谷 好通コラム

2014年10月30日(木曜日)

10.30.価値観が違うと、一つの物が、違う物に見える

世界のひとつの懸念として、
中国の経済が崩壊するのではないかとの問題があります。
シャドーバンキングと呼ばれるいわゆる”高利の闇金融”が、
貸付先の不良債権の増加で資金不足になっているので、
波状的にやってくる埋財商品(投機的高金利金融商品)の償還時期に、
デフォルト(不払い)を起こすのではないか。という不安なのだそうです。

 

シャドーバンキングとは、
政府の認可の元に営業されている銀行ではなく、
日本で言ういわゆる「闇金融」のような存在ですが、
その貸付残高は約350兆円と言われ、
日本国の国家年間予算の3.5倍に相当する想像を絶する金額です。

 

このシャドーバンキングの崩壊が、
巨大すぎるがゆえに、
連鎖的に中国経済そのものの崩壊につながる可能性があるので、
中国政府は、
シャドーバンキングが非公式の闇金融であるにもかかわらず、
デフォルトを起こしそうになる度に、
政府の資金=中国中央銀行の資金を直接投入して、
その救済に追われているそうです。

 

この話はややこしくて、
シャドーバンキングの正体は、実は、中国人民軍であり、
人民軍の軍事費が、シャドーバンキングの元手だそうです。
もともと、
中国政府と人民軍は、
お互いに反目し合っていて、権力闘争が激しいのですが、
そのシャドーバンキングがパンクしそうになると、
中国政府は、仲の悪い人民軍の首根っこを押さえることにもなるので
中国銀行の金を出しているのだそうです。

 

中国全体の経済が、バブルであって、
それが破裂しそうになるたびに、
権力闘争がらみで、その場しのぎをしているのだとすると、
中国の経済は、将来的な展望を持って運営されているわけではなく、
非常に短い焦点の狭い視野の中で、
その場しのぎの連続を繰り広げているのでしょう。
中国の危うさとは、実にそんなところにあるのかもしれません。

 

しかし今、日本では、
こんな中国の裏側を暴露して悪く言う”本”が大流行で、
そんな”本”には、共通してこんなことが書いてあります。
昔からこの手の暴露本には、
他国のことを、いかにも面白おかしく書いてあるのですが、
そこに書いてある未来の予言のようなことは、
ほとんど当たったことがありません。
だから前述したことも、
そのまま鵜呑みにすることはできないのです。

 

しかし、中国の世界は、本当に解かりません。
価値観の部分で、私たちとは大きなずれがあって、
理解できないのです。
だから、いくら私たちの価値観で、
暴露本のように中国を悪く言っても、違う価値観の物差しで見れば、
すべてが帳尻の合う合理的なことなのかもしれません。
価値観が違うと、一つの物が違う物に見えたりするので、
必ずしも、違う価値観を、
自分たちの価値観で計り良し悪しと決めつけてはいけないのかもしれないのです。

 

そんなことを考えさせられた日でした。

 

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    キーパーのルーツであり、父であり 男であり、少年でもある谷好通の大作、名作、迷作コラム。
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