谷 好通コラム

2015年09月10日(木曜日)

9.08.まったく変わらない生活にいらだったこともありました。

今年の2月12日に東証マザーズに上場して、
自分が所有している株式の時価が跳ね上がって、
自分たちの今までの生活とはかけ離れた金額が、
計算上だけの金額であるにしろ自己所有となった訳です。
売って、換金すれば、
現実のお金となって、贅沢が出来るはずなのです。

 

しかし、
それは換金した場合であって、
株式は、お金そのものではありません。
株式とは、むしろ、
この会社の経営権であり、
この会社を経営している目的は、
KeePerが生み出すCS(顧客満足)とES(従業員満足)の同時実現によって、
日本の車社会にお客様とスタッフが幸せなる新しい洗車文化を造りだすことです。
だから、この事業を運営して、
ビジョンを実現する権利が、株式なのだと言えます。

 

投資家のみなさんにとっては、
”株式”とはその会社の所有権であり、
売り買いが出来、
その事業から生み出される利益の分配を受ける権利でもあります。
そして、我々運営者は、
投資家のみなさんから投資していただくことによって、
事業を発展させるための資金を得ることが出来ます。

 

我々運営者は、
”株式”を換金することが目的で株を保有しているわけではありません。
だから、よほどのことがなければ、
株式を売って換金することはありません。
ストックオプション(新株予約権)が行使されても、
それを売って換金した者は、親の借金を返すための一人だけでした。
ロックアップ解除後も、
この一人以外誰も株式を売っていません。
我々運営者は、株式を売らないので、
だから我々が持っている株式はお金そのものでなく、事業を行う権利と言えるのです。

 

我々運営者は、
株を上場したことによって、
お金持ちになった訳ではありません。
だから、生活が変わることもありません。
決して楽になる訳でもありません。
ましてや、
求めるべきビジョンに対する思いが変わる訳ではありません。
むしろ得られた投資によって、求めるべきビジョンが実現に近くなって、
楽になるどころか、とても忙しくなります。
それでいいと思うのです。

 

しかし、
この会社がこの2月に上場した当初、
株式のほぼ過半数を占める我々運営者は、
自分が持っている株式数に時価を掛けてみて、
お金持ちになったような錯覚をしました。
そして一時的に、何か贅沢をしなければいけないような強迫観念を持ちました。

 

私は家を建て直そうかと考えました。
しかし、家にはおばあちゃんがいるし、
猫のチーちゃんが居心地良さそうにしているし、
家の外ではノラ男がたむろしているし、
何しろ住み馴れて、
私たち夫婦も居心地がすこぶる良いので、
建て替えのモチベーションはいつの間にか消え失せてしまいました。
あるいは
値段ばかりが高いブランド物なんて、
そんなものは自分に似合わず、欲しくもありません。
贅沢な食べ物はカロリーが高いし
結局、どんな贅沢をしたらいいともわからず、
でも、贅沢な生活をしなくてはいけないような強迫観念との板挟みになり、
逆欲求不満みたいに
無駄にイライラした時期もありました。

 

これまでみんなで頑張って仕事をしてきて、
一つの成果を出すまでに来れたのに、
今までの生活と何も変わらないことにいらだちを感じたのです。

 

しかし、今までと全く変わらない生活を続けているうちに、
また、夢中で仕事をしているうちに、
やっぱりこのままが良いと思うのと同時に、
所有している株式が、
事業のビジョンを実現するための権利なのだと気づき、
“お金”に換算もできるし換金もできるが、
お金そのものではないことに気がついて、
贅沢をしなくちゃいけないのだという強迫観念から解放されました。

 

今は、まったくいらだつことなく、嬉々として仕事をしています。
これで本当に良かったと思います。

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2015年09月10日(木曜日)

9.10.聞いた方が早いし、聞かなきゃわからない。

昨日、三河地区のキーパーLABOのチーム会に飛び入りで出ました。
一昨日は東京営業所で東京のチーム会に出たので、その続きです。

 

チーム会に出て、聞きました。
「君たちの店は、世の中のSSさんのプロショップ店舗よりも
概してたくさんキーパーコーティングを施工しているけど、
なぜ多く販売できているのだろうか?」
そうしたら、若い店長が、
「僕たちはお客様のお車を見て、
どうすればお客様が満足するのか、
お客様の話を聞こうとするけど、
プロショップさんは、
店の方から”売ろう”と話をするから、
お客様の方が引いてしまう。と、お客様から聞いたことがあります。」と言います。
さらに、
「聞いた方が早いし、聞かなきゃわからないですよ。」とも言います。
「聞けば、お客様はいっぱいご自分の車がどうなって欲しいのかを話します。
だから、聞けばいいだけですよ。」と言うのです。
それを聞いて、ホッとしました。

 

サービス業である私たちは、
こちらから、お客様が欲しいサービスを、聞かなければ、
どんなサービスを提供すればいいのか、
何もわかりません。当然です。
しかし、もう出来あがっている”製品”を販売している人は、
製品の説明をするのに慣れてしまっていて、
お客様が何を欲しいのかを聞く前に、
自分が提供しているサービス商品も説明してしまうようです。
すると、
お客様は自分の欲しいものを聞かれずに、
店員さんの方が売りたいものを一方時に説明されてしまうと、
お客様は、引いてしまうのでしょう。
ホントにそうならば、ただ思い切って聞いてしまえば、
意外と簡単なのかもしれません。

 

「聞いた方が早いし、聞かなきゃわからないですよ。」とは、
一生懸命、真面目に、売ろうと努力している方からは、
かえって分からないことかもしれないなぁと、ふと思いました。

 

 

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    谷 好通

    キーパーのルーツであり、父であり 男であり、少年でもある谷好通の大作、名作、迷作コラム。
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