を済ませ、帰すか。
お客様は出来るだけ早くさばき、回転させるべきという概念があります。
そしてその商品価値は「マーク」によって担保されます。
そして同じ商品価値なら、消費者はやすく提供されることを期待します。
だから、セルフサービスでも安いことを期待します。
多くの場合、人からサービスを受けることを期待しません。

 

それに対して、カーコーティング(たぶん車検・板金も)は、サービス業です。
サービス業では、お客様をさばいてはいけません。聞くべきです。
サービス業は、いかにお客様の要望をお聞きし、
それを実現していくによって付加価値を作り出すビジネスですから、
お客様との濃密なコミュニケーションが不可欠です。
だから「聞く会話」が有効なのでしょう。
そのために会話は比較的長くので、それが出来るための体制を作ります。

 

バンダナは物販色を薄め、
「聞く会話(話しかけやすさ)」と「技術」を表現している(?)
何と表現すればいいのか分かりませんが、
お客様にとってバンダナ姿は話しやすいイメージであり、
つまり、自分の要望を聞いてくれそうな期待を感じさせます。
そして商品品質あるいは商品価値は、その店で作り上げられるので、
材料と技術によって差が出ます。だから、技術を鍛えます。
バンダナは職人っぽさも感じさせるので、いいのかもしれません。

 

物販業とサービス業を見事に、
一つの店舗の中に両立させている典型的な例であり、バンダナはその象徴だと思いました。

 

 

こうしたいと思ったことは、まず先に言え
もう一つの要因は、社員たちの自発的な発想や意見を
ものすごく大切にしていることではないかと想像しました。
「こうしたいと思ったことは、まず先に言え。」という言葉を聞きました。

 

湊店で聞いた手法は、去年の1,000台のピュアキーパーユーザーの、
クリスタルキーパー、ダイヤモンドキーパーへのレベルアップ。
洗車の声かけからコーティングへの展開。などでした。

 

高尾店では、大きなコーティングブースを擁して、
遠い所からも来店がある特長を活かした展開を行っていました。

 

 

「WAZA」店では、一年先行してクリスタルキーパーを開始しているので、
そのリピートを90%の高レベルで実現し、
なおかつ前年並みの新規を積み上げる作戦であったそうです。

 

 

徳光店では、車検の指定工場である特長を活かした作戦と、
給油お客様に「フロントウィンド、水はじいていますか?」「油膜大丈夫ですか」
と、フロント窓ガラスフッ素コーティングを徹底的にアプローチして、
500台以上の施工を得ました。

 

 

みんなそれぞれ目的が一緒でも、方法はそれぞれで、
自分達で考えプランを立てて、課長と一緒にブラッシュアップして、
それぞれの行動で、目標を実現していく。
皆さん一人ひとりが、やらされているのではなく、
自分達で考え、自分達の意志で、会社の目標を自分達の目標として行動していく。
こんな一人ひとりが自主性を持った体質があることを感じました。

 

 

これは、たぶん、人間をすごく大切にした経営をしていらっしゃる野村社長の、
なされたことなのでしょう。

 

私も一人の経営者として、大変勉強させられました。
ありがとうございました。

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2014年02月01日(土曜日)

2.01.【中篇】初めて見た驚きの光景 ㈱金沢丸善さんにて。

湊店のセールスルームで驚きの光景を見ました
2013年12月のキーパー選手権チャンピオンである
㈱金沢丸善ワンダフルセルフ湊店さんに
最初に取材で伺ったのは、1月6日(月)でした。
お正月明けで仕事始めの人も多いのか、店舗は給油のお客様で混雑していました。
ワンダフルセルフ湊店さんはその名のとおりセルフのSSで、
販売数量もかなり多いSSです。だから給油の車で混雑しているのは当然で、
この光景は、繁盛しているSSならば、
いつもよく見る光景です。
しかし
セールスルームに入って驚きました。
お客様と店のスタッフが商談をしている人たちが4組も店内にいたのです。
ちょうど、賑わっているカーディーラーさんの店内のような感じです。
店内で商談をしている4組は、
車検であったり、コーティングであったり、さまざまですが、
どの組も、パンフレットなどを見ながら熱心に話をしています。
(お客様を写すことになるので写真は撮りませんでした)

 

こんな光景をSSで見るのは初めての経験です。
2度目の今回、みなさんのお話を聞いて、その訳が分かってきました。
お話を伺ったのは尊入課長、廣田湊店店長、越田さん

 

