谷 好通コラム

2014年05月18日(日曜日)

5.18.「横を見ることなく」「目の前の”人”を見る。」

昨日の結婚式の前、
私が喋る祝辞の内容を考えていて、
ふと、気がついたことがありました。
前に書いたダイソンの話の続きの話です。

 

ダイソンの掃除機も、扇風機も、
それまでのほかのメーカーが造っていた掃除機や扇風機とは、
まったく違う技術とデザインで出来ています。
似ても似つかない形で、
ダイソンには、
従来からある製品と”同じような製品”を造るという発想がないようです。

 

他製品に比べて勝とうと思っていません。
ライバルに勝とうとせず、
ライバルを見ずに、
掃除機を使う自分や、目の前の” 使う人”だけを見ています。

 

だから、従来からの掃除機の機能や形にまったくとらわれずに、
自分や、目の前の使う人=消費者にとって、
どんな掃除機が良いのかだけを考えて造ったので、
従来の掃除機のどれとも似ていない、
ダイソンだけの技術と形で、ダイソン独自の掃除機が出来たのでしょう。

 

ライバルに勝とうとすると、
まず、ライバルを認め、肯定するところから始まります。
肯定したのだから、
それよりももっと良い性能であり、より形が良くて、
出来ればライバル商品よりも安くて、
消費者がライバルの製品”より”、
自社の製品を選んでくれて、
ライバルより売れて、ライバルに勝てる製品を造ります。
つまり、
目の前の使う人を見ずに、横にいるライバルを見て、
ライバルに勝つことを目的に製品を造ることになり、
すると、
目の前にいる”人”が見えなくなってしまうこともあります。

 

使う人が見えずに造られた製品には
そこに使う人にとっての”不満”と”不快”が生まれます。

 

ダイソンのホームページにこう書いてありました。

「誰もが感じるように、きちんと機能しない製品に対して不満を感じます。
デザインエンジニアとして、その不満を解決する方法に取り組みます。
発明と改善がダイソンのすべてです。」
http://www.dyson.co.jp/community/about-dyson.aspx

 

誰もが感じるように・・・・の”誰もが”とは、
自分であり、目の前の人たちのことでしょう。

 

誰もが持っている不満に、
多くの人は、あっても仕方がないものとして、
慣れて、
不満を不満と感じなくなっていても、
ふとした時、その不満に我慢がならないことに気づき、
怒りを感じ、不安を感じ、イライラッとするものです。

 

それを解消したい。
何とかしたい。なくしたい。
と、その不満を発生している製品を”否定”するところから
発明が生まれ、改善が生まれているのでしょう。
その”否定”から生まれた発明と改善がダイソンのすべてと言っているようです。

 

掃除機で言えば、
従来の掃除機に必ず着いていた「紙パックフィルター」
ゴミを吸って、ゴミが掃除機の紙パックフィルターに溜まってくると、
吸引力が徐々に落ちてきて、
ちっとも吸わなくなってきたので、
紙パックフィルターを交換しようとすると、
手が汚れて、いやな気がするし、イライラッとする。
だから、
紙パックフィルターがない画期的なサイクロン式掃除機を造ったら、
ゴミが溜まっても、吸引力がまったく落ちず、
紙パックフィルターの目を通ってしまうような細かいゴミまで取れるようになって、
もちろん、紙パックフィルターを換える不快も、手間も、費用も要らない。
だから、
従来式の他社掃除機の二倍の価格でも、
ダイソンのサイクロン掃除機は、
市場の60%ものシェアを占めるような大ヒット商品となりました。

 

従来の紙パックフィルター式掃除機を否定することから、
つまり、今ある不満を生んでいるものを”否定”して、
その不満を解消した新たな製品を造りだす事が発明であり改善だというのです。

 

発明・改善の源となる不満・不快は、
自分や目の前の人たちが感じることです。
横にいるライバルを見ていてもその不満や不快は伝わってきません。
ライバルばかりを見ていても、
目の前にいる無数の人たち、つまり消費者の不満は伝わってこないのです。

 

 

