谷 好通コラム

2016年10月02日(日曜日)

10.02.のれん分けから”暇”で別の味、けんか別れ。

ある老舗の料理屋さんがあって私はその味が大好きでした。
しかし私の家から遠くてなかなか行けなかったのですが、
その老舗の料理屋さんからのれん分けを受けた料理人が、
たまたま私の家の近くに、その老舗の分店を出して、
私は、近くのその分店の方によく行くようになりました。
しかし、分店はいつも暇で、
行列が出来るような繁盛の本店とは全く様子が違います。
最初は仕方がない。
そのうちにリピーターが増えて繁盛店になると思っていました。

 

でも、最初、分店の味は老舗の本店の味と同じような味でしたが、
だんだんと味が妙にはっきりしてきて、老舗の味と変わってきました。

 

そのうちに、看板が変わって、
老舗の由緒ある名前が消えて、
一文字のこけおどしの効いた名前になっていました。
本店と喧嘩をしたようです。
味を勝手に変えたのが原因なようです。

 

本店のある場所は名古屋でも一番の文教地区で、
老舗本店の上品な味が喜ばれたのですが、
分店が建てられた場所は一見高級住宅地のようで、意外とそうでもない地域で
本店の上品な味が好まれないと分店の主人は思ったのかもしれません。
今では元々の老舗本店の味とは似つかぬ味になってしまい、
私は、その分店に行かなくなって、もうしばらくは行っていません。

 

今日、久しぶりの休みで、
時間があったので、家族とちょっと遠い「老舗の本店」に行きました。
そこで、私は驚きました。
そう、この老舗の本店の味はやっぱり素晴らしく美味しかったのです。
昔通りやっぱり素晴らしく美味しかったのです。

 

あの分店は、最初は本店の味を同じように出していたのに、
ちっとも繁盛しなかったので、
その地域の住民に合わせなければと思ったのか、
味を”普通”に変えてしまって、客寄せをしたのかもしれません。
しかし、その味では老舗の名前をかけ続けさせるわけには行かないと、
本店に名前を取り上げられ、
主人は一緒でも、違う名前の店になってしまったようです。

 

しかし、久しぶりに食べた元々の本店の味は美味しかった。
この味を守って行けば、
いつかはリピートが積み重なって、
本店のような繁盛店にきっと成れたのに、
“暇”に負けて、味を変えてしまったのでしょう。
もったいないことです。

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    代表取締役会長兼CEO

    谷 好通

    キーパーのルーツであり、父であり 男であり、少年でもある谷好通の大作、名作、迷作コラム。
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