谷 好通コラム

2015年09月07日(月曜日)

9.07.ホフマン社長の家族、獅子と帝王学

先日の30周年パーティーにご出席のSONAXホフマン社長は、
奥様と息子さんを連れて来られました。
日本の古都を一緒に観光することもあったのでしょうが、
ご自分の家族を、
顧客の会社のパーティーとミーティングに連れて来るのは、
日本の家族の日常からすると、違和感があります。
しかし、欧米文化からするとこれは普通のことであって、
私達の会社に取引先の社長がご家族を連れて来られたことを、
むしろ光栄なことと思い、
ご自分の家族までお見せになられたホフマン社長を。
私達は信頼すべき相手として、今後の長いお付き合いを約束します。
何代にも渡って取引を続けていく信頼に基づくビジネスを、
ヨーロッパは続けてきました。それに基づいた習慣なのでしょう。

 

ホフマン社長の奥様はお医者さんでドクターの称号を持っています。
患者をまず総合的に診断して、
どの専門医に行くべきかを決める総合医というか、
日本にはないジャンルのお医者さんです。
息子さんは18才で、もう何年も前からお客様などとの社交の中にあって、
次期社長(5代目)になるための英才教育を受けています。
来年からイギリスの大学に留学するそうです。

 

 

このご家族の姿やあり方を見ていると、
ヨーロッパ社会の歴史の深さを感じさせられます。
羨ましくもあり、自分には出来ないなぁとしみじみ思いました。

 

YAHOO!の株式速報のわが社のページに、
「掲示板」があって、
そこにいただいた投稿に意味深い言葉が
ありました。
非常に見通したご意見であり、
ルール違反とは思いつつ、
きっとお許しいただけるものと勝手に考えて、
そのまま転載させていただきます。

 


 

一定規模の会社になると政治をやる輩が出てくる、
これはどんな企業も一緒。
やるべきことを見失って、利己的になり、権益ばかりに目が良く。
そしてそういう人間は癌となる。
これはある意味、宿命と言えば宿命。
米企業でも同じで、コカコーラ、GM,GMS,リーマンもそうだけど、
どんな規模でも同じ。
零細企業だって、政治は起こるよ、
自分だけ良ければいいって、
派閥を作って責任を取らないで自分だけ良い思いする人間。
そう言う人間に限って家族を守るためにとか言って、
結局自分の会社をダメにする。
それは企業にとって最大のリスク。
それを身に染みて理解しているのがこの社長なんだよ。
ダイヤモンドダイニングの松村社長のブログでも似たようなことを書いていました。
結局ホリエモンも下の人間に食われた。
一人腐った人間が出来れば周りも腐り、最後は全てが腐る。
だから、2世の企業って潰れるところ多いんだよね。

 


 

これは、
私のブログ「9.03.自分の都合を優先する”豊かさ”の危機」を読んで、
書いていただいたものだと想像するのですが、
怖いことが書かれています。

 

文中の「政治をやる輩」とは、
会社の仕事の中で、
お客様の為とか、会社のみんなの為とかではなく、
会社の正義の為とか何とか言って、自分と自分のグループ(派閥)のために
仕事を恣意的に操作する人たちのことでしょう。
自分勝手な行動で仕事をしてしまう人たちのことを、
「政治をやる輩」と表現しているのではないでしょうか。

 

この会社には、これに該当するようなことはありません。
今のところはありません。

 

しかし「派閥」は、簡単に出来ます。
自分の手下にしたい者を選別的に甘く扱えばいいだけです。
「お客様のため」「みんなの会社のため」を緩めて、
「自分のため」を仕事の中に許せば、
簡単に「派閥」(グループ、チーム、)は出来ます。
一人の腐った存在は、周りを簡単に腐らせるとの例えどおりです。

 

しかし、
会社が成長して膨張していく過程で、
こういうことは、多かれ少なかれ、必ず発生するのでしょう。
創業者である私が、
一つの価値感で仕切っているうちはまだしも、
これが次の代に移っていく時、
小さいながらも権力争いが始まるのは、
多くの会社が経験してきています。
そうなってしまえば、前述の掲示板の言葉にあるように、
会社の力は萎えて衰退の一途をたどります。
会社の仕事そのものが、
お客様のためのものでもなければ、
会社のみんなの為でもなく、自分と自分たちグループのための行動になっては、
社会にとっても、お客様にとっても、会社のみんなにとっても、
役に立たず、会社そのものが必要ではない存在になります。

 

それを未然に防ぐために「世襲」があるのでしょう。
血のつながりを唯一の事業承継の理由にしてしまえば、
権力争いは防ぎやすくはなりますが、
世襲した者の力が弱ければ、あるいは能力が低ければ、
権力争いに巻き込まれて、かえって悲惨な結末を迎えることもあります。
二世の会社が多く潰れるのは、そんな理由ではないでしょうか。

 

それを防ぐための、帝王学的な教育なのでしょう。
代々引き継いできた絶対的な価値観を、
全身で実践できるような
強力な経営者を作り上げます。
そんなホフマン社長と奥様、18歳の若き帝王を目の前に見て、
ほんとうに、羨ましいと思ったのでした。
厳しい、とても厳しい「獅子」と「子供」の関係を感じました。

 

KeePerとSONAXとTESCOの家族ぐるみ幹部ぐるみでランチのあとに。

 

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    谷 好通

    キーパーのルーツであり、父であり 男であり、少年でもある谷好通の大作、名作、迷作コラム。
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