見るべきは、横ではなく、目の前です。
自分を含めた目の前の無数の人たちを見るべきです。
横を見ていると目の前が見えなくなります。
ダイソンは横にいるライバルを見ず、
自分を含めた目の前にいる人たちを見ていたのです。
ダイソンの秘密はそういうことだったのです。

 

・・・・
そんなことを、
昨日の結婚式の前に考えていたら興奮してきました。
ふと、こんなことを思ったのです。

 

ダイソンとKeePerではその規模の桁がいくつも違いますが、
同じような部分があると思ったのです。

 

KeePerはここ10年くらい毎年120%~130%成長しています。
これは大変な成長であり、
これは多くの施工店さんのおかげだとも思いますが、
それは感謝すべきそれとして、
そのおかげだけで出来ることではありません。
成長の原動力は、なんといっても商品力です。
お客様のお車に提供する「キレイ」の品質と持続力という商品力が、
クリスタルキーパー、ダイヤモンドキーパーなどにおいて、
圧倒的であることに他ならないのでしょう。

 

他社製品との比較テストを、
たまに、開発センターのスタッフが行いますが、
ライバル製品との性能差は、圧倒的です。負けたことがありません。
といっても、
製品が勝っているのは「結果」であって、
ライバルに勝つことを目的に、KeePer製品を作ったことはないのです。

 

アイ・タック技研㈱は、
キーパーの製品を製造し施工店に供給するメーカーであると同時に、
消費者と直接接する店舗・キーパーLABOを運営しています。
だから、
LABOに勤めているアイ・タック技研㈱全体の2/3以上の社員の、”目の前”に
いつも「キレイ」を求め、買って、評価してくれるお客様がいます。
それから、同じようにお客様と直接接し、
その評価を直接受けるキーパープロショップをはじめとする施工店さんがいて、
私達は、彼らと深い関係を持ち、疎通を持っています。

 

だから、いつも目の前にお客様という”人”がいて、
私達は製品を開発する時も、
造る時も、製品を改善する時も、
いつも、目の前の人たちのことを考えて製品を造って来ました。

 

ライバルを見て、
それに対抗する気持ちや、
ライバルに勝とうとして製品開発を考えたことはほとんどありません。

 

キーパーの製品は、
「塗装面改善の方向性」と「コーティングとは犠牲被膜」という
二つの独自の理論で考えられ、造られています。
独自に、組み立てた考え方で、
いくつかの特許で構成されています。
たぶん他のメーカーさんとは、まったく違う考え方です。
そして、その方向で日本とドイツの最先端の技術が結集されて
日本とドイツの両方で造られているのがKeePerの製品です。

 

だから、
独自性の強い製品が出来、
その製品の性能は、他とは違う次元の性能を持っている製品です。

 

へんな言い方ですが、
クリスタルキーパーは、
本当に、すごくキレイになって、
本当に、いかなる環境においても、いかなる使用状況でも、
平気で1年間、ノーメンテナンスで、ちゃんとキレイが持続するのです。
ピュアキーパーも、ダイヤモンドキーパーも、
他の製品も、
パンフレットに書いてある事が、
この類の商品には珍しく、本当の事なのです。
だから、たくさんのお客様から評価をいただき、買い続けていただいています。

 

さらに、
私は他メーカーの製品のことをほぼ全く知りません。
ライバルがどのメーカーに当たるのかも分かりません。
開発担当のスタッフは、
たくさんのケミカルを買い込んでテストをする事も有るようで、
その評価の一覧が私に届きますが、
結果だけを見て、ほとんど憶えていません。
誤解を恐れず言うならば、
・・興味がありません。
私達には目の前の数え切れないほどの”人たち”がいるので、
横を見る気にならないだけです。

 

目の前に人たちに”やって良かった”と思ってもらえれば、それだけで十分です。
そういう姿勢で、新しい製品を造り上げていくことが、
未来の有るべきKeePerの姿を作り上げていくのでしょう。

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    代表取締役会長兼CEO

    谷 好通

    キーパーのルーツであり、父であり 男であり、少年でもある谷好通の大作、名作、迷作コラム。
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