谷 好通コラム

2017年05月19日(金曜日)

5.19.今日、株式分割を実行し年初来高値になりました。

一昨年の2月、東証マザーズ市場に上場し、
昨年の3月、東証一部に市場変更しました。
そして、今日の12時に今年の6月30日を基準日にして、
株式を二分割することを今日12時の開示で発表しました。

 

最近、株価が上がっていたのですが、
今日の発表に好感を持っていただいたのか、そこからまた上がって、
今日の終値が前日比+156円で、
年初来高値の2,355円にまで上がって引けました。
ドキドキです。

 

株価が上がってうれしいと思いますし、
会社にとって可能性が増え、
株主の皆さんに少しは恩返しができたかなと思います。
しかし、私自身にとっては何かが変わる訳ではありません。

 

私たちにとって会社の株式は、会社の経営権であって、
それにどれだけの値段がついても、それを手放すことはありません。

 

たとえで言って見れば、
会社の株は、
農業における畑そのものです。

 

農業を天職とするならば、
先祖が残してくれた畑は、
そこでどれだけのキャベツが出来るのか、
いかに手入れをして良いジャガイモを造るのか。
畑は農業を営む経営権のようなものです。
しかしその農家の周りが開発されて宅地になって、
その畑にも、
びっくりするように値段が付いたとしても、
その農家が農業をやめる気がなくて、
その農家には畑は畑としての価値が最高であって、
畑での農業を営む人生が、その人にとって最も価値があるのならば、
その畑に何億円の値段がついても、
売って換金しても、その金で遊んで暮らすことに何の価値も感じず、
農業としての人生以上に何も物もいい思いも要らず、
農業を営み、
土に親しみ、虫を愛しく思い、
夕日を心に沁み、
丹精込めた農作物に命をささげる人生を尊いと思うのならば、
その畑に何億円の値段を付けられても、
その農家としての人生に全く動じるものではありません。

 

それと同じように、
自分が作り上げてきた会社の経営は、
そこに働く人によって造り上げた「価値」が、
多くの人に喜びを提供して、
その喜びが、働くものの働き甲斐になっているのならば、
そして、それを実現し支えていくためにその会社の経営権が必要ならば、
をの経営権に莫大な値段を付けていただいても、
経営者としての人生以上には
何も物は要らず、
その経営権を売って、
物を買ったり、遊んだりする人生よりも、
喜びを分かち合う人生を送りたいと思うし、
死ぬまで働いて役に立つ人生をまっとうしたいと思う。
だから、
この会社の株に高い評価をいただいたことはありがたいし、
会社の将来への希望が大きくなったとも思いますが、
それを換金したいとは全く思いません。

 

しかし、
農家には子供がいて、
農家としての価値観を教えたいと思って、
畑の何分の一をその子供の名義にして、
農家としての価値観を子供と共有したいと思ったのに、
子供は、
その何分の一の畑にも、
億円の値段が付いていて、
すぐにでも買いたいという人がいたので、
躊躇することなく売って、大金を手に入れ、
仕事をやめ、もちろん農家はせず、
遊び、社交に生き、趣味に生きる遊びの人生に入ってしまったとしたら、
その農家は、
畑の一部を分け与えたことに深い後悔を持ちました。

 

そして、
自分と妻が死んだら、
その子供に畑のすべてが渡って、
畑が畑の意味を失うことが目に見えたので、
それを防ぐために、農家は何をするだろうか。

 

私だったら何をするだろうか。

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    代表取締役会長兼CEO

    谷 好通

    キーパーのルーツであり、父であり 男であり、少年でもある谷好通の大作、名作、迷作コラム。
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