湊店のエース越田さんはお客様との話が長い
12月の商戦のまっただ中、廣田店長が病気で倒れてしまいました。
その話は後でまたする事にしますが、
だから、一回目に伺った時にはまだ入院中で、
2回目の取材で初めて廣田店長にお会いしたのです。
その廣田店長がニコニコしながらおっしゃいました。
「越田君がお客様と話をすると安心していられる。でも、本当に長いよね。」
30分くらいは当たり前で、時には1時間を越す場合もあるそうです。

 

お客様との話が長い人は、
お客様の話をしっかりと聞ける人です。
スタッフの方が一方的にベラベラとお喋りをしてしまうと話は続きません。
エース越田さんもお喋り上手というよりも、聞き上手のようです。

 

 

洗車の話が、聞いているうちにダイヤモンドキーパーの話になった。
給油をしていらっしゃるお客様に、たとえば、
「お車キレイにしませんか?」とか「洗車しましょうか。」と声をかけて、
お客様が乗ってこられたら、店内にご案内します。
お客様との商談は、必ず店内でします。
それから、聞き上手でお客様の好む「キレイ」の話を伺い聞いているうちに、
いつの間にかお客様から「コーティング」の話になってしまい、
結局、ダイヤモンドキーパーをご注文されていったお客様が何人もいたそうです。
お客様の話を聞くことです。だから話が長くなってしまいます。
でも話を聞いていると、お客様が自分から高い商品の方に話を持って行きます。
だそうです。
私がたまたま見た時は、
そんな商談をしているお客様とスタッフの組が店内に4組もいたのです。

 

クリスタルキーパー、ダイヤモンドキーパーが普通に売れることに驚いた。
越田さんいわく、
「自分はコーティングは5,000円のピュアのつもりでいても、
いつの間にかお客様の方が50,000円のダイヤキーパーのつもりで話をしている。
お客様の最初からの”つもり”が、私の”つもり”と違っていることに気がついた。
LABOの人たちはここの部分を気が付いてしまっているのだろうと思った。」

 

ダイヤモンドキーパー62台はLABOよりはるかに多い。
今までは、2万円のクリスタル、
5万円のダイヤモンドキーパーを、
とんでもない高級な商品を売っているような感覚を持っていたけど、
お客様の方はコーティングと言うのはそれが当たり前だと思っている。
そこのギャップは意外と多くの人にあります。
越田さんはそこに気がついて、吹っ切れたようです。
キーパー選手権でワンダフルセルフ湊店は1503ポイントでトップでしたが、
実は、ダイヤモンドキーパー62台も、LABOまで含めてダントツのトップでした。

 

高い商品は、ある程度の時間の話が必要。しかしかえってそれが高効率に
コーティングに限らず、車検、板金など、
それなりに高い価格の商品を買う時には、
キチンとした説明も聞きたいし、自分の要望などの話もキチンと聞いて欲しい。
とすれば、自然に話は長くなってしまう。
しかし商品は、価格が高くなればなるほど、
手間賃としての仕事から、技術を要する仕事になり、
時間効率は飛躍的に高くなります。
だから、高い商品は受注段階にある程度時間をかけても、
作業の効率が良いので、全体としては効率の高いビジネスが成立しています。

 

しかし、よりしっかりとすべきは”受注”より”受け渡し”
しかし、尊入課長が強調するのは、
「受注に時間がかかるのは仕方がないとしても、
施工後の「受け渡し」をしっかりとやることが、受注よりはるかに大切。」
施工後のお手入れの仕方とか商品説明、
あるいは次の施工のご案内などをきちんとすれば、
お客様は安心できるし、次の施工に確実につながる。
施工後の説明をいい加減にしたばかりに、
来なくてもいいクレームに繋がったり、
いくらDMを打っても次回施工につながりにくくなってしまう。

 

長い話を支える体制作りが一番のポイント
受注にしても、受け渡しにしても、それなりの時間が必要です。
もちろんコーティングなどの施工する時間もそれ以上に必要です。
だから、かなりの人数が必要です。
外のことを気にせずに中で話が出来るには、それなりの体制作りが必須であり、
そこが一番のポイントになります。

 

すべての人が技術を持ち、知識も持つべき
尊入課長は「とにかく技術研修を受けて、資格もどんどん取らせる。」と、
北陸担当の竹内課長に協力を要請する。
お客様との時間のかかる”会話”を気兼ねなく出来るためには、
揃えた人数の誰もが、高い品質で施工作業が出来なければならない。
出来ない人がいる余裕など無い。

 

お客様と話をさせていただくにも正しい知識に基づいた話でなければならない。
技術と知識は、揃えた人数すべてに、常に獲得させ続ける。

 

洗車の話からダイヤモンドキーパーを受注してしまっているエース越田さん。

 

 

これでも全部のスタッフさんではありません。
ワンダフルセルフ湊店の一部のスタッフさんたち。

 

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