谷 好通コラム

2017年09月22日(金曜日)

9.22.出来ないであろう自分を思い浮かべると、悲しくなる。

今日は予定通り12名の来春卒業予定者の面接をしました。
皆さん初めての面接だからなのか、ものすごい緊張ぶりで、
こちらにもその緊張が伝わり、今日は、私もすっかり疲れてしまいました。

 

私は、人前で緊張のあまり”上がる(揚がる?)”ということはない方です。
たくさんの人の前ならば、
300人とか500人の前で講演をさせていただいたこともありますが、
そういう場合はたいていスポットライトに照らされていて、何も見えず、
目の前のパソコンのパワーポイントだけを見ていることになります。
これはこれで結構気持ちのいいもので、
ある意味恍惚で勝手に話が盛り上がります。

 

自分も緊張するのは、
むしろ今日のように目の前の若い子が緊張している時です。
特にそれが女の子だったりすると
頬を赤らめて緊張している様子が、可愛くって
こちらも緊張してしまうのです。

 

緊張と言えば、
何年か前まで、自動車のレースに参加していた頃は、
スタートの前の緊張がたまらなく良くて、
心臓がドキドキと高鳴って(実際に聞こえる訳ではないが)、
ローリングスタートで
スタートラインを越える前に緑ランプで前車がフルスロットルで加速して、
間髪を入れずに自分もアクセルペダルを蹴飛ばすように踏み込んで、
COXチューンの#25ゴルフGTIがすっ飛んでフル加速しているはずなのに、
回りの車も同じくフル加速しているので、
まるで止まっているかのような錯覚しそうになります。
第一コーナーの手前で、インを取ろうとハンドルをわずかに左右に振りながら、
絞り込むようにブレーキをコントロールしながら踏み、
時にはABSが効いて、急減速するのですが、
やはり回りの車も急減速するので、まるで止まって見えます。
身体にかかるGは激しいのだが、
それでもバケットシートにきつく縛り付けられた体は全く動かず、
ハンスでヘルメットにつなぎ止められた頭も、ほとんど動かず、
ハンドルを持つ手も、さほど重くなく、
シフトダウンはパドルシフトを指で叩くだけで、
DSGダブル電磁クラッチが自動で開閉されるので、踏む必要はない。
というよりクラッチペダルそのものがない。

 

1コーナーの縁石に右タイヤを乗せながら、
クリッピングポイントをクリアすると一挙に加速だ・・・

 

こう書いていくと、
今でもすぐにサーキットに出で行って走れるような気になるが、
もちろんそんなことはもう出来ない。
出来ない、と自分に言い聞かせる。

 

ポリオで曲がった左足の変形はますます進んで、いかに魔法の靴を履いても
歩ける距離はどんどん短くなっているが、
クラッチレスのDSG車なら左足は使わないので、
シートに自分を縛り付ければレーシング走行できそうな気になってしまうが、
鈍った動体視力と反射神経が、Sタイヤからの情報を処理しきれず
第一コーナーをクリアすることすら出来ないだろう。

 

出来ないであろう自分を思い浮かべると、悲しくなる。

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    代表取締役会長兼CEO

    谷 好通

    キーパーのルーツであり、父であり 男であり、少年でもある谷好通の大作、名作、迷作コラム。
    読めば読むほど元気になること間違いなし。・・・の、はず。

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