谷 好通コラム

2014年04月15日(火曜日)

4.15.仲介者が自分の都合を入れると、、難しいことになる。

キーパーのたくさんの看板が、
全国のキーパープロショップさんの店頭に上がっています。
これは当社の営業担当者が、
プロショップさんから、看板のご依頼をいただいたら、
アイ・タック技研㈱社員の6人のデザイナーの内、
その地域担当のデザイナーと共に、
看板を設置するプロショップさんの店舗を訪問して、
店舗を現地で実際にデザイナーの目で見て、
店舗の方のご要望を直接お聞きして、
デザインを起こし、ご要望によっては再デザインをして、修正していきます。
そして、看板担当者が店舗の看板設置場所の状況を見て、
お見積りを作り、
現地で契約している看板屋さんを選定して、
看板を取り付ける段取りを着け、看板設置です。
このようにかなりの手間をかけて、実際の看板設置にたどり着きます。

 

ところが、看板の”ご要望”をいただいてから、”設置”に結びつくまでの率が、
名古屋営業所管轄を除いて5割以下と非常に低いのが実情です。
デザイナーが現地を訪問するようになって、
キーパーの経験の蓄積に加えて、
店舗のご要望に沿ったデザインができるようになったと自負していましたが、
低い設置率はなかなか改善されません。

 

そこで、看板担当のメンバーを集めて事情を聞きました。
その看板担当に言わせると、
「看板依頼のあった施工店さんの営業担当者によって設置率が大きく違う。
設置までキチンとサポートして設置にまで漕ぎ着ける営業は設置率が高い。
でも、話が続かず、途中たち消えになってしまう無責任な営業担当者もいて、
その場合、店頭の設置率は極端に低い。
営業の責任感と行動で設置率が決まっている傾向があります。」と言います。

 

私はその話を聞いて、
看板担当のグループを解散する事にしました。

 

看板設置には、4つの立場の人たちが関係しています。
①営業担当者・②看板担当者・③デザイナー・④看板屋さん。
それぞれが役割を持っていますが、
単に分業しているだけでなく、
それぞれが看板設置にまで進める事に責任を持っています。
チームプレーでの仕事なのですから、
4者の誰も「・・・・が無責任だから・・」と、
誰かのせいにする事は出来ません。

 

それでも話が途中で立ち消えになるのは、
誰もが、自分もそれを進める責任が等しくあるのに、
例えば看板担当者が、
○○がしないから・・と、
自分はその責任を果たそうともしなかったように、
すべての担当者が、責任が放棄した結果、
その事自体が放棄され、立ち消えになっていたのです。

 

しかし、それは、
○○がしないからと言っていたその人が悪いのではなく、
その役割そのものが無用であって、必要ないということだったのです。
つまり、不必要な役回りを作ったばかりに、
担当者が多すぎで、仕事が分散し、責任も分散して、
責任を持って行動する人がいなくなってしまったと言うことでしょう。

 

本来は全体をコントロールし調整する役割が無用だったようです。
調整役とか、
仲介役というものは、元来、無用である場合が多いものです。
自分達がお互いに直接話し合えば、お互いに責任を持ってやれたのに、
下手に調整役を入れたばかりに、誰もが無責任になって、
話が立ち消えになる場合があるということです。

 

名古屋営業所管轄の看板設置率が高かったのは、
看板担当者が、自分で看板を設置する能力があったので、
看板担当者=看板設置業者であり、
調整役がいなかったからです。

 

看板担当がいなくなっても、営業担当者、デザイナー、看板業者
この三者が直接コミュニケーションを取れば、必ず上手く行くはずです。
その仕組みを造っていかねばなりません。

 

 

仲介者がいないほうが、かえってうまく行く例がいくつもあります。

 

例えば
海外の人と議論をする時は、
必ず通訳の人が付くのですが、
議論の内容が複雑になってくると、
交わされている話を通訳の人が理解できなくなる事があり、
こちらが話した言葉に対して、
返ってくる相手の返事の言葉の内容が噛み合っておらず、
相手にこちらの話が通じていないな、と感じることがあります。
そんな時は、返ってきた返事を無視して、
返事が返ってくる前の話の内容を、もう一度する場合があります。
この場合、通訳の人に今度は理解してもらえるように言い方を少し変えます。
こんなことを何回か繰返すので、
日本語同士で話をするより話がなかなか進まないものです。
しかしもっと面倒なのは、
一回目の話を通訳さんが理解できなかったことを認めなかった場合です。
理解できなかった自分を擁護し、自分の立場を防御するために、
つまり自分の為に、通訳されている両者の話の論旨に歪曲をかけると、
もう話はむちゃくちゃになります。
そうでなくとも、
通訳さんが自分の立場を守るために、あるいは感情的に、
自己弁護的に話を歪曲して通訳する場合はよくあります。
しかしこの場合は、
通訳さんがいなくては言葉が通じず、
これをなくする事は出来ないので
自分の都合を入れない通訳を探すしか方法がありません。
難しいことです。

 

 

あるいは、
例えばそれが不動産屋さんの場合。
その物件について、「買う」「売る」の両者の都合の仲介をするだけでなく、
不動産屋さんが、自分の都合を入れてくると、
仲介を頼んだどちらか側が、
仲介を頼んだばかりに、
かえって自分の側に不利を押し付けられることになったりします。

 

仲介を入れなければ、
つまり、直接話せば、問題なく売買が成立したのに、
仲介を頼んだばかりに、売買が設立せず、
かえって不動産屋さんの都合のいい結果になってしまった例を知っています。

 

何か物事を進めるには、
本当は、なんでも直接が一番のようです。
しかし、そうは行かないのが世の常で、難しいところです。

 

今日は東京往復の出張です。
富士山がかろうじて見えました。

 

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    代表取締役会長兼CEO

    谷 好通

    キーパーのルーツであり、父であり 男であり、少年でもある谷好通の大作、名作、迷作コラム。
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