谷 好通コラム

2014年04月12日(土曜日)

4.12.私がシートを倒したわけではない。

今日は福岡。
久留米にある福岡営業所で、
広島営業所6名と福岡営業所8名のスタッフ全員が合同で営業会議です。

 

朝、中部空港から福岡空港に飛行機で飛んできました。
この便は混んでいて、いつもは宇野さんが窓側の席を取ってくれるのですが、
今日は、一番後ろから二番目の通路側の席でした。
飛行機はB737-500。
離陸の為に誘導路を走り、滑走路で加速して、離陸です。
体がシートにぐっと押し付けられます。

 

と、その時、
後ろから声が聞こえます。
女性の客室乗務員CAさんが、何か叫んでいます。
「シートはまだ倒してはいけませんっ。」
「シートを起こしてくださいっ。」
「危険ですから、シートを起こしてください。」
誰かが、上昇中なのにシートを倒したらしい。
困ったものです。
国内線ではシートを倒す場面などないのに、すぐに倒したがる人がよくいます。
そう思ったのですが、
「シートを起こしてください。」の声が続きます。
後ろから二番目の通路側の席の私は、
「えっ? 俺っ?」と振り向き、自分を指差して聞いたら、
「そうです。シートを起こしてください。危険です。」とCAが言う。

 

私が座っていたシートのロックが甘くて、
離陸の加速の時に、シートがジワっと倒れたらしいのです。
隣のシートを見ると、
私のシートは確かに7cmくらい倒れている。
座っている自分が解からないくらいです。

 

あわてて、シートのボタンを押してシートを起こしました。

 

やがて、上昇が尾張水平飛行に移ると、
シートベルトが解除になって、先ほどのCAさんが私の席に来て、
「シートを落としていると危険ですので・・」
と言ってきた。
さすがに怒れた。
「私がシートを倒したわけではない。
このシートのロックか甘いから自然に少し倒れただけです。
よく見なければ判らないくらいほんの少しですよ。10cmは動いていません。
悪いのはロックの甘いこのシートです。
私が悪いことをしているように大声で何度もわめくものじゃありませんよ。
シートのロックが甘いのはよくあることです。
こういうことで、人を悪者扱いするような、
すごくいやな気持ちになりました。」
と、CAさんは、
「すいません。危険ですので。」

 

この場合、どうなのだろうか。
これがなんの危険を防ぐ行為なのだろうか。
みんながドキッとするような大きな声で、
何度も叫ぶことなのだろうか。
あくまでも、このCAは、危険を防ぐために正当なことをした姿勢を譲らない。

 

いやな気持ちのまま、福岡空港に着いた。

 

 

もう一つの話。
幹部の会議でこんな話が出た。
「代車をお客様にお貸しして、
万が一、そのお客様が事故を起こした場合で、
ひょっとしてそのお客様が”無免許状態”だったら、
こちらが所有者責任を負わなくてはならないことにならないか。
ならば、
代車をお貸しする時、免許証の提示をお願いして、
無免許でないことを確認すべきではないか。」
たしかに、
可能性がゼロではない。
しかし、限りなくゼロに近いリスクを避けるために、
たくさんのお客様に、「えっ?、免許を見せるの?」と思わせるのか。

 

危険・リスクを避けるためには、
どんな不快をお客様に与えてもいいのか。

 

色々と考えてしまった今日でした。

 

 

色合いが魅力的で、しばらくトップページに貼っていました。

 

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    代表取締役会長兼CEO

    谷 好通

    キーパーのルーツであり、父であり 男であり、少年でもある谷好通の大作、名作、迷作コラム。